こんなお悩みはございませんか?
中学受験のために作文対策をしているけれど、苦手意識があって、成績がなかなか上がらない……
そのようなことでお悩みではありませんか?
本記事では、中学受験の作文の、
・出題傾向・頻出テーマ
・おすすめの勉強方法
・家庭でできるサポート
について、元塾講師の私が紹介していきます。
▼他科目の勉強法については、以下ページをご覧ください
「「成績が上がる」中学受験算数の勉強法と家庭学習のポイント!」
「「成績が上がる」中学受験国語の勉強法と家庭学習のポイント!」
「「成績が上がる」中学受験漢字の勉強法と家庭学習のポイント!」
目次
2.中学受験の作文問題の出題傾向・頻出テーマ
・①言語
・②自分の考え・体験
・③コミュニケーション・社会
・④将来の自分
3.中学受験の作文で伸び悩みが生じてしまう理由
・作文を書くのに求められる力
・作文が苦手・伸び悩む生徒様の特徴
4.中学受験作文の効果的な勉強法
・おすすめの勉強法
・NGな勉強法
5.家庭内で中学受験作文をサポートする際の心構え
・生徒様が作文に苦手意識を持っている場合の対応方法
・成績を伸ばすことができているご家庭様の事例
6.中学受験作文の勉強法・まとめ
1.中学受験で作文対策が必要になる場面
作文が出題されるのは、公立中高一貫校の適性検査や一部の私立中学校です。
東京都の公立中高一貫校の適性検査Ⅰでは、3500字程度の2つの文章を読んで自分の考えをまとめる問題が出題されます。
例えば、東京都立三鷹中等教育学校では、令和6年に以下のような作文問題が出題されました。
【問題3】
あなたは、人が自信をもって生きていくためには、周囲の人とどのような関わりをもつことが必要だと考えますか。
【文章1】【文章2】の内容をふまえて、三百六十字以上四百字以内で、具体例を挙げて説明しなさい。
このような問題に対し、しっかりと構成を考え、順序立てて、正しい日本語で解答するためにも、作文対策は欠かせません。
これから解説する出題傾向や勉強方法を踏まえて、作文対策を進めていきましょう。
2.中学受験の作文問題の出題傾向・頻出テーマ
中学受験の作文では、出題傾向や頻出テーマがある程度決まっています。
以下で紹介する4つの傾向を中心に、作文練習に取り組んでみてはいかがでしょうか。
①言語
自分が「言葉」に対して、どのようなことを考えるかが問われます。
例えば、過去には以下のような問題が出ています。
・あなたは、これからの学校生活で仲間と過ごしていく上で言葉をどのように使っていきたいですか。
・文章1と文章2をふまえて、あなたなら「哲学対話」という方法を、どのような場面でどのように生かすことができると考えますか?
②自分の考え・体験
これまでの経験を元にどのように考えるかが問われます。
例えば、以下のような問題が出題されました。
・本文中に「太刀打ちできない」とありますが、あなたが体験した「太刀打ちできなかった」ことは何ですか。また、そのことにどのように対応しましたか。
・あなたにとって大切なものについて、体験や経験を交えて述べなさい。
③コミュニケーション・社会
自分は社会についてどう思うか、社会の中でどう行動するかについて問われます。
過去には以下のような問題が出題されました。
・自分のことを誰も知らない場所に身を置くという状きょうになったとき、どのように問題を解決していきますか。
・あなたは、未来についてどのようにとらえていますか。よりよい未来を築くために、どのようなことをしていきたいか述べなさい
④将来の自分
これから自分がどうしていきたいか、どんな学校生活を送りたいか問われます。
例えば、
・あなたは、これからの学校生活でどのように学んでいこうと思いますか
・あなたはどういう自分になりたいですか
などが出題されました。
3.中学受験の作文で伸び悩みが生じてしまう理由
ここまで、中学受験作文の特徴や頻出テーマについて解説していきました。
今回は、作文を書くのに求められる力と、作文を苦手とする生徒様の特徴を紹介し、作文を書く上で大切なポイントを押さえていきます。
作文を書くのに求められる力
①正しい日本語で書く力
どんなに内容が良くても、大前提として日本語が正しくなければ減点されてしまいます。
主語述語はねじれていないか、文法は正しいか、「」の使い方は合っているか、漢字は間違っていないかなど、書きながら気をつけなければいけません。
②論理的な文章を書く力
論理的に自分の意見を書くことができているかは、中学受験の作文において最も重視されるポイントです。
