三田国際学園中学校は、もともと女子校として創立され、英語教育と科学教育に力を入れています。ネイティブの教師による指導を日常的に受けられるほか、最先端の設備が整った実験室も大きな魅力のひとつです。
三田国際学園中学校の入試問題の特徴を一言で表すと、「思考力が求められる」です。全科目において、単なる暗記で解ける問題は少なく、理解を前提とした思考力を問う問題が中心の入試問題です。
これまで300人以上の生徒を指導してきた経験をもとに、三田国際学園中学校の入試傾向と対策を徹底解説します!
目次
2. 三田国際学園中学校の入試傾向|過去問から分析
・①算数の入試問題
・②国語の入試問題
・③理科の入試問題
・④社会の入試問題
・⑤入試傾向が似ている学校
3. 三田国際学園中学校|入試の併願パターン
・①1月
・②2月1日
・③2月2日
・④2月3日
・⑤2月4日
4. 三田国際学園中学校の入試対策
・①時期別・教科別入試対策
・②三田国際学園中学校の過去問対策
・③保護者様にできる中学入試のサポート
三田国際学園中学校の過去問から入試対策しよう!
1. 三田国際学園中学校とは?【入試前に確認】
三田国際学園中学校は、1902年に戸板裁縫学校として設立され、2015年に現在の名称へ改称するとともに共学化されました。さらに、2025年4月には「三田国際科学学園中学校」へと改称される予定です。
同校がとくに力を入れているのは、英語教育と科学教育です。英語教育では、ネイティブの教師が授業だけでなく、進路指導や課外活動まで担当し、日常的に英語に触れられる環境を整えています。
科学教育では、最新鋭の設備を備えたサイエンスラボを設置し、生徒のサイエンスリテラシーを向上させています。これらの充実した教育プログラムを通じて、国際的に活躍できる優秀な人材の育成を目指しています。
2. 三田国際学園中学校の入試傾向|過去問から分析
三田国際学園中学校は「インターナショナルサイエンス(ISC)」「メディカルサイエンステクノロジー(MST)」「インターナショナル(IC)」の入試があり、試験科目と試験時間は以下の通りです。
入試区分 | 試験科目 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|
インターナショナルサイエンス(ISC) (第1回~第4回) |
算数 | 50分 | 100点 |
国語 | 50分 | 100点 | |
理科・社会 | 50分 (合計) | 各50点 | |
メディカルサイエンステクノロジー(MST) | 算数 | 60分 | 100点 |
理科 | 60分 | 100点 | |
インターナショナル(IC) (第1回~第3回) |
算数 | 50分 | 100点 |
国語 | 50分 | 100点 | |
理科・社会 | 50分 (合計) | 各50点 |
※インターナショナルサイエンス(ISC)の第1回と第3回は上記の4科目試験の代わりに、英語・算数・国語・面接に代替可能。試験時間は英語60分・算数50分・国語50分、配点は100点・50点・50点
※インターナショナル(IC)の第1回と第3回は上記四科目試験の代わりに英語・面接のみの試験に代替可能。試験時間は英語60分、配点は100点
入試問題は、全科目で理解を前提とした思考力が問われる問題です。暗記だけでは対応できない問題となっています。
①算数の入試問題
算数の入試問題は大問5題の出題で、大問1番が計算問題と小問集合、大問2番以降が単元別の問題となっています。大問・小問問わず、図形・数の問題・速さが頻出問題です。
項目 | 内容 |
---|---|
出題数 | 大問5題(大問1:計算問題+小問集合、大問2以降:単元別問題) |
頻出分野 | 図形・数の問題・速さ |
図形問題 | 平面図形・立体図形が幅広く出題(特に図形の移動・立体切断が難問) |
数の問題 | 場合の数・規則性・つるかめ算・約数・倍数など(2024年度は規則性・約数が出題) |
速さの問題 | 旅人算・流水算・通過算が出題(頻度はやや低め、標準問題の対策が必要) |
解法を書く欄があるため、式・やり方を明確に記述する練習が重要です。図形・数の問題を中心に、解法を論理的に説明できる力をつけて、採点官に伝わるようにしましょう。
②国語の入試問題
国語の入試問題は大問3題の出題で、大問1・2番が文章題、大問3番が漢字・語彙となっています。
項目 | 内容 |
---|---|
出題数 | 大問3題(文章題2題+漢字・語彙1題) |
文章題の構成 | 説明文1題・物語文1題 |
設問の種類 | 接続詞・語彙・正誤選択・抜き出し・穴埋め・記述問題など総合的な出題 |
記述問題の割合 | 設問の約半分が記述問題(要約・作文形式が多い) |
特徴的な出題 | 2024年度第1回では、4コマ漫画の表現技法について作文形式で考察させる問題が出題 |
