こんなお悩みはございませんか?
中学受験に向けて勉強しているけれど、国語に苦手意識があって、伸び悩んでいる……。
そのようなことでお困りではありませんか?
今回は、中学受験の国語について、
・国語に伸び悩みが生じる理由
・効果的な勉強方法
・家庭でのサポート
について、元塾講師で中学受験の国語を担当した私がお伝えしていきます。
▼他科目の勉強法については、以下ページをご覧ください
「「成績が上がる」中学受験算数の勉強法と家庭学習のポイント!」
「「成績が上がる」中学受験漢字の勉強法と家庭学習のポイント!」
「「成績が上がる」中学受験作文の勉強法と家庭学習のポイント!」
目次
・①中学受験の国語の特徴
・②国語が苦手になったり、伸び悩んでしまう生徒様の特徴
2. 中学受験国語の効果的な勉強法
・①日頃の勉強の際に意識するべきこと
・②NGな勉強方法
3. 中学受験国語の問題ごとのおすすめ勉強方法
・①つまずきやすい問題形式のランキング
・②問題形式ごとの勉強のポイント
4. 家庭内で中学受験国語をサポートする際の心構え
・①生徒様が国語に苦手意識を持っている場合の対応方法
・②保護者様が丸付けをするときのコツ
・③成績を伸ばすことができているご家庭様の事例
まとめ
1. 中学受験の国語で苦手・伸び悩みが生じてしまう理由
なぜ、生徒様は国語で苦手・伸び悩みが生じてしまうのでしょうか。
今回は、中学受験の国語の特徴と、国語が苦手・伸び悩む生徒様の特徴を紹介します。
①中学受験の国語の特徴
(1)論理的に文章を読み取る力が必要
国語の問題の多くを占めるのが、読解問題。読解問題を攻略する上で、文章でどんなことが述べられているのか正しく理解する力、すなわち読解力は欠かせません。
読解力は、文章だけでなく問題文を読み解く上でも重要になり、他の教科にも応用できます。
結論は何か、根拠は何か、言い換えているものは何かなど、論理的に読み取る力を育むことで、問題を解くことが大切になります。
近年では、自分の意見を述べる問題、グラフや表を読み取る問題を出題する学校もあるため、考えながら読み込むことが重要です。
(2)配点が高い
国語は文章を読む時間を含むため、問題数が他の教科と比べて1問1問の配点が高いです。
特に、記述問題では1問8~15点ほどの点数になり、完全に問題の意にそぐわないことを書いてしまうと、その分マイナスになります。
選択問題も1問5点ほどのものもあるため、2つ間違えてしまうだけで、10点以上のマイナスになることも。
国語において、少しのミスが合否に大きく響く可能性もあるのです。
②国語が苦手になったり、伸び悩んでしまう生徒様の特徴
(1)活字に苦手意識がある
文章を読むこと自体に苦手意識があると、読み込みが不十分になるだけでなく、国語へのモチベーションも下がりやすいです。
まずは文字に慣れるため、読書を習慣づけるとよいでしょう。
(2)文章を読むことが遅い
文章を読むことが遅いことで、問題を解く時間が足りなくなり、最後まで解き切らなくなることがあります。
速く文章を読み、理解する力を育む必要があります。
(3)文章の意味が分からない
文章に出てくる語句の意味や、文章で伝えたいことがよく分からず、問題にうまく答えることができません。
日頃の勉強の中で、少しずつ語彙を増やし、読み取る練習をしましょう。
(4)問題の解き方が分からない
どのようにして問題を解けばいいのか分からないので、当てずっぽうで答えを書いてしまうこともあります。
問題ごとのポイント、解き方を理解しながら、解く練習が必要です。
(5)文章の書き方が分からない
文章を書くことに慣れておらず、何を書いていいのか分からなくなってしまいがちです。
まずは文章から言葉を抜き出すところから始めると、取りかかりやすいでしょう。
2. 中学受験国語の効果的な勉強法
ここからは、国語の勉強法について紹介していきます。
保護者様の中には、「国語ってどのように普段勉強するものなの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
先程、国語で大切なのは「読解力」と述べましたが、日頃の勉強の際にも、読解力を意識することが大切になります。
今回は、日頃の勉強で意識するべきこと、またやってはいけないNGな勉強方法について解説していきます。
①日頃の勉強の際に意識するべきこと
(1)予習の取り組み方のポイント
予習の段階で、問題を解くだけでなく、解説もしっかり読みましょう。
解説を読んでも分からない場所は、あらかじめまとめておき、授業で先生に聞くことができるようにしておくことをおすすめします。
また、初めて見る語句や漢字は辞書を引いてノートにメモをし、あとで見返せるようにするとよいでしょう。
(2)授業の受け方のポイント
先生の解説には、自分では気づかなかったこと、解説書には載っていないポイントが多くあります。
学校や塾の授業を受ける際には、まず先生の言う大事なポイントをしっかりメモし、大切な部分を捉えることが必要です。
また、予習の段階で分からないと思ったところを先生に質問して、疑問を解消しておきましょう。
(3)ノートの取り方のポイント
ノートを取るときには、ノートの下部に線を引き、その下部の空いた部分に、語句の意味やポイントをメモすることをおすすめします。
