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【心理師解説】学校に行かない選択肢「積極的不登校」とは?

【心理師解説】学校に行かない選択肢「積極的不登校」とは?

こんなお悩みはございませんか?

「学校に行っていない我が子がいきいきと暮らしているが、それでも学校に行かせた方がいいのか」

「今時学校に行かない子も珍しくないというが本当なのか?このままでいいのか?」

そんなお悩みはありませんか?

生徒様が一般的なルートから外れてしまうと将来を案じ、心配になってしまう気持ちはよくわかります。私が関わってきた保護者様もみなさんそうでした。

不登校=悪いこと」と思われるかもしれませんが、そうではありません。

自ら「学校に行かない」と決め、生活している方はたくさんいますが、意外と知られていません。

そこで今回は「学校に行かずに学ぶ」ことを選ぶ、いわゆる「積極的不登校」について、 メリットとデメリット、保護者様がよく抱える悩みなどについて解説していきます。

この記事を書いた人

狩野 淳

大学、大学院にて発達心理学と臨床心理学を専攻していました。

臨床心理士と公認心理師の資格を保有しております。 子ども達とその保護者の方の支援を仕事にしており、 子ども達へは主に応用行動分析を認知行動療法を用いて、保護者の方にはブリーフセラピーを使ったアプローチを行っています。

1歳半の息子に毎日癒されています!

目次

1.積極的不登校とは?
・①「学校に行かない」という選択
・②積極的不登校の児童生徒数
・③積極的不登校のメリット・デメリット
2.積極的不登校になる要因は?
・①学校に馴染めない
・②学びたいこと、やりたいことへの気持ちが強い
3. 保護者様がよく抱える悩み
・①学力がついているのか不安
・②学費に見合った学びを得ているのかわからない
4.積極的不登校の生徒様にしてはいけない対応
・①公立・私立に通っている子と比較する
・②親の価値観を押し付ける
5.積極的不登校の生徒様にしてあげたい対応
・①やりたいことを思う存分やらせてあげる
・②多様性を認めていく
まとめ

 

 

1. 積極的不登校とは?

まず積極的不登校について解説していきます。普通の不登校と何が違うのでしょうか?

 

①「学校に行かない」という選択

皆さんがイメージする不登校は「消極的不登校」と呼ばれます。

いじめや人間関係のトラブル、成績不振など、様々な要因が複雑に絡み合い、「学校に行くことができない状態」を指します。

何らかの目的をもって不登校になっているわけではないため、ゲームや漫画、アニメにのめり込み、生活リズムが乱れてしまうケースも少なくありません。

一方で、積極的不登校とは「子どもが自らの意志で学校に行かない状態」を指します。

学校に行かないことで日中に時間的な余裕ができることで、自分のペースで学習を進めたり、興味のある分野について思う存分調べたりと、主体的に学ぶことができます。

また、インターナショナルスクールなどで、小学校や中学校では学ぶことのできない、より実践的な知識・技術を学ぶことができることも積極的不登校の特徴です。

 

②積極的不登校の児童生徒数

文部科学省の調査(注1)によると全国で約30万人が不登校であるとされています。

しかしながら、そのうちの何割が積極的不登校であるかの調査は行われていないため、全国にどれぐらい積極的不登校児童生徒がいるのかはわかっていません。

しかし、令和2年の調査(注2)ではインターナショナルスクールを含む各種学校に通っている子どもは全国に10万人いるということが分かっているため、私たちの想像よりも積極的不登校者数は多いのかもしれません。

 

③積極的不登校のメリット・デメリット

【メリット】

積極的不登校のメリットは先ほども触れた通り、学習内容を生徒様自身で決め、自分のペースで進めることができる点が挙げられます。

義務教育の場合はカリキュラムが決まっているため、自分の興味のない分野・内容でも授業を受けなければならず、生徒様によってはストレスを感じてしまうかもしれません。

しかし、自分の学びたいことに集中できる積極的不登校ならそのストレスはありません

また人間関係でトラブルが起きることも減ります。自宅でのみ学習を進めるなら人と会う必要がないため、人との関わりが苦手、1人の方が落ち着くという生徒様にとっては過ごしやすい環境になるでしょう。

【デメリット】

しかし積極的不登校にもデメリットがあります。

1つ目が「学習内容の偏り」です。 自分で学習内容を選び、進めていく必要があるため、学校教育のように「まんべんなく」学ぶことが難しくなります

学校復帰や高校受験、大学受験をしようとするタイミングで、何らかの教科の知識が抜け落ちていると不利になってしまう場合もあります。

また学習に対してのモチベーションも自ら維持しなければならないため、勉強が好きな生徒様や明確な目標を持っている生徒様も、誘惑に負け、だんだんとゲームやテレビ、SNSに流されてしまうケースも多くあります。