漢字・語彙の特徴 | 読み書きだけでなく、思考力を問う問題が多い |
記述練習を重視して、自分の考えをまとめる力をつけましょう。また、過去問で漢字・語彙の思考力問題になれてください。
③理科の入試問題
理科の入試問題は大問2〜4題の出題で生物・地学が頻出分野、物理・化学はやや少なめの傾向です。そのため、回数によっては、物理や化学が出題されない場合があります。
項目 | 内容 |
---|---|
出題数 | 大問2~4題 |
頻出分野 | 生物・地学が中心(物理・化学は出題されない場合もあり) |
問題の特徴 | 長文の考察・実験問題が大半(暗記だけでは対応不可) |
記述問題の割合 | 文章の内容を理解し、考察する問題が多い(2024年度は実験データをもとに考察する問題が出題) |
計算問題の特徴 | 典型的な計算問題は少なく、実験結果から必要な情報を抽出して考える形式が多い |
図鑑・理科事典で調べる習慣をつけましょう。また、文章を正確に読み取り、必要な情報を整理する練習をしてください。
➃社会の入試問題
社会の入試問題は大問3題の出題で、地理・歴史・政治・時事問題がまんべんなく出題されています。
項目 | 内容 |
---|---|
出題数 | 大問3題(地理・歴史・政治・時事問題がバランスよく出題) |
問題の特徴 | 資料問題が非常に多く、初見の資料と知識を組み合わせて解答する形式が多い |
記述問題の割合 | 記述問題が多く、論理的な文章を書く力が求められる |
特徴的な出題 | 2024年度第1回では、6つの資料をもとに「首都に求められる条件」について考察する記述問題が出題 |
国際的な問題 | 世界の国々との関係についての問題が頻出 |
時事問題 | 多く出題されるため、ニュース・新聞を日頃からチェックする必要あり |
上記の入試問題資料の傾向から、「読み解く力」「論理的な記述力」「時事問題への関心」が重要です。
⑤入試傾向が似ている学校
全体的な入試傾向が似ているのは、広尾学園小石川中学校です。難易度は上がりますが、広尾学園中学校の入試問題とも似ているので、参考になります。
3. 三田国際学園中学校|入試の併願パターン
①1月
・埼玉栄中学校・大宮開成中学校・西武学園文理中学校・栄東中学校
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1月の併願校としては、埼玉栄中学校・大宮開成中学校・西武学園文理中学校が挙げられます。しっかりと合格することで、精神的に落ち着けます。
栄東中学校は難易度が高めですから、無理はしなくても良いでしょう。
②2月1日
午前:三田国際学園中学校(ISC・IC 1次)
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2月1日の併願パターンは、午前も午後も三田国際学園中学校(ISC・IC)で決まりです。
③2月2日
午前:帝京大学中学校(2次)・国学院大学久我山中学校(2次)
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2月2日の併願パターンとして、午前は帝京大学中学校(2次)か国学院大学久我山中学校(2次)が良いでしょう。
午後は、三田国際学園中学校(ISC・IC 3次)で決まりです。
④2月3日
午前:慶応義塾中等部
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2月3日の併願パターンでは、三田国際学園中学校に合格していれば、午前に慶応義塾中等部が良いでしょう。合格していない場合は、1日・2日と疲れがあると思われるので、休養しましょう。
3日午後は、三田国際学園中学校(MST)で決まりです。
⑤2月4日
午前:成蹊中学校(2次)・東洋大学京北中学校(4次)
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抑え校に合格されていない場合は、午前に成蹊中学校(2次)もしくは東洋大学京北中学校(4次)の併願が良いでしょう。
午後には三田国際学園中学校(ISC ・4次)がありますので、最後まで頑張りましょう。
4. 三田国際学園中学校の入試対策
三田国際学園中学校の入試問題は全科目的に思考力が問われています。単なる暗記では対応できない入試問題です。
①時期別・教科別入試対策
(1)小学4年生
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(2)小学5年生
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(3)小学6年生(4月~6月)
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(4)小学6年生(7月~8月)
