中央大学系列の共学校、中央大学附属中学校。同大学へは9割弱の生徒様が進学し、大学との連携授業が特徴的です。中学校で60冊、高校で100冊の課題図書は、伝統的な学校課題です。入試問題は、全体を通してみると標準的な問題が多く、知識問題が中心です。ですが、所々難しい問題や、理解を伴う問題が出題されています。
そんな中央大学附属中学校に対して、どう取り組めばよいでしょうか。今まで300人以上の生徒様をご指導してきました私が、中央大学附属中学校について徹底解説致します!
目次
2. 中央大学附属中学校の入試傾向について
・①算数
・②国語
・③理科
・④社会
・⑤問題の形式等が似ている学校は?
3. 中央大学附属中学校を受ける際の併願パターンは?
・①1月
・②2月1日
・③2月2日
・④2月3日
・⑤2月4日
4.中央大学附属中学校の受験対策方法
・①時期別・教科別対策内容
・②中央大学附属中学校の過去問対策方法
・③保護者様にできるサポート内容
1. 中央大学附属中学校とは?
中央大学系列の附属校で共学校。中央大学への進学率は85%~90%で、国公立受験等条件によって、中央大学への推薦枠を持ったまま受験することが可能です。特徴的な点としては、大学との連携授業です。法学部で有名な中央大学の法律に関する授業を体験できたり、大学科目の先行履修が可能であったり、附属校ならではの優遇制度があります。
ユニークな伝統として、課題図書が挙げられます。中学生で60冊、高校生で100冊読むことが求められ、様々なジャンルの本を読むことになります。読解力・思考力強化につながるこの試み、生徒様の人生に間違いなくプラスになるはずです。
2. 中央大学附属中学校の入試傾向について
第一回・第二回の試験科目は、算数・国語・理科・社会の四科目です。
試験時間は各々50分・50分・30分・30分、配点は100点・100点・60点・60点となっています。
複数回受験による加点などはありませんが、補欠合格の際に同点の生徒様がいらっしゃる場合、優遇措置があります。
入試問題は、全体的に標準的な問題で、幅広く出題されています。
細かなミスが合否に響いてきますので、基礎を徹底することが大切です。
算数はやや難しい問題も出題されていますが、それも一部の問題で、大問丸々一問難しいということは有り得ません。
見た目に惑わされずに、しっかりと得点すべき問題を解答しましょう。
国語は文章が長く、設問数が多いためスピードが必要です。普段からの読書により読解力をつけることが大切です。
語彙や表現技法など、文章の中での言葉の使われ方に敏感になりましょう。
①算数
例年、大問4題〜5題の出題で、大問1番が小問集合、大問2番以降が単元別の問題となっています。この傾向は回数によりません。小問集合は、計算問題を含めて、基本的な問題です。まず、この小問集合は完答を目指しましょう。
単元別の問題は出題単元がまちまちで、基本〜やや難しい問題までレベルにも差があります。図形問題や数の問題で難しい問題が出題される傾向にありますが、大問毎の最後の設問以外は解きやすい問題です。ですので、得点できる問題はしっかりと取っていくことが大事です。
図形の問題や数の問題以外は、基本〜標準的な問題が多いですから、過去問・問題集を通して、確実に解けるようにしておきましょう。2024年度第一回は、単元別の大問は数の問題(規則性)・速さ・ニュートン算が出題されました。
珍しく大問では図形が出題されず、規則性の問題は標準的でした。ニュートン算・速さも基本〜標準的な問題でしたから、全体的にミスをしない生徒様が優位に立った試験でした。基礎を固めることが大切ですので、その意識で取り組んでください。
②国語
例年、大問2題の出題で、物語文・説明文各々1題ずつの構成です。文章が長く設問数が多いため、制限時間内に解答するにはかなりのスピードが必要となります。この傾向は回数によりません。漢字・語彙・記号選択問題が大半で、記述問題はほぼ出題されません。ですので、文章を書く練習というのは必要ないように思われるかもしれません。
しかし、実際には記述問題を記号選択や抜き出し問題に変えただけという問題も多く、記述問題の思考が必要となるでしょう。2024年度第一回も、例年通り、この手の問題が数多く出題されました。しっかりと解答できる生徒様とそうでない生徒様では差がつきますので、過去問を使用して対策してください。また、普段の勉強では、記述問題を解く練習もしておいた方が良いと思われます。
その他気をつける点としましては、語彙の問題です。語彙そのものを問う問題もありますが、文章の中でどう使われるか、という視点が大事です。表現技法を問う問題もありますから、確認しておきましょう。