塾や家庭教師、フリースクールやインターナショナルスクールに通う場合は費用の問題もあります。

フリースクールは年間約50万円、インターナショナルスクールの場合は200万円ほどかかってしまうので、経済的に余裕がなければ難しいでしょう。

インターナショナルスクールの場合は出席扱いにならず、生徒様が日本国籍のみの場合は就学義務違反なる場合もあります(注3)。

積極的不登校はメリットもたくさんありますが、それだけデメリットも多くあります。

将来生徒様がどうなりたいのか、保護者様は生徒様にどうなってほしいのかをよく考えたうえで選択していく必要があります。

 

2. 積極的不登校になる要因は?

次に積極的不登校になる要因について解説していきます。いくつか挙げられますが、今回は大きな要因として2つ紹介していきます。

 

①学校に馴染めない 

1つ目は「学校に馴染めない」ことが挙げられます。

これまで出会ってきた積極的不登校の方には「ギフテッド(生まれつき高い能力を持っている人)」である場合が多いです。

ギフテッドで知的水準が高い場合、授業内容が退屈に感じてしまう、同年代の子どもと話が合わない、優秀さゆえに妬まれ仲間外れにされるなど、学校に居心地の悪さを感じてしまう場合が多くあります。

その後次第に学校に行かなくなるものの、自分のペースで勉強を続けたり、学校以外での活動の場を見つけたりと、本人にとって居心地の良い環境の中で過ごすにつれて、「学校を必要としない生き方」を選択していくのです。

 

②学びたいこと、やりたいことへの気持ちが強い

生徒様の中には特定の分野に対する興味関心が強い方がいらっしゃいます。

学びたい、技術を磨きたいという気持ちが強いほど、学校での勉強や暮らしに対して「時間を無駄にしている」感覚を強く持ってしまいます。

その結果として「学校で嫌なことはないけど、行きたくない」と積極的不登校という道を選ぶのです。

 

3. 保護者様がよく抱える悩み

積極的不登校の生徒様は学校に行かない暮らしを楽しんでいるかもしれませんが、保護者様もそうとは限りません。

生徒様が学校に行かないことを決断すると、保護者様はどのような悩みを抱えるのでしょうか。

 

①学力がついているのか不安

よくある悩みとして学力が挙げられます。積極的不登校の生徒様は自主学習が基本となりますので、間違って理解している部分については修正する機会がなかなか訪れません

また、フリースクールなどに通っている場合についても、学校で学ぶことのできない知識や経験を身につけることはできる分、高校受験や大学受験に必要な科目についての学習の時間が削られるため、将来の選択肢を狭めてしまう可能性はあります。

しかし、この悩みについては保護者様が勉強を教える、塾などを上手く活用するなどで解消することができます。

ギフテッドのお子さんについては、個別対応してもらえる家庭教師を選択肢に入れてもいいですね。

 

②学費に見合った学びを得ているのかわからない

自宅学習で成立している場合は参考書代程度で済みますが、フリースクールやインターナショナルスクールなどに通っている場合は多額の学費がかかってしまいます

保護者様にとってはかなりの出費になってしまいます。楽しく通っているのはいいものの、金額に見合った価値があるのか、きちんとした学びを得ているのか、不安になってしまいますよね。

しかしそういった、子ども達がのびのびと活動ができる場所があるということは子ども達の人生に大きな影響を与えます。人生を左右すると言っても過言ではありません。

保護者様が不信感を持っていると生徒様は敏感に感じ取り、せっかくできた活動の場所を楽しめなくなってしまいます。

活動の様子を見せてもらったり、先生と面談をするなどして、活動に対しての理解を深めるとともに、生徒様本人ともよく話し合う必要があります。

 

4.積極的不登校の生徒様にしてはいけない対応

ここまで積極的不登校についての概要について取り上げてきましたが、次に積極的不登校の生徒様への対応について解説していきます。

はじめに積極的不登校の生徒様についついしてしまいがちなNG対応について説明していきます。

 

①公立・私立に通っている子と比較する

他のお子さんは普通に登校できているのに、生徒様だけ学校に行けていないという状況はとても不安ですよね。

「生徒様にも学校へ行ってほしい」という思いから、「近所の○○君に会ったけど、学校楽しいって言ったよ」「みんな我慢して学校に行くときもあるんだから、あなたも行かないとダメよ」ついつい周りと比べてしまいたくなると思います。