また、字を雑に書くのではなく、字を丁寧に早く書くことを習慣づけることで、実際に問題を解くときに、丁寧に書くことができます。
(4)復習・宿題の取り組み方のポイント
復習の際には、もう一度、先生や解説書と同じ考え方ができるかどうか、確認しながら解いてみましょう。
解き終わった後に、しっかり丸付けをして授業をする前と後で点数がどれだけ上がったかチェックすることも大切です。
また、授業で取ったノートを見返して、語句の意味や重要なポイントを確認し、定着させてみてください。
②NGな勉強方法
(1)正誤だけ確認して終わる
問題を解いて正誤だけ確認するだけでは、読解力は定着しません。
丸付けをしたら、必ず解説を読んで、なぜその解答になるのか、しっかり確認をしましょう。
解説を読んでもわからない場合には、先生に質問してみてください。
(2)文章中の分からない語句をそのままにする
国語の文章の中には、生徒様が初めて触れる言葉が登場することが多いです。
そのため、意味が分からないもの、曖昧なものはそのままにせず、しっかり辞書を引いて確認することが大切です。
一度、語句をしっかり押さえておけば、それから先同じ語句が別の文章に出てきたときに、文章を理解しながら読むことができます。
(3)字を雑に書く
字が雑では、採点者が読むことができず、減点されてしまう恐れがあります。
かといって、丁寧にゆっくりと書いていると、解く時間が無くなってしまうので、日頃から丁寧に速く書く習慣をつけましょう。
3. 中学受験国語の問題形式ごとのおすすめ勉強法
中学受験の国語では、説明文、小説文、詩歌、漢字、言葉…など多岐にわたる問題が出題されます。
どこから対策していいか分からない保護者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、つまずきやすい問題種類をランキング化し、それぞれの問題ごとの勉強法を紹介します。
①つまずきやすい問題形式のランキング
1位:説明文
説明文とは、筆者が自分の主張を順序立てて説明する文章のこと。説明文は、生徒様にとってはあまり馴染みがありません。
そのため、文章で何が述べられているのかよく分からず、つまずいてしまう生徒様が多くいます。
時には、小中学生向けの文章ではなく、大人向けの文章が出題されることもあります。
2位:小説文
小説文はいわゆる物語。
楽しんで読むことができる一方で、主観が入り込んでしまい、点数を取ることができないというつまずきが多く見られます。
また、一昔前の小説文が出題されることもあり、内容が難しくて話が入ってこないということも。
3位:語句・ことわざ・故事成語
中学受験の国語では、語句・ことわざ・故事成語の問題も出題されます。
意味を聞くものだけでなく、自分で意味に合わせて漢字で書くものもあり、しっかりと語句・ことわざ・故事成語を理解しているかが問われるのです。
②問題形式ごとの勉強のポイント
(1)「説明文」の勉強法
説明文では、まず文章で筆者が言いたいこと、文章がどのような構造なのかを理解しましょう。
そのために必要なのが、文章への線引きです。
具体的には、以下の5か所に線を引くことをおすすめします。
①段落同士のつながりを示す順接の接続詞(はじめに、次に、そして)
②前の部分を否定する逆説の接続詞(しかし、だが、けれども)
③前の部分を言い換える換言の接続詞(つまり、要するに)
④理由を説明している文(~だからだ)
⑤具体例の文・段落(例えば~)
問題では、「主張」、「根拠」、「具体例」、「言い換え」などを問われることが多いので、線を引いた箇所がそのまま解答となることがあります。
そのため、文章を読むときには、まず線を引きながら読んでみると、問題にも取りかかりやすいですよ。
(2)「小説文」の勉強法
小説文の問題は、全文を載せていることもありますが、多くの場合は物語全ての中から一部を切り抜いて出題されています。
そのため、今どんな場面なのか、「いつ」「どこで」「だれが」「なにをした」のかをしっかり読み取ることが大切です。
また、小説文で重要なのが、登場人物の心情です。
「たぶん、こういう気持ちなんだろうな~」と主観で読み取るのではなく、文章の中にある「気持ちを表す言葉」に着目してみましょう。
気持ちを表す言葉は、以下の通りです。
・感情をそのまま表す言葉(楽しかった、悲しかった)
・言動(登場人物のセリフ、行動)
・情景描写(雨の日の場合、暗い気持ちなど)
問題では、登場人物の気持ちについて問われることが多いです。
そのため、登場人物の気持ちを押さえることが、小説文攻略の一歩と言えるでしょう。
(3)「語句・ことわざ・故事成語」の勉強法
中学受験の国語では、文章中の語句・ことわざ・故事成語の意味を問われたり、書き取りを求められたりすることもあれば、単体の大問で出題されることもあります。
文章中にあれば前後の文脈から推測することもできますが、自分でしっかり覚えていた方が、時間短縮にもつながります。
語句・ことわざ・故事成語を勉強する上で大切なのは、例文を覚えるというものです。
例えば、「青菜に塩」。
これは、「元気だった者が何かをきっかけに、すっかりしょげてしまうさま」を表します。