話の流れが明確で、内容がよく伝わるよう、構成や書き方を工夫する必要があります。
「自分の意見」→「根拠」→「具体例」→「結論」といった、基本的な型を押さえて、作文を書けるようにしましょう。
③説得力のある文章を書く力
構成がしっかりしていても、文章が薄っぺらいと読んでいて違和感が生じます。
根拠や具体例を明確に示し、自分の意見に説得力を持たせることが大切です。
作文が苦手・伸び悩む生徒様の特徴
①何を書けばいいのか分からない
問題文を読んでも、何を書いていいか発想が浮かばず、手が止まってしまうというケースはよくあります。
まずは、問題文から自分の意見を絞り出す練習が必要です。
②どのように書けばいいのか分からない
書く内容が浮かんでも、何から書いていいのか分からないこともあるでしょう。
そのようなときには、「意見」→「根拠」→「具体例」→「結論」といった型に当てはめて考えることをおすすめします。
③正しい日本語で書けない
文章を書くことに慣れていないと、文法が間違っていたり、誤った書き方をしていたりすることがあります。
自分では気づかないこともあるので、誰かに読んでもらうことで自分の文章のくせを明らかにしていきましょう。
④説得力ある文章が書けない
内容に説得力がなく、減点されてしまうこともよくあります。
まずは、本や新聞を読んで、知識を仕入れ、自分の考えを膨らませていくとよいでしょう。
4.中学受験作文の効果的な勉強方法
作文を苦手とする生徒様の特徴が分かったところで、「作文ってどのように勉強していくものなの?」と疑問に思われる保護者様もいらっしゃるでしょう。
今回は、おすすめの勉強方法と、やってはいけないNGな勉強方法について紹介していきます。
おすすめの勉強法
まず、おすすめの勉強方法を4つ解説します。
ぜひ、ここにある勉強法を実践してみてくださいね。
①回数をこなす
1回だけでなく何回も繰り返し書いてみましょう。
作文は書けば書くほど、書き方を身に付けられます。
同じ問題だとしても、繰り返し書いてみることで問題への理解が深まり、自分の文章に磨きがかかります。
②自分で音読してみる
書いた文章を自分で声に出して読んでみると、文のねじれや違和感に自分で気づくくせがつくでしょう。
黙読ではミスに気づかないこともあるので、チェックするときには音読することをおすすめします。
③学校・塾の先生に添削してもらう
文章力向上のコツは、誰かに読んでもらうことです。
特に、学校や塾の先生に読んでもらい、フィードバックを受けることで、自分では気づかなかった直すべきポイントを知ることができます。
「次に書くときには、前言われたことに注意しよう」と意識しながら書くようになり、文章力がより高まっていくことでしょう。
④本や新聞を読んで知識を増やす
作文を書く上で、根拠となる知識を得ておくことは大切です。
社会に関する本や新聞を読んでみましょう。社会科の対策にもなりますよ。
NGな勉強法
ここでは反対に、NGな勉強方法2つについて説明します。
ここで挙げていることは、実践しないようにしましょう。
①書きっぱなしで終わる
作文を一通り書いて、それで終わりにしてはいけません。
自分で誤字脱字や文法、内容をしっかりチェックして、他人の目を通して読んでもらうことが、作文力アップのコツです。
書くことに力を入れるのは良いですが、書いた後の確認も大切にしましょう。
②模範解答を読まない
過去問や問題集には、模範解答が付いていることが多いです。
模範解答もしっかり読んで、自分の文章とどう違うのか、真似できるところはないか、よく見てみましょう。
模範解答には自分の文章をよりよくするためのポイントが詰まっています。
模範解答をよく読み、自分の文章に取り入れていきましょう。
5.家庭内で中学受験作文をサポートする際の心構え
中学受験の作文の対策について紹介してきました。
そこで、他にできるサポートはないか気になる保護者様もいらっしゃると思います。
今回は、家庭内で保護者様が社会についてサポートする方法を紹介します。
生徒様が作文に苦手意識を持っている場合の対応方法
ここでは、生徒様が作文に対して苦手意識がある場合、保護者様が対応する方法を2つ紹介します。
①生徒様が書いた作文を読んでみる
先程も述べたように、作文力向上には他者の目を通してどう見えるかを知ることが大切になります。
そこで、生徒様の文章を保護者様が読んでみて、違和感のあるところ、根拠が薄いと感じるところ、よく分からないと感じるところなどを指摘してみましょう。
