生徒様のご紹介

T.Kさん
小学5年生/難関中学受験コース受講
担当教師:東京大学教養学部理科一類1年生
■科目
算数
■教師に求める役割
小学5年生ですが、算数オリンピックで、勉強を自力で行ってメダルを取ったことがあったり、数検も独学で2級の一次まで取りました。次は準1級を取ろうと思っている状況です。 高校数学なども、NHKの高校講座を見たりして勉強したりしています。
算数・数学のわからない問題の解説をお願いします。
教師が作成した指導方針
▼指導方針シートイメージ
【三者面談で教師が提示した指導方針(抜粋)】
数学を学んでいるということもあり、方程式を使うような数学的な問題は得意なようですが、いわゆる算数っぽい地道な問題や、図形問題はまだ伸び代があると思います。
また、誘導になっている問題を見抜けず、発展的な内容が解けないことがあります。
1つ気になることがあるとすれば、理解力がとても高く説明したらすぐに納得なさるのに、答えを見ても分からない、と判断されるところです。 生徒様の学力、理解力からすれば十分と思われる解説が載っているのに、分からないと判断している場合があります。
模範解答と同じ解法で説明されてもすぐ理解なさっていることを踏まえると、もしかすると模範解答をきちんと読めていないかもしれません。
勉強に対するモチベーションや勉強時間は本当に十分なので、特に苦手分野で触れる問題数を増やし、問題のパターンを学んで慣れていきましょう。
実際の授業の様子
■取り扱った問題
【算数オリンピック2013 トライアル大会 問4】
図においてAB=AC=ED、AE=BE、角CAB=120度、角AFC=角BED=90度であるとき。角Xの大きさは何度ですか。
▼実際の板書の様子
▼実際の教師と生徒様の会話の様子
【書き込める角度は全部書いていこう】
教師:この図形を見た時に、なんかここ(AB)と、ここ(ED)の長さが等しいな、って思うやん。
ここの長さが等しいっていうのさ、なんかポイントになりそうじゃん。
だから、この△ABEを△EDGみたいになるように図形をくっつけてみましょうっていう。
そしたらさ、結構綺麗にいきそうな感じがなするんやけど。 ここ(∠EGD)の角度わかる?
生徒様:180-2x
教師:そうそう。ここまでは多分1人でも行けるかもしれへんけど、こっから難しいからな。
じゃあ、ここのADで点対称になるように図形を作ると、なんか気づくことあったりするかな。
(生徒様が考える)
教師:もうちょっと角度書きこんでみる?
なんかまだ全然書き込んでない角度とかあると思うから。
ここ(∠AFB)直角で、これ(AF)垂直による線やから、ここの∠BAFとかさ、60度だよ。
ここ(∠ADE)とかわかる?
生徒様:えっと360が…違うな…。
教師:ここの三角形に注目するといいかも。
生徒様:180-2xの…。あ、90+2x。
教師:そうそうそうそう。そしたら?
生徒様:30…。
教師:そうそう、30-xね
(教師が板書を続けていく)
今多分さ、これ書き込める角度全部書き込んだよな。こっち側。
生徒様:あ!ここ(∠GDI)が60度
教師:そうそう。ここ(∠GDI)が60度になるの。
わかってるところの角度書き込むのやっぱり大事だよね。
さて60度が出てきました。60度と言えば、正三角形ですね。
で、ここ(△EDG)とここ(△HID)対称に作ったよね。 そしたら、ここ(△GDI)二等辺三角形ですね。
ここ(∠GDI)が60度の二等辺三角形だから、もうそれって正三角形ですよね、っていう風に分かります。
今新しくこの三角形作ることによってわかった情報って、ここ(∠GDI)は60度ってことやろ。 その新しい情報使おう。
ここ(∠HIG)何度になる。
生徒様:120-2x
教師:そう120-2x。
生徒様:あ、xが15度だったらうまくいく?