しかし積極的不登校の生徒様は何らかの意図があって「学校に行かない」という選択をとっているので、周りと比較し生徒様の思いを顧みない発言をしてしまうと、「自分を否定された」と思いかねません。

保護者様が生徒様の一番の理解者でないと生徒様の居場所がなくなってしまい、家出やひきこもりなどの問題行動のトリガーになりかねませんので注意が必要です。

 

②親の価値観を押し付ける

おそらく保護者様の多くは不登校を経験せずにここまで来られたのだと思います。

なかには学校が楽しく、いい思い出しかない保護者様もいらっしゃるでしょう。

そのため「学校に行かないなんて信じられない」「学校の勉強が第一」とお考えの保護者様も少なくありません。

しかし、保護者様にとって楽しかった学校生活を、必ずしも生徒様も楽しめるとは限りません。

保護者様の思いや希望を無理に生徒様に押し付けてしまうと、生徒様は保護者様とコミュニケーションを取らなくなってしまう恐れがあります。

「自分は自分、この子はこの子」と分けて考え、生徒様の思いを尊重していく必要があるのです。

 

5.積極的不登校の生徒様にしてあげたい対応

最後に積極的不登校の生徒様に対して保護者様にしていただきたい対応について解説していきますので、是非参考してください。

 

①やりたいことを思う存分やらせてあげる

1つ目は「やりたいことを思う存分やらせてあげる」です。

積極的不登校の生徒様はやりたいことがはっきりしている場合が多く、保護者様のなかには「そんなことに?」と思ってしまうようなことに熱中していることもあるでしょう。

しかし、生徒様にとっては大切なことですので、その思いを否定することなくやらせてあげてください。

「子どもの気持ちは尊重してあげたいけど、自宅だけでなく学校や外の世界と繋がってほしい」という保護者様もいらっしゃると思います。

そんな保護者様はタイミングを見て「外で勉強してみない?」と誘ってみるのも1つの手です。

積極的不登校の生徒様は独学での学習となるため、どこかで限界を感じてしまいます。

その時に生徒様の世界をひろげてあげることも保護者様にできる大切な支援です。

例えば、プログラミングに興味を持ち、学校へ行かず黙々とパソコンに向き合っている生徒様の場合、「より高度な知識を得るために高校や大学への進学」「プログラミングスクールやプログラミングに力を入れているフリースクールへの通学」などの選択肢を提示し、

生徒様自ら外の世界に行けるよう導いてあげることで、すんなりと社会へ出ることができるケースは少なくありません。

 

②多様性を認めていく

一昔前とは異なり、不登校の児童生徒が30万人いる現在では不登校は選択肢の1つとして考えられるようになってきています。

もちろん学校に楽しく通ってもらえた方が保護者様にとっては安心かもしれませんが、

学校に行くことでストレスを溜め込み、一気に爆発して非行や引きこもりなどの問題行動を起こしてしまうよりも、

生徒様の過ごしやすい環境で好きなことを学びながら暮らしてもらう方が生徒様にとって幸せな生き方であると言えるでしょう。

そのため、「学校に行かない」という生き方も認めつつ「何が生徒様にとって大切なのか」「どうしたら生徒様が生徒様らしく生きていけるのか」を考えていく必要があります。

 

まとめ

今回は積極的不登校についての概要保護者様の悩み保護者様のNGな対応としていただきたい対応について解説しました。

積極的不登校の生徒様は学校に馴染めなかったり、学校では学ぶことのできないことへの意欲が強かったりと、様々な理由があって「あえて学校に行かない」という選択肢をとっています。

時には他の人と違う生き方に戸惑い、不安を感じるときもあります。

そんなときに保護者様がそっと寄り添い、必要なタイミングで進路について相談に乗る、他の選択肢を提案するなど、生徒様の世界を広げてあげてくださいね。

【脚注】
注1)文部科学省(2023) 令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm (参照2024-03-30)

注2)文部科学省(2020) 令和2年度学校基本調査
https://www.mext.go.jp/content/20200825-mxt_chousa01-1419591_8.pdf (参照2024-04-15)

注3)新宿区ホームページ インターナショナルスクール等への就学をお考えの方へ
https://www.city.shinjuku.lg.jp/kodomo/gakko01_inta_00001.html#:~:text=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%AD%89%E3%81%AF%E3%80%81%E5%AD%A6%E6%A0%A1,%E5%B0%B1%E5%AD%A6%E7%BE%A9%E5%8B%99%E9%81%95%E5%8F%8D%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 (参照2024-04-15)

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