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1. 高校の留年とは?留年しても人生終わりではない
高校で「留年」とは、テストの点数が足りなかったり、休みが多すぎたりして、次の学年に進めず同じ学年をもう一度やり直すことをいいます。学校や先生の判断で決まりますが、正式な言葉では「原級留置(げんきゅうりゅうち)」と呼ばれ、各都道府県の教育委員会の規則や学校ごとの判断に基づいて決定されます。
ただし、基準を下回ったからといってすぐに留年が決定するわけではありません。多くの学校では追試験や補習、課題提出などの救済措置が設けられており、最後まで努力することで進級のチャンスが与えられることも少なくありません。
仮に留年になったとしても、それは「人生の終わり」を意味するものではありません。1年遠回りすることになっても、その間に自分を見つめ直し、勉強の仕方や生活習慣を立て直す貴重な時間にできます。大学進学や就職といった将来の選択肢は変わらず残されており、むしろ留年をきっかけに大きく成長する生徒もいます。
2. 高校は何日休んだら留年?留年の判定基準や決定時期
「子どもが留年になるのでは…」と不安に思う保護者の方に向けて、 一般的な基準や流れをわかりやすくまとめます。ただし、具体的なルールは学校ごとに異なるので、心配な場合は保護者面談や三者面談で確認しましょう。
①留年になる基準(単位・成績・出席日数)
高校で留年が決まるのは、主に次の3つが基準になります。
(1)単位の不足
高校を卒業するには、基本的に74単位以上が必要です(文科省の基準)。各教科で授業を受け、成績をクリアすれば単位が認定されます。単位が足りないと、進級できない可能性が高まります。
(2)成績の不振
テストや課題の点数が一定の基準を下回ると、その科目の単位がもらえません。いわゆる「赤点」が続くと、留年につながるリスクがあります。授業態度や提出物の遅れも影響します。
(3)出席日数の不足
出席日数はとても重要です。多くの学校では「授業の3分の2以上に出席していないと単位が取れない」と定めています。欠席が多いと、それだけで進級できなくなるケースもあります。出席日数については、各学校長が教務規程等で出席要件を定めているようです。
②留年が確定するのはいつ?一般的な流れ
留年は、ある日突然一方的に決定されるものではありません。多くの高校では、次のような段階を踏んで慎重に判断されます。
(1)注意喚起の段階
成績不振や欠席が目立ち始めた時点で、担任の先生から本人に注意やアドバイスが行われます。定期テストの結果や出席状況をもとに、次回までに必要な点数や出席日数を具体的に伝えられるケースもあります。
(2)指導・面談の段階
改善が見られない場合、学年主任や教科担当を交えた指導が入り、さらに保護者を含めた三者面談が設定されます。この時点で、進級のために何をすべきかが具体的に示されるのが一般的です。
(3)最終判定の段階
③留年回数の上限は学校により異なる
留年できる回数は、全国一律で決まっているわけではなく、各学校の学則(ルール)によって定められています。一般的には「同じ学年での留年は1回まで」とする学校が多いですが、中には「2回まで認める」規則を設けている学校もあります。これは、学校側が生徒をできる限り卒業まで導こうとし、学び直す機会を保障するための配慮と言えます。
また、留年の回数だけでなく、在籍できる最長年数についても確認が必要です。目安としては「修業年限(3年)+2年=5年間」が一般的な上限とされています。ただし、これは学校ごとに異なるため、正確には在籍している学校の学則を確認することが大切です。
不安がある場合は、保護者面談や三者面談などの機会に、教員へ相談してみると安心でしょう。
④実際に高校生で留年になる人の割合
文部科学省の調査によれば、令和5年度の全日制普通科高校における留年率はわずか0.2%です。学年が上がるにつれて留年率はさらに低下する傾向があり、実際に留年する生徒は少ないです。
また、専門学科や総合学科を含めた全日制高校全体でも、留年率は 0.3%程度と低い水準です。これは、多くの学校が留年を防ぐために、追試や補習、課題指導などのサポート体制を整えていることの表れだと考えられます。
さらに、留年の可能性がある生徒には、事前に担任や学年主任から注意があり、保護者を含めた面談で改善策を示されるのが一般的です。したがって、早めに対応を始めれば、留年を回避できる可能性は十分にあります。
3. 高校で留年を回避する救済措置
高校では、生徒ができる限り進級・卒業できるように、いくつかの救済措置が設けられています。ここでは、一般的に見られる代表的な仕組みを紹介します。
①追試験で一定の点数を取る
定期テストで基準点に届かなかった場合、多くの学校では追試験のチャンスがあります。追試は通常、本試験の1〜2週間後に行われ、基準点に達すればその科目の単位を修得できます。
ただし、追試を受けられる条件や合否基準は学校ごとに異なります。授業態度や提出物が考慮される場合もあるため、詳細は担任の先生に確認しましょう。
②補習授業を受ける