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(5)小学6年生(9月~11月)
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(6)小学6年生(12月~1月)
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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②三田国際学園中学校の過去問対策
(1)過去問の効果的な使い方
算数は比較的似た傾向の問題が出題されるので、過去にさかのぼって解き直をしてください。国語は形式になれることが重要です。理科・社会は過去問で形式になれたら、過去問をテーマごとにまとめて、深く調べましょう。
(2)いつから解き始めればよいか
算数と国語については、夏休み前から解き始めましょう。この2科目は配点が高く、差がつきやすい科目です。
一方、理科と社会は夏休みに入ってから始めてください。あまり早く始めても、試験範囲の学習が終わっていない場合もありますので、夏休みに集中して学習しましょう。
(3)何年分を何周解けばよいか
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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③保護者様にできる中学入試のサポート
(1)成績が下降してきたら…
基本〜標準的な問題ができなくなっている可能性が高いです。塾などで難しい問題ばかり解いていると、基本がおろそかになるので、小学4年生・5年生の基本的な問題の復習をしてください。
生徒様にも「少し前の単元に戻ってやってみようか。」とお声掛けし、「ゆっくり基本からやり直してみよう。」と対応してあげてください。また、試験の結果に一喜一憂せず、長い目で生徒様を見てあげてください。
復習では間違えた問題をできるまで解き直しをしてください。また、1度解けたとしても、また暫く経ってから解き直すことも必要ですので、保護者様で管理してあげてください。
(2)計算力対策
三田国際学園中学校は計算問題が必ず出題されており、スピード・正確性が必要な試験です。そのため、毎日10問程度、四則演算の計算問題を解く練習をしましょう。
計算間違いが多い生徒様の場合は、ゆっくりと正確に解く練習をしてください。正確さが身についたら、短時間で解けるようにしましょう。
(3)理科の対策
三田国際学園中学校の理科は、理解を問う問題が数多く出題されます。保護者様は身近な事柄や科学の現象について、生徒様と話しながらわかりやすく教えてあげてください。
たとえば、
「洗濯物を干すと乾くのは何故だろうね?」
|
など、疑問に感じたことを調べる作業は、理科の対策に役立ちます。
(4)時事問題対策
時事問題こそ、保護者様の出番です。ニュースや新聞で見聞きする内容は、保護者様にとっては常識的なことでも、生徒様には「実感がわかない」「わからない」ことが多いです。ニュースや新聞の内容を生徒様と会話してあげてください。
たとえば、
「今円安が進んでいるってニュースで言っていたけど、どういうことかわかる?」 |
と言った質問から、生徒様と一緒に会話をして、一緒に調べることが重要です。
(5)自由研究
小学校の夏休み課題として出される自由研究は、三田国際学園中学校受験にもってこいの題材です。
毎年、理科についての自由研究課題を見つけて、提出しましょう。
自由研究する際には、保護者様からの「なんでそうなるんだろうね?一緒に調べてみようか。」といった声かけをしながら、深掘りしてあげてください。自由研究そのものにも意味はありますが、文章をまとめる作業も重要です。
三田国際学園中学校の過去問から入試対策しよう!
三田国際学園中学校の特徴は、英語教育と科学教育に力を入れている点です。日常生活からネイティブの先生から指導を受けられたり、最先端の設備整う実験室が大変魅力的な学校です。
入試問題は全科目的に思考力が問われる問題で、暗記だけでは全く歯が立ちません。もちろん、必要な暗記はしますが、基本~標準レベルで十分です。暗記よりも理解に重きを置いた学習をしましょう。
算数は図形・数の問題・速さがとにかく重要です。難しめの問題まで解けるようにしましょう。国語は記述問題が多数出題されますから、読解力と文章力を磨きましょう。理科・社会は生徒様自身が納得いくまで調べることが大切です。
【参考文献】
・三田国際学園中学校ホームページ
・三田国際学園中学校2025年度版10年間過去問声の教育社
・広尾学園小石川中学校2025年度版10年間過去問声の教育社
・広尾学園中学校2025年度版10年間過去問声の教育社
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