③理科
例年、大問3題の出題で、物理・化学・生物がやや出題頻度が高く、地学はやや低めです。しかし、2024年度第1回は、地学の天体で大問が出題されました。地学分野を疎かにしていた生徒様には、厳しい問題だったと思われます。出題頻度に捉われず、全体として満遍なく学習する必要があるでしょう。
全体的に文章量は多く、実験・考察問題が出題されています。ですので、暗記に頼った学習では対処できない問題となっています。日頃から、身の回りを含めた現象理解が必要な問題となっています。記述問題も出題されていますから、現象を言葉で説明できる力も必要です。
物理・化学を中心に計算問題も出題されていて、特に化学では、難関校によく出題されている表やグラフを用いた計算問題も出題されています。
④社会
例年、大問2題の出題です。地理・歴史・公民が出題されますが、地理と歴史の割合が高い傾向にあります。この傾向は回数によりません。全体として、非常に満遍なく出題されていますし、やや細かい知識も必要となります。一方で、写真・絵・史料といった資料も多く盛り込まれた問題で、総合的な力が試されています。
記述問題も出題されますから、背景理解も必要となります。2024年度第一回も、今までの傾向通り、資料が多く与えられておりました。一問一答を繰り返すことも必要ですが、元の資料をたどって学習することが大事になります。
時事問題についても出題されていまして、ここ10年程度の時事については知っておく必要があるでしょう。漢字指定や、ふさわしくないものを選ぶ問題など、設問での指定が多いため、集中してミスの無いように取り組む必要があります。
⑤問題の形式等が似ている学校は?
全体的な傾向としては、明治大学付属中野中学校や立教池袋中学校に似ていると思われます。過去問で演習量が足りないようでしたら、使用してい見ると良いと思います。
3. 中央大学附属中学校を受ける際の併願パターンは?
①1月
埼玉栄中学校・大宮開成中学校・西武学園文理中学校・栄東中学校 |
1月は練習として、埼玉栄中学校・大宮開成中学校・西武学園文理中学校・栄東中学校が挙げられます。
しっかりと合格を手にすることで、精神的に落ち着けると思われます。栄東中学校が少し高めですから、無理はせず、受験しない選択肢はあると思います。
②2月1日
午前:中央大学附属中学校(1次) 午後:国学院大学久我山中学校(ST・1次) |
午前は中央大学付属中学校(1次)で決まりです。
午後は国学院大学久我山中学校(ST・1次)で抑えておくのが良いでしょう。
③2月2日
午前:芝浦工業大学付属中学校(2次) 午後:中央大学付属横浜中学校(2次) |
2日午前の入試は、芝浦工業大学付属中学校(2次)がおすすめです。
但し、午後には中央大学付属横浜中学校(2次)があります。それを考えますと、午前入試は受験しない手があります。
中央大学付属横浜中学校が距離的に遠いご家庭様は、午後入試は休養に充て、受験しなくて良いでしょう。
④2月3日
午前:法政大学中学校(2次) |
3日午前は、法政大学中学校(2次)が良いでしょう。午後は、国学院大学久我山中学校(ST・2次)が良いと思われます。
但し、次の日に中央大学付属中学校(2次)がありますので、午前・午後どちらかの受験にしておいた方が良いでしょう。どちらも受験されますと、疲労が残ったまま、次の日を迎えることになってしまいます。
⑤2月4日
中央大学付属中学校(2次) |
4日は中央大学付属中学校(2次)で決まりです。最後まで諦めずに頑張りましょう。
4. 中央大学附属中学校の受験対策方法
中央大学附属中学校は、全体的に見ると標準的な問題が多いものの、幅広く問われる傾向にあります。
一部やや難しい問題も出題されていますが、基本的にはミスが命とりになる入試問題です。
算数では、やや難しい問題も出題されていますが、大問丸々難しいわけではありません。
図形・数の問題を中心に標準的な問題を中心に力を入れて取り組んでください。
国語では、日々読書して読解力をつけることが大切です。
語彙・表現技法も問われていますので、文章の中でどう使用されているかを学習するようにしてください。
理科では、知識問題だけでなく、理解を伴う問題も多く出題されています。
化学を中心に計算問題も出題されていますので、しっかりとした対策が必要です。
社会では、地理・歴史を中心にやや細かい知識や資料問題が出題されています。
時事問題についても、ニュース・新聞を良く見聞きしておく必要があるでしょう。
①時期別・教科別対策内容
(1)小学4年生
算数 |
算数は、塾のカリキュラムに沿って学習しましょう。
