1. 中学生のうちから医学部対策を始めるメリット
医学部受験は大学入試の中でも最難関。試験範囲自体は他学部と変わりませんが、求められる完成度は段違いで、基礎〜標準レベルの内容はほぼ完璧に仕上げておく必要があります。
そのためには、限られた時間の中で膨大な学習量をこなさなければなりません。
だからこそ、中学生のうちから少しずつ対策を始めることが重要なのです。
①先取り学習でアドバンテージをつくる!
医学部を目指す中学生にとって、まず意識したいのが「英語」と「数学」の先取り学習です。
早めに高校内容へ触れておくことで、高校生になったときに大きな余裕が生まれます。
私立の中高一貫校に通っていれば、学校の授業自体がハイペースで進むため、自然と先取りができます。しかし、生徒様が公立の学校に通っている場合は、自主的な取り組みが必要です。
②積み重ねがモノを言う「英語」を伸ばすことがzできる
英語は教科特性上、短期間で成績を上げることが難しい教科です。
日々の積み重ねをどれだけやってきたかが問われます。
中学生のうちから大学受験を意識して英語に取り組むことで、大きな時間的アドバンテージを得られるでしょう。
③国語力を鍛えるのは中学がチャンス!
医学部受験では、記述式の問題が出題される大学が多くあるため、「思考を言語化する力」、つまり国語力が欠かせません。
ところが、国語は勉強してもすぐに成績に反映されにくく、後回しにされがちです。高校生になると他教科の勉強に追われ、ますます国語に時間を割けなくなります。
だからこそ、中学生の今のうちに国語に力を入れることが大切です。読解力・記述力を鍛えるのに、最も適した時期といえるでしょう。
2. 中学生のうちに取り組みたい科目別勉強法とおすすめ問題集
医学部を目指すなら、中学卒業までに高校の学習についていける基礎力を身につけておくことが大切です。中学の学習内容は、苦手を残さずしっかり仕上げましょう。
高校の先取りは、英語と数学だけで大丈夫です。全教科を無理に進める必要はありません。
①英数国を鍛え、理科は土台を作るイメージで
中学生のうちは、英語・数学を中心に、国語も並行して鍛えるのが基本になります。
理科は大学受験で2教科必要となる重要な教科ですが、中学理科の段階では「得意になる」より「基礎を固める」イメージで勉強を進めましょう。
定期テストをしっかり対策すれば、自然と力がついていきます。
【英語】単語と文法を中心に読解力の基礎固め
英語は語彙力を増やすことと文法の知識を定着させておくことが重要です。
それと並行して読解力を養成するとよいでしょう。
・『英語長文レベル別問題集1 超基礎編【改訂版】』(東進ブックス) |
など、自分のレベルよりも少し高めの問題集を選ぶようにしてください。
【数学】教科書レベル以上の演習を積もう!
数学は高校数学の先取りが前提ですが、各分野ごとの完成度は、教科書(基礎)レベルではなく標準レベルを目指しましょう。
問題集のおすすめは以下の通りです。
・中学数学の演習:中学用のチャート式シリーズ(数研出版)など
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できない問題があれば解けるようになるまで繰り返し演習してください。
【国語】問題集を仕上げよう!