成績が基準に届かなかった生徒には、放課後や長期休暇を利用した補習授業が行われます。
放課後補習:教科担当が重要なポイントを解説したり、個別質問に対応したりする形式
長期休暇中の補習:夏休み・冬休みなどに行われ、苦手分野の克服や基礎の学び直しに効果的
とくに、1学期に成績が不安な場合、夏休み補習は2学期以降の学習を立て直す大切な機会となります。
③レポート提出をする
追試験でも基準に達しなかった場合や、補足的な学習が必要と判断された場合には、レポート提出が課されることがあります。
内容は教科書の要約や演習問題、自分の考察などさまざまです。提出したレポートが合格と認められれば、単位の修得につながります。進級がかかっている場合もあるため、真剣に取り組むことが大切です。
④放課後や長期休暇を使って出席日数を補う
欠席が多い生徒に対しては、放課後や長期休暇に特別指導を行い、その時間を出席扱いとする学校もあります。
たとえば、数時間の補習を「1日分の出席」と換算したり、課題提出の状況と合わせて総合的に判断したりするケースがあります。これは学校独自の救済措置であり、全国一律の基準はないため、具体的なルールは学校に確認しましょう。
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4. 高校で留年を防ぐための対策
留年を防ぐには、生徒本人の努力と保護者のサポートが両立していることが大切です。学校とも連携しながら、家庭全体でバックアップしていきましょう。
①生徒様が行うべきこと
・高校の学習は中学校より難しくなるため、自分の理解状況を把握する(苦手科目・提出物・テスト結果を具体的に確認)
・授業に集中して参加し、わからないことはその場で質問する習慣をつける
・予習・復習を日課にして、授業理解を深める
・その日の学習目標をノートに書き出すなど、モチベーション維持の工夫をする
②保護者様にできること
・生徒が集中できるように、勉強環境と生活リズムを整える
・スマートフォンや睡眠時間を管理し、規則正しい生活を支える
・成績が振るわないときも、叱責よりも努力を認め、前向きな声かけを意識する
・精神的に不安定なときは話をじっくり聞き、必要に応じて専門家に相談する
・担任の先生と定期的に連絡を取り、学校での様子や課題を共有する
5. 高校で留年してしまう生徒様の特徴
高校で留年してしまう生徒様の特徴には以下の5つが当てはまります。
①生活習慣が乱れている
②学習についていけない・学習意欲が低下している
③心身の不調で登校できない日が多い
④学校生活や友人関係について深い悩みを抱えている
⑤家庭の事情で学業に集中できない
①生活習慣が乱れている
夜更かしや不規則な生活が続くと「朝起きられない」「授業中に居眠りしてしまう」といった状態になり、遅刻や欠席が増えてしまいます。さらに授業の遅れが積み重なり、登校がしづらくなる悪循環に陥ることも。
改善には、就寝・起床時間を固定することが大切です。休日も平日と同じリズムで過ごし、スマートフォンの利用時間にルールを設けると効果的です。
②学習についていけない・学習意欲が低下している
基礎が十分に定着しないまま進級すると、とくに英語や数学など積み上げが必要な科目でつまずきやすくなります。その結果、授業への関心を失い、テストの点数も下がり、さらに自信や学習意欲を失うという悪循環が起こりやすいです。
不安を感じたら、まずは担任に相談をしましょう。学校によっては放課後補習や個別指導が用意されています。必要に応じて塾や家庭教師を利用するのも有効です。
③心身の不調で登校できない日が多い
思春期の高校生は心身ともに大きな変化を迎える時期です。学業や人間関係のストレスから、不眠・胃痛・頭痛といった身体症状や、不安・抑うつといった精神的な不調が出ることがあります。これにより欠席が増え、学習の遅れが深刻化してしまうケースもあります。
「表情が暗い」「口数が極端に少ない」などの様子が見られる場合は、早めに専門家に相談し、適切なサポートを受けることが望ましいです。
④学校生活や友人関係について深い悩みを抱えている
クラスや部活動での人間関係、SNSでのトラブル、いじめなどが原因で学校に行きづらくなるケースも少なくありません。こうした悩みを一人で抱え込むと、欠席が増えて出席日数が不足してしまいます。
人間関係に問題を感じる場合は、保護者が担任に状況を共有すると学校側もサポートしやすくなります。必要に応じてスクールカウンセラーに相談するのも有効です。
⑤家庭の事情で学業に集中できない
保護者の転勤・離婚・経済状況の変化など、家庭環境が影響して学習に集中できないケースもあります。アルバイトや家事・介護で学習時間が取れず、成績が下がってしまうこともあります。
このような状況では、生徒本人だけでの解決は困難です。学校には経済支援や学習支援の制度もあるため、担任に家庭状況を伝えることが重要です。必要に応じて奨学金制度を利用する道もあります。
6. 高校で留年してしまったあとの選択肢
留年が決まったとき、多くの生徒やご家庭は「これからどうするべきか」と悩まれるでしょう。しかし、現在の教育制度では複数の選択肢があり、生徒の状況に応じた進路を選ぶことが可能です。