また、計算力も必須です。中央大学付属中学校では、必ず計算問題が出題されます。 |
国語 |
国語も、カリキュラム・予習シリーズをもとに学習しますが、文章が難しいと感じる場合は、少し簡単な文章から確実に読めるようにしてください。
少しの時間でも良いので、毎日の読書も欠かさず行いたい所です。 |
理科 |
理科は、生物・地学を中心とした暗記単元が始まりますから、今のうちにしっかりと暗記をしましょう。
この現象理解は生徒様だけに任せるのは大変かもしれません。保護者様も生徒様と一緒に考察してください。 |
社会 |
社会は、地理分野が本格的に始まりますので、地図帳片手に場所を調べながら学習しましょう。ご旅行に行かれるのも大変重要です。旅行の思い出がそのまま地理の勉強にもなります。また、ニュースを見る習慣付けをしていけると良いでしょう。 |
(2)小学5年生
算数 |
算数は、引き続き、カリキュラム通りに学習して頂きたいですが、小学4年生の内容、及び小学5年生で習う内容も適宜復習してください。
全体的に基本〜標準的な問題をしっかり解けるようにしていきましょう。 |
国語 |
国語は、物語文・説明文共に、客観的に読む訓練です。
書きたいポイントを箇条書きにしてから、記述するのが良いでしょう。 |
理科 |
理科は、物理・化学の計算問題が始まります。標準的な問題は解けるようにしましょう。 |
社会 |
社会は、歴史が始まります。全体的な流れを理解しながら、漢字で書きながら暗記してください。年号も暗記しましょう。主なできごとが何時代なのか、判断できるまで反復してください。
写真・図・史料といった資料の内容も忘れずに理解・記憶をしてください。ニュースだけでなく、新聞も読むようにして、疑問に思うことは調べていくと良いでしょう。 |
(3)小学6年生(4月〜6月)
算数 |
算数は、前学年までの復習をしっかりしながら、全体的なレベルを上げていく時期です。 |
国語 |
国語は、標準的な文章で、設問の解き方を確認してください。様々なジャンルの文章を積極的に読んでください。語彙力もつけていきましょう。生徒様自身が覚えた語彙を日常で使用してみると良いでしょう。 |
理科 |
理科は、引き続き、身の回りの事柄への理解を深めつつ、計算問題の力をつけましょう。 |
社会 |
社会は、公民が始まります。日本国憲法の条文と事例との関係をよく理解してください。 |
(4)小学6年生(7月〜8月)
算数 |
算数は過去問を3〜5回分解いていきましょう。また、苦手単元があれば、夏休み中に克服していきましょう。 |
国語 |
国語も過去問を3回分は解いて、形式に慣れましょう。記号選択問題・抜き出し問題対策が重要です。文章全体から問われる問題が多いですから、文章の要旨を理解することが大事です。引を続き、文章の要約をしましょう。 |
理科 |
理科も過去問を3〜5回分解きましょう。理解不足の所は、基本に戻って理解をしていきましょう。 |
社会 |
社会も過去問を3回分しましょう。過去問を通して弱点を見つけ、補強しましょう。 |
(5)小学6年生(9月~11月)
算数 |
算数は過去問中心になりますが、特に解き直しに力を入れてください。 |
国語 |
国語は過去問を中心に進めますが、漢字・語彙・文法・表現技法の強化も忘れずにしてください。 |
理科 |
理科も過去問を中心に学習します。 |
社会 |
社会も過去問は解きますが、全般的な復習もしてください。 |
(6)小学6年生(12月~1月)
算数 |
算数は過去問の解き直し、図形・数の問題を全般的に定着させましょう。 |
国語 |
国語は時間配分・設問形式を忘れないために、1週間~2週間に1度は過去問に触れましょう。 |
理科 |
理科は今まで習ってきた内容や、過去問の内容で、理解しきれていない所は無いか、確認してください。 |
社会 |
社会は全般的な復習をしつつ、地形図・統計・史料・年号・日本国憲法の条文を中心に確認してください。 |
②中央大学附属中学校の過去問対策方法
(1)過去問の効果的な使い方
算数・理科の計算問題は比較的似た問題が出題されますので、解き直しもしてください。
国語・社会については、形式になれれば良いと思われますので、そこまで遡らなくても良いでしょう。
(2)いつから解き始めればよいか
算数と国語については、夏休み前から解き始めると良いでしょう。
この2科目は配点が高い科目です。早めに解き始めた方が良いでしょう。
一方、理科と社会は夏休みに入ってから始めれば良いと考えます。
あまり早く始めても、試験範囲の学習が終わっていない場合もありますので、あせらず夏休みに集中して取り組みましょう。
(3)何年分を何周解けばよいか
算数 |