国語も問題集に取り組むのがよいでしょう。
・『中学国語出口のシステム読解』
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がオススメです。
また、高校生用で難しいですが、
・『記述の手順がわかって書ける!現代文記述問題の解き方:「二つの図式」と「四つの定理」』(河合出版)
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も良書です。
ただし、学校指定の問題集がある場合は、そちらを優先してください。
②高校受験があるなら高校受験対策優先で
英数では高校の先取り学習をすることをお話しましたが、高校受験があるならそちらの対策を優先してください。
また、中高一貫校で、学校のカリキュラムがそもそも高校の先取りになっている場合は、無理に学校の進度を追い越さないようにしましょう。
学校の進度に合わせた基礎~標準レベルの内容の徹底で十分です。
3. 医学部を目指す場合の理想的な勉強スケジュール
中学生からトップスピードで走り続けることは非常に難しいため、医学部受験には計画的な学習が欠かせません。
中学生のうちは高校生に向けて「勉強する体力」を育てることが最優先。
学年ごとの目標を明確にし、無理なく着実に力を伸ばしていきましょう。
①中学1年生
中1では、平日2時間・休日4時間ほどの勉強量があれば十分です。
ただしこれは、学校や塾の授業時間を除き、自学自習の時間のみをカウントしてください(授業内に演習時間があれば、その分はカウントします)。
これだけ勉強していれば、よほど層の厚い学校でもない限り、定期テストで上位に食い込めるはずです。
スタートでつまずくことがないよう、英語と数学に勉強時間の大部分を割きましょう。国語にはまだそこまで時間をかける必要はありません。
②中学2年生
中2では、平日2.5時間・休日4.5時間ほどの勉強量があれば十分です。
プラスアルファの学習では、英語と数学にくわえ、国語にも少しずつ時間をかけていきましょう。
夏頃から何かしら問題集に取りかかってみてください。
学校での成績は上位を維持します。特に、公立の中学校であればトップクラスを維持しましょう。
③中学3年生
中3では、平日3時間・休日5時間ほどの勉強量があれば十分です。
英数に関しては先取り学習が始められると理想です。
学校の成績では変わらず上位を維持し、英数国理については高得点をしっかりとりましょう。
定期テストの問題が明らかに簡単な場合は、自学で補うというイメージを持っておくことが大事です。
英数の先取り学習は半年~1年早めるイメージで取り組んでください。
遅くとも中3の夏には高校内容の学習を始められるようにしましょう。
教科書が手元にない状態ですので、高校1年生用の参考書や問題集に取り組んでください。
先取り学習をするにはそれなりのモチベーションが必要です。
書店に足を運び、装丁や文字のフォントなどもみて、続けられそうなものを選ぶのがオススメです。
4. 正しい塾の探し方・使い方とは?
中学生は、部活動や習い事で思った以上に忙しく、通塾が負担になることもあります。
とはいえ、いきなり一人で受験勉強を始めるのは難しいものです。
だからこそ、多くの場合は周囲の大人のサポートが欠かせません。プロの力を借りるのも有効な選択肢です。
①余力十分なら集団指導塾
学校の勉強を問題なくこなせていて、かつそれなりに余裕がある場合は、集団指導塾の通塾を検討してもよいでしょう。
多くの集団指導塾は独自で教材を開発しており、先取り学習ができるようなカリキュラムを組んでいます。
学習習慣が身についている生徒様であれば、演習量をしっかりと増やして成績を伸ばすことができるはずです。
塾の実績と学習カリキュラムを確認し、生徒様のレベルに合った塾選びをしてください。
②一人での学習に不安があるなら個別指導塾
質の高い勉強がまだ難しい生徒様の場合は、個別指導塾を選択するのが無難です。
苦手分野のサポートだけでなく、勉強の進め方などの相談にも親身になってくれるところがよいでしょう。
他の塾生の学力レベルと生徒様の学力レベルが一致しているのがベストです。
何よりも生徒様のモチベーションが第一ですので、「ここなら通える」と生徒様が思える塾を選ぶようにしてください。
③手取り足取りのサポートが必要なら家庭教師
個別指導塾よりもさらにきめ細やかなサポートが可能なのが、家庭教師です。
近くに通いやすい塾がない場合でも、ご自宅で指導が受けられる点は大きなメリットです。
また、家庭教師は教師と保護者との距離が近く、学習状況や方針についての相談も気軽に行っていただけます。
保護者と家庭教師が一体となってサポートすることで、安心して医学部受験に取り組む環境が整います。
まとめ|英数国の教科力を鍛えつつ、自分なりの学習スタイルを身につけよう!
医学部を目指すからといって、特別な勉強法が必要なわけではありません。
英語と数学は、先取りを意識しつつ、基礎から標準レベルまで繰り返し演習に取り組みましょう。
国語は、少し難しめの問題集をやり切るのが効果的です。
①基礎をおろそかにしない
②自分なりの学習スタイルを研究する
この2点を意識して、勉強を進めていきましょう。
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