ここでは代表的な4つの選択肢を紹介します。
①同じ学校に引き続き通う
②通信制高校に転校する
③高卒認定試験を受ける
④その他(就職など)
①同じ学校に引き続き通う
まず真っ先に考えられる選択肢は、同じ学校に引き続き通い、学び直すことです。メリットとしては、それまで1年間の経験を活かし、理解が不十分だった部分を着実に補いながら学習を進められるという点が挙げられます。また、学校の環境や先生方のことをすでに理解しており、新しい環境に慣れる必要がないという点も、精神的な負担が少なくなるため効果的だと言えるでしょう。
ただし、同じ学年を繰り返すことになるため、新しいクラスメイトとの関係づくりには少なからず不安を感じる生徒様もいるでしょう。実際、留年後も通うという選択をしたものの、周囲に馴染めずに不登校になったり、退学を選んでしまう生徒様も見られます。このような場合は、担任の先生やカウンセラーに相談し、必要なサポートを受けることをおすすめします。
②通信制高校に転校する
留年した際には、それまでの高校を退学し、通信制高校への転校を選択されるご家庭も見られます。通信制高校では、スクーリングと呼ばれる対面授業と自宅での学習を組み合わせて単位を修得していきます。近年は、ICTを活用したオンライン学習システムの導入や個別指導の充実など、学習サポート体制の整った学校が増えてきました。
コースによって週の登校日数を選択できたり、完全にオンラインで学習したりすることも可能です。ただし、通信制高校の場合は自宅学習が中心となるため、計画的な学習管理をご家庭で行う必要があります。
また、友人との交流の機会が全日制高校に比べて少なくなることも、考慮に入れておく必要があるでしょう。
転入学の時期や受け入れ条件は学校によって異なりますので、興味をお持ちの場合は、まずは学校の説明会に参加してみることをおすすめします。
③高卒認定試験を受ける
留年が決まった場合には、高校を中途退学し、高等学校卒業程度認定試験(高認試験)の受験を選択される方もいます。この試験は年2回、8月と11月に実施され、合格すると高等学校卒業と同等の資格を得ることができます。高認試験のメリットは、自分のペースで学習を進められることと、合格すれば最短での進学や就職が可能になることです。
必要な科目に絞って受験できるため、得意分野から順に単位を積み上げていくことも可能です。また、在学中に修得した科目の免除申請を行うこともできます。ただし、高卒認定を受けただけでは、学歴は「高卒」になりません。
高認試験はあくまで大学や専門学校を受ける条件として「高校卒業程度の学力がある」と認めてもらう試験に過ぎないのです。その後の進路が不確定な場合には、この道を選ぶかどうかを慎重に判断した方が良いでしょう。
④その他(就職など)
留年が確定してから高校を中途退学し、就職を選択される方もいます。ただし、日本では多くの企業が「高卒以上」という条件を設定しているため、応募できる求人が限られてしまうのが現状です。そのためこれはあまり一般的な進路だとは言えません。また、学校生活における悩みが心身の不調につながり、その結果留年してしまうというケースも見られます。このような場合には、進路の選択と並行して、医療機関での相談や療養を検討することも必要です。
無理に学業を続けることで症状が悪化してしまうよりも、一度心身を休ませることを優先するのも一つの選択肢となるでしょう。どのような選択をする場合でも、必ず進路指導の先生に相談し、具体的な手続きや今後の見通しについて確認することが大切です。また、スクールカウンセラーや医療機関など、専門家のアドバイスを受けることも検討してみましょう。
7. 高校で留年する前に生活の再設計をしよう!
高校で留年する生徒の割合はおよそ0.2%と非常に低く、近年はさらに減少傾向にあります。実際に留年する高校生はごくわずかですが、それでも「もしかすると自分の子どもも当てはまるのでは」と不安に感じる保護者の方も少なくありません。
ただし、このようなときに生徒を叱りつけたり問い詰めたりするのは逆効果です。まずは冷静に、担任や学校に相談してみましょう。学校側もできる限り留年を避けられるように、追試・補習・個別支援など多様なサポート体制を整えています。
大切なのは、利用できる制度や支援を積極的に活用し、生徒の現状を改善するために最適な方法を一緒に探すことです。保護者・生徒・学校が協力して取り組めば、ピンチに思える状況も、生活を立て直す良いきっかけにしましょう。
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【参考文献】
*1:文部科学省|高等学校の卒業に関する法令
*2:文部科学省|令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
*3:文部科学省|高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)
*4:文部科学省|高等学校卒業程度認定試験Q&A>高等学校卒業程度認定試験とは
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