算数は図形・数の問題といった、よく出る、やや難しい単元がありますし、素早く正確に解く練習も必要です。最低10回分、できれば20回分解いておきたい所です。 |
国語 |
国語は空欄補充問題や記号選択問題で特徴的な問題が出題されています。形式に慣れる必要があります。10回分解くと良いでしょう。2周解き直しができれば良いと考えます。 |
理科 |
理科は過去問を解くことで、理解しきれていない箇所を発見し、周辺事項を理解し直すようにしましょう。計算問題については、練習が必要です。 |
社会 |
社会は記述問題など出題形式に慣れる意味で、10回分行いましょう。 |
③保護者様にできるサポート内容
(1)成績が下降してきたら…
基本〜標準的な問題ができなくなっている可能性が高いです。
塾などで難しい問題ばかりしていると、基本的な所が疎かになり、土台が崩れていきます。
すると、成績が下降します。基本的な問題、例えば小学4年生・5年生の単元に立ち戻って、再度復習しましょう。
生徒様に「少し前の単元に戻ってやってみようか。」とお声掛けし、「ゆっくり基本からやり直してみよう。」と生徒様を責めずに対応してください。
また、試験の結果に一喜一憂せず、長い目で生徒様を見てあげてください。
(2)計算力対策
中央大学附属中学校は、計算力が鍵を握ります。計算問題は必ず出題されていますし、スピードが必要な試験です。
毎日10問程度、四則演算の計算問題を解くと良いでしょう。
計算間違いが多い生徒様の場合、ゆっくりと正確に解く練習をしましょう。
正確さが身についてから、スピードの順番でお願いします。
(3)理科の対策
中央大学附属中学校の理科は、理解を問う問題が出題しております。
保護者様としましては、身近な事柄について生徒様と会話をして、一緒に調べて理解を促すようにして頂ければと思います。
例えば、
「洗濯物を干すと乾くのは何故だろうね?」
「シャボン玉の仕組みを一緒に考えてみようか」
「地震が起きる仕組みを一緒に調べてみようか」
「月の形が毎日少しずつ違ってくるのはどうしてなんだろう。」
など、日常当たり前のことをしっかりと調べることは、理科の対策にとても重要です。
生徒様とご一緒に取り組んでみてください。
(4)時事問題対策
時事問題こそ、保護者様の出番です。今、ニュースや新聞で見聞きする内容は、保護者様にとっては常識的なことでも、生徒様には実感がわかない・わからないことも多いと思われます。
ニュースや新聞で出てきた内容を生徒様と会話してください。
例えば、
「今円安が進んでいるってニュースで言っていたけど、どういうことかわかる?」
「男女の格差社会ってどういうことなんだろうね?」
と言った質問から、生徒様と一緒に会話をして一緒に調べることは重要です。
取り組んで頂ければと思います。
(5)ケアレスミス対策
計算間違い・見間違い・勘違いなど全てケアレスミスと言われます。
しかし、そのミスは放っておいて直るのでしょうか。また、優秀な生徒様は何故ケアレスミスが少ないのでしょうか。
まず、計算間違いからお話ししましょう。
計算間違いをなくすには、まず(2)でお話したように、ゆっくり、計算を正確に解くことから始めます。
そして、頭で計算(暗算)せずに、筆算をしっかりしましょう。また、計算の都度、確認をすると良いと思います。
次に、見間違い・勘違いについてです。
文章の数字や人物には丸をつけるなど、目立つようにしましょう。また、何を答えるべきなのか、設問で聞かれていることにも印をつけます。
答えを出したら、もう一度問題文を確認し、生徒様自身の解答も、もう一度確認です。
このように徹底することで、今までのミスが格段に減ると思われます。保護者様も、生徒様の横でチェックして頂けると良いかと思います。
まとめ
中央大学附属中学校は、約9割の生徒様が中央大学に進学されており、大学との連携が盛んな学校です。
入試問題は全体的には標準的な出題であるものの、幅広く問われており、学習する内容は多いと言えます。
一部、やや難しい問題や理解が必要な問題が出題されていますが、基本的にはミスが命取りになる入試問題ですから、計算間違い・見間違い・勘違いと言ったもったいないミスを極力減らしていくことが大切です。基礎を徹底することが中央大学附属中学校合格へとつながっていくでしょう。
【参考文献】
・中央大学附属中学校
・中央大学附属中学校2025年度版10年間過去問声の教育社
・明治大学付属中野中学校2025年度版10年間過去問声の教育社
・立教池袋中学校2025年度版10年間過去問声の教育社
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