中学受験では、集団塾と併用して家庭教師も利用するご家庭様が一定数いらっしゃいます。
中学受験で家庭教師を利用するメリットとはいったんどのようなものなのでしょうか。また中学受験に成功するご家庭様は、家庭教師をどのように活用しているのでしょうか。
今回は、多くの中学受験生や難関私立の中高生を教えた経験を持つ、「東大家庭教師友の会」の教務チーム主任アドバイザーの吉田裕典に、中学受験に成功する保護者様はどのように家庭教師を使いこなしているのかついてお話いただきました。
▼前編では、中学受験に成功するご家庭様の特徴について解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
中学受験において、家庭教師をつけるメリットとは
—中学受験において家庭教師をつけるメリットを教えてください。
大きなメリットとしては「教師に実際に自宅に来てもらえること」、及び「教師と保護者様が対話できる機会が多いこと」だと考えています。
やはり、実際にご自宅に伺うことで、生徒様が普段どのように生活しているのかが見えてくるので、
それに基づいて、「もうちょっとこうした方がいいかもしれません」といった深いアドバイスをすることができるようになり、そこは大きいメリットになるなと考えています。
家庭教師がおすすめなご家庭様
—特にどのようなご家庭様に家庭教師はおすすめですか?
家庭教師は、生徒様の専属となって指導をすることができるような存在ですので、
中学受験について相談相手が欲しい、周りの人にはなかなか相談しづらい、相談相手がそもそもいないといった場合は、
中学受験に関する悩み事を相談する相手として家庭教師をつけていただくと、うまく活用できるのではないかと思います。
また、受験勉強をしていると「このやり方で本当にいいのだろうか」「何か他のやり方はないのか」と迷ったり不安になったりしますので、そういった時にも家庭教師はおすすめです。
もちろん、塾の先生を相談相手とするのは可能ですし、そのようにされている方も多くいらっしゃるかと思います。
ただ、塾の先生も様々ですので、自分の考えに誘導するような方も、なきにしもあらずなんですね。
そういった点を踏まえて、別の意見を求める先として家庭教師をご活用いただくことは多いです。
またママ友なども、人によっては言いふらしてしまったりなどもあるので、そういったことが気になる場合も、家庭教師は有効かと思います。
—生徒様の学習状況という観点でいうと、どのような生徒様に家庭教師はおすすめですか?
基本的に、ただ授業を聞いているだけでは内容は身につかないので、授業の後に自分で手を動かす必要があるのですが、
生徒様1人ではそれがなかなかできない、誰かが見てあげないと難しいといった場合は、家庭教師がおすすめです。
保護者様がサポートする形でも良いかと思いますが、保護者様が入ると喧嘩になってしまうということもありますので、そういった場合は家庭教師に入ってもらうのが良いかと思います。
また生徒様の中には、「心を許した人となら一緒に勉強できる」といったこともありますので、
「この先生にお願いしたい、この先生とだったら勉強できる」といった関係性を望むのであれば、それは個別指導塾などではなく、家庭教師がおすすめになります。
中学受験に成功するご家庭様は、家庭教師をどのように使いこなしているか
—中学受験に成功するご家庭では、家庭教師をどのように使いこなしていたかを教えてください。まず、家庭教師の選び方からお願いします。
大事なのは、「何を求めて家庭教師をつけるのか」がはっきりしていることだと考えています。
例えば「この教科があまり成績が良くないので、これくらいまで点数を上げたい」とかですね。
逆に「最終的に◯◯中学とかに受かりたいぐらい」のざっくりした感じだと、ちゃんと考えられているのか、心配になったりします。
あとは、生徒様のことをよく観察していて、「自分の子どもはこういう性格・特徴をしている」というのが分かっているご家庭様だと、上手に家庭教師を選べているという印象です。
結局のところ、人と人との関係なので、最後は合う合わないの世界です。