これだけでは、覚えづらいですが、 「彼は仕事で大きなミスをしてしまい、青菜に塩のようだ」 のように、例文を使って語句の意味を押さえることで、頭に定着させることができます。
4. 家庭内で中学受験国語をサポートする際の心構え
ここまで、中学受験の国語の対策について紹介してきました。
そこで、他にできるサポートはないか気になる保護者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、家庭内で保護者様が国語についてサポートする方法を紹介します。
①生徒様が国語に苦手意識を持っている場合の対応方法
ここでは、生徒様が国語に苦手意識がある場合、どのように対応すればよいか、紹介いたします。
(1)家庭での会話を増やす
国語は「言葉」の教科であり、言葉を理解する上で手っ取り早いのはコミュニケーションを取ることです。中学受験に出てくるような言葉を使わなければ……と焦る必要はありません。
趣味のことや、テレビに出てくる話題でもいいでしょう。好きなことを話してみてください。
保護者様などの大人の方と積極的にコミュニケーションを取ることで、生徒様の語彙や言葉の使い方に広がりが生まれます。
ただし注意するのは、「間違った文法を使わないこと」です。
「食べれる」「持ってた」など、間違った文法を使ってしまうと、生徒様の頭にもそれが正しいものだと刻まれてしまいます。
保護者様も話す際には、文法に注意してみましょう。
(2)保護者様が読み聞かせする
国語の問題を解く上で、たくさんの文章に慣れることは大切です。
読書は、読解力を鍛える、よい方法だと言えます。ですが、実際は本を読むことが苦手な生徒様が多いのが現状です。
そこで、おすすめなのが読み聞かせです。
簡単な本でも好きな本でもいいので、寝る前にベッドの上で寝転がりながら、リラックスした状態で本を一緒に読みます。
文字と音、2つの感覚を使って本を読むので、内容が頭に入りやすくなるのです。
読み聞かせをする上で大切なのは、気持ちを表す言葉や大切なところを、抑揚をつけて、感情を込めて読むことです。
すると、自分で本を読むときにも、気持ちを表す言葉に敏感になります。
②保護者様が丸付けをするときのコツ
保護者様が、国語の問題を丸付けをすることもあるでしょう。
ここでは、丸付けをする上で気を付けるポイントを3つ紹介します。
(1)文章に目を通す
まず、丸付けをする前に、問題となっている文章全体を読んでみましょう。
文章の内容を理解しないまま、丸付けをしてしまうと、ただ正誤の確認をしただけに終わってしまいます。
保護者様自身でもその文章を読んで、生徒様と同じ目線に立ってみることにより、生徒様がどのように文章を読んだのか、なぜその解答にたどり着いたのかの道筋が見えてきます。
(2)模範解答をよく確認する
記述問題では、満点が取れなくても、部分点が入る場合があります。
そのため、模範解答と生徒様の記述をしっかり比べて、足りないところはないか、余計なことを書いていないか確認しましょう。
点数をつけるときも、なぜこの点数なのか、生徒様に説明できるよう、適当につけないようにすることが大切です。
(3)なぜその解答になったか生徒様に聞く
丸付けが終わったら、生徒様と一緒に答えを確認していきましょう。
なぜその選択肢を選んだのか、なぜその記述になったのかを聞くことで、自分の考え方を見直すことができます。
もしかしたら適当に書いて、たまたま当たってしまったこともあるでしょう。
考え方の中で当たっているところ、改良の余地があるところをはっきりさせると、生徒様も自分の思考の癖に気づき、次の問題にも生かせます。
③成績を伸ばすことができているご家庭様の事例
ここでは、私が実際に担当したご家庭様の事例を紹介します。
こちらの生徒様は、国語を苦手としており、模試では成績が伸び悩んでいる状態でした。
そこで、私が提案したのが、保護者様とコミュニケーションを取りながら勉強をすることです。
問題を解き終わったら、保護者様に見せて丸付けをしてもらい、「なぜこの答えになったのか」を話すようにしてもらいました。
最初の内は、「なんとなくこの答えだと思った」としか答えられなかった生徒様でしたが、授業でも同じように対話をしながら問題を解いていったところ、徐々に自分がなぜこの答えにたどり着いたのか説明できるようになりました。
これは、自分の考えを書く記述問題にも生かされています。
また、寝る前に保護者様と一緒に本を読む習慣をつけてもらいました。
最初は読み聞かせなんて、と渋っていたようですが、だんだん「もっと読もう」とせがまれるようになったといいます。
こうして、読む力と解く力を身に付けていき、こちらの生徒様は成績を徐々に上げていき、見事第一志望に合格することができました。
まとめ
中学受験の国語において、保護者様のサポートで大切なのは、密なコミュニケーションです。
国語は言葉を育てる教科。 大人の方と話すことで、語彙力、思考力が育っていきます。
勉強でインプットし、日常生活でアウトプットできるような環境づくりを心がけてみましょう。
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