先生のように採点をする必要はありません。
ただ客観的に保護者様が読んで、どう思ったかを伝えるだけでも、生徒様にとってはよいフィードバックになります。
ただミスや違和感を指摘するだけでは、生徒様も自信を失って、やる気をなくしてしまうかもしれません。
よく書けている部分はしっかりと褒めて、自信につなげていきましょう。
②新聞やテレビニュースを見てどう思うか考えを聞いてみる
作文では自分の意見をしっかり持つことが重要です。
日頃から、新聞やニュースを見て「○○はどう思う?」と聞いてみましょう。
自分の考えを口にして言語化する習慣をつけると、作文のときにも自分の意見をすらすら書くことができるようになります。
いきなりでは難しいと思うので、まずは保護者様がお手本になって、自分の意見を話してみましょう。
生徒様も保護者様の真似をして話すことができるはずです。
成績を伸ばすことができているご家庭様の事例
ここでは、私が担当した生徒様とその保護者様の事例を紹介します。
その生徒様は文章を書くことに苦手意識を持っており、過去問を空欄で提出してくることもあるほどでした。
生徒様が言うには「意見が浮かばない」ということだったので、まずは意見を出す練習から始めることにしました。
保護者様にニュースを見て感想を言ってもらうことを提案し、毎朝習慣づけてもらったところ、初めは「楽しそう」「難しそう」といった感想ばかりだったにも関わらず、「○○の方がいいと思った」など、自分の意見を述べることができるようになったそうです。
そして、作文には根拠を述べることが欠かせません。今度はその意見に「どうしてそう思ったの?」と理由を尋ねるよう提案しました。
すると、「○○だと考えた。なぜなら、○○だから。」と答えられるようになったそうです。
この毎朝の習慣と作文の練習で、徐々に自分の意見を書くことができるようになり、最終的にはほとんど減点がない状態で受験に臨むことができました。
そして、見事合格を勝ち取ったのです。
6.中学受験作文の勉強法・まとめ
中学受験作文の対策で大切なことは、以下の3つです。
①自分で書いた後は、確認をしっかりして、他者に読んでもらう。
②一度だけでなく、何度も繰り返し書く。
③自分の意見をアウトプットする練習をする。
作文で問われるのは、自分がテーマについて自分事だと思って意見を書くことができるかどうかです。
意見を口にできるような家庭環境づくりを心がけましょう。
▼当会では、中学受験生への指導に特化した家庭教師をご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
【参考】
・学力検査問題等 | 東京都立三鷹中等教育学校 | 東京都立学校 (metro.ed.jp)
https://www.metro.ed.jp/mitaka-s/guide/test.html(2024年6月3日参照)
・学力検査問題等 | 東京都立両国高等学校・附属中学校 | 東京都立学校 (metro.ed.jp)
https://www.metro.ed.jp/ryogoku-h/guide/test.html(2024年6月3日参照)
・適性検査問題等 | 東京都立小石川中等教育学校 | 東京都立学校 (metro.ed.jp
https://www.metro.ed.jp/koishikawa-s/guide/test.html(2024年6月3日参照)
・学力検査問題等 | 都立白鷗高等学校・附属中学校 | 東京都立学校 (metro.ed.jp)
https://www.metro.ed.jp/hakuo-h/guide/test.html(2024年6月3日参照)
・適性検査 |千代田区立九段中等教育学校 (schoolweb.ne.jp)
https://www10.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=1320077&frame=tekisei(2024年6月3日参照)
・学力検査問題等 | 東京都立南多摩中等教育学校 | 東京都立学校 (metro.ed.jp)
https://www.metro.ed.jp/minamitama-s/guide/test.html(2024年6月3日参照)
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