教師:うーん惜しい。悪くはないけど。
ちょっとこの五角形を見てほしいよ。ここ(∠EAH)の角度ってなんだっけ。
生徒様:120-2x
教師:120-2xね。ここ(∠HIG)も、120-2xってさっき言ったね。
ここの五角形(AEGIH)ってさ、全部辺の長さ一緒じゃん。
で、ここ(△EAH)とここ(△EGI)とここ(△GIH)が合同なの。 合同の条件は「2組の辺とその間の角が等しい」だから。そうだよね。
生徒様:こことここと。うん、ここは。
教師:だんだん五角形が「あれ」に見えてきそうな気がするな。めっちゃ対称性高くない。
生徒様:なんか、正五角形。
教師:そうそう。
生徒様:ここ(AE)とここ(EG)とここ(GI)とここ(IH)とここ(HA)が辺の長さが全部同じだから。
教師:うん。ここからは使うのはもうあれしかない。 108=120-2X。
生徒様:2xは16、xが6度
【角度を全部書き込んでいけば、正五角形も導けたかもしれないね】
教師:そうそう。思ってたより全然小さい角度だったな。
多分ぱっと最初の図形だけ見てさ、正五角形やって絶対気づかへんと思うねんな。
気づかへんと思うけど、でも角度全部わかるところ書きこんでいってさ、ここ(∠ADG)が30度って言ったらさ、この五角形作れてたかもしれん。
だから角度を書くのは大事です。
あとはなんか、こっち側にこれ(△AED)ついてるの不自然じゃない。
だって全然最初の図形の時点でさ、別にここっていらんくない。情報としてあんまり全然使ってないやん。
全然使ってないのにあるってことは、なんかこっちを使うような要因が多分あるねん。深読みかもしれへんけど。 という風に思って、これと対称の図形を作るっていうのはありかもしれん。これは難しい。
ちなみにこれ、正答率0.6パーセントです。 多分もしかしたら、ここまで(△EDGの作成)は結構いける人多いかもしれん。
そこまでいける人いるかもしれんけど、こういう問題で正五角形ってあんま使わへんやん。 使わへんから、多分気づかれへんかった子が多いのかなっていう予想です。
でももしこれが正五角形とかじゃなくて、正六角形とかだったら多分すぐ気づくと思うよ。
だから角度書き込んで、「あ、ここ60度や」って気づけやったらさ、多分そこから進展する問題もいっぱいあるから、こういう感じの問題があった時には、角度をしっかり書き込んでいきましょう。
教師へのインタビュー
【誠実に向き合い、コミュニケーションをしっかりとることを心がけています】
—生徒様に指導を行うにあたって、意識・工夫していることはありますか
2つあります。
1つ目は、できなかった問題を、どのように生徒様だけで解けるようになってもらうか、を考えることです。
わざわざ家庭教師を雇っているということは、教えた結果、生徒様が問題を解けるようになってほしいという思いがあるはずなので、
できなかった問題をできるようになってもらうために、 1つの問題に対して、その問題に対しての解法をお伝えするのと、その類題ではどういう解法があるのか、ということをお伝えするようにしています。
具体的には、まずは普通に「こういう風に解くんだよ」ということを解説して、 その後に復習をしやすいように、
その問題のポイントを「こういうタイプの問題が出てきたら、まずはこれを試してみてほしい」とか、
「今回はこの方法だったけど、こういうタイプの問題だったら、別のこういう方法を使ったら解きやすいこともあるよ」などのようにお伝えしています。
2つ目は、生徒様に誠実に向き合い、コミュニケーションをしっかり取ることです。
基本的に、分からなかった問題や、模範解答の中で理解できなかったところを解説させていただいてるのですが、
生徒様の表情を見ながら説明をし、ちょっとよくわからなさそうな顔をしていたら、今のどこがわからなかったのかというのを適宜聞いて、ちゃんと理解しながら進めていけるように気を付けています。
—指導による効果はどのように感じていますか?
指導開始当初は、場合の数や整数問題などの分野がとても苦手で、全然解けていなかったのですが、
今は、ある程度標準的なレベルの問題であればどんどん解けるようになってきており、よかったなと感じています。
実際、1回指導した次の回などに「前回教えてもらった問題が自分で解けるようになりました」 「似たような問題を自分で解けました」などの報告を生徒様からもらう時があるのですが、
その時はすごく、教えたかいがあるなと思って嬉しく感じています。
また保護者の方からもお話を聞くのですが、着実に実力がついてきてるっていうように伺っており、良かったなと思っています。
【ホワイトボードに書いた板書を写真で送るようにしています】
—保護者様とはどのようにコミュニケーションを取られていますか。
授業の際は、生徒様のご自宅にあるホワイトボードに板書をさせていただいているのですが ホワイトボードは基本的に最後消してしまうものなので、
後で振り返りやすいように、板書を1枚書き終わったら、その写真を撮って、 授業が終わった後に、保護者の方にお送りするようにしています。
また毎回授業が終わった際に、次回の日程調整をするのですが、その時とかに「今日はこういうことができました」とかを伝えるようにもしています。
—保護者様とコミュニケーションをとるにあたって、意識・工夫していることはありますか。
指導開始直後に、保護者様・生徒様との三者面談で、指導方針を決める時間があったのですが、 その際に、保護者様が考えていることをしっかりお伺いして、
「こういう風にしたいですね」ということをしっかりお話することができたのが、今の関係性の良さに繋がっていると感じています。
ご家庭様からの感想
【算数に浸れる、算数漬けの2時間を、「すごく幸せだ」と喜んでいます。】
授業では、最後まで一緒に答えを出すというよりも、「ここまでの解法を伝えるから、あとは自分でやってみようか。君ならできるよ」のような形で教えてくださっていて、
1番息子のやる気が出るのは、先生の授業が終わって、先生に「さようなら」って言った後みたいです。 一番刺激されて、いろんなものが頭に浮かぶって。
また私が一番印象に残っているのは、先生が「力尽きるな」という言葉を息子のノートに書いてくださったことです。
「最後の問題が実は簡単だったりするから、最初から順番に解いていくんじゃなく、全体を見渡してから解くようにしよう。最後の問題が簡単だったのに、力尽きることがないように」っていう意味です。
「力尽きるな」っていう言葉が、もうとても気に入っていて、そのノートの写真を、私たちのスマホの待ち受けにもしてます。
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