どんなに人に教えるのがうまい教師でも、生徒様と相性が合わなかったら、結局うまくいかないことが多いです。
ではどうやったら相性の良い教師を見極められるのかというと、それはやはり保護者様が自分の子どものことをよく見ていて
「この子はこういうところがあるから、こういう感じの方がいいんじゃないかしらとか」などをしっかり考えられているかどうかにかかってくると考えています。
—子どもが希望する先生のタイプと、保護者が希望する先生のタイプが異なる場合、どう考えれば良いのでしょうか。
例えば生徒様は「面白くて話が弾む先生がいい」と思っているものの、親としては「子どもと馴れ合いにならないよう、冷静に対応してくれる先生がいい」と思っている場合などはどうしたらよいでしょうか。
これはすごく難しいですね。
何が正解かというのは一概には言えないかとは思いますが、個人的には、最終的にはそこは親が決めることなのかなと思っています。
そこに関しては、子どもが思っていることは必ずしも正解とは限らないのですね。
親がこうしたいという思いのもとにつけるっていうのが、最終的にはスッキリするのかなと思います。
—そもそも家庭教師をつけるかどうかというのは、子どもと親でどのように相談すれば良いのでしょうか。
生徒様も1人の人間ですのでしっかり尊重しつつ、ただ、1人の人間である以上間違った判断をすることもあるという前提のもと、しっかり話し合うのが良いかと思います。
小学生の生徒様が自分のことを100%正しく把握できているとは限らないので、生徒様に「家庭教師なんていらない」と言われても、場合によってはつけたほうが良いこともあるかと思います。
「今のあなたの状況を見ていると、家庭教師をつけた方がいいと思うけど、どうかな」
「1回くらい試してみるのもいいんじゃない、ダメだったらすぐやめてもいいよ」
といった感じで話し合うと、自然に合意ができるのではないでしょうか。
また結局のところやってみないとわからない世界だとも思いますので、親の方も、実際やってみて違ったなと思ったらすぐ辞める判断をくだす、その覚悟を持っておくことが重要だと思います。
—塾と家庭教師の上手な併用の仕方について教えてください。
集団塾だと例えば、宿題の出し方が個別最適化されてない、などが往々にしてありますので、「塾の出す宿題をどう活用すればいいか」などを家庭教師にコントロールしてもらうというのが、よい使い方になるのではと思います。
また、集団塾と家庭教師で教え方が完全にバラバラになってしまうと、「あっちではこう聞いたけどこっちではこう聞いた」のようになってしまって、生徒様が混乱してしまうこともありますので、
そこはうまく、集団塾の教え方に合わせる形で、バランスをとりながら指導を進めるのがよいと考えています。
—保護者が家庭教師とコミュニケーションを取る際のコツを教えてください。
家庭教師の方には、ぜひ率直に、今の悩み事や指導に対して感じていることをお話ください。
私が家庭教師をしていた際も、こちらが出す意見を100パーセントそのまま鵜呑みにしてほしいとは思っておらず、あくまで1つの意見として参考にしたうえで、色々考えていただきたいと思っていました。
ですので、不安に感じていることや、指導について「ここってどうなっていますか」みたいなことがあれば、遠慮なく相談いただけると、教師としてもやりやすいのではないかと考えています。
—家庭教師が提示する指導方針に対してどれくらい保護者は介入してよいのでしょうか。
信頼できる家庭教師を見つけることができたのであれば、そのあとは、あまり親は指導に踏み込まない方が良いのではないかと、個人的には思います。
保護者様自身でうまく勉強を教えることができるとか、感情的にならず教えることができるとかであれば例外ですが、
そうでなければ「これは違うんじゃない」など保護者様が指導に細かく介入されるのは、あまり生産的ではないと思っています。
もちろんいろんな家庭教師がいますので、「あきらかに自分の考え方を押し付けてくる」「塾のやり方に対して、違う、おかしいなど言ってくる」といった家庭教師の場合は、指導を続けるか再考した方が良いと思うのですが、
生徒様のことをフラットな立場で見ることができる、信頼できる家庭教師の方と出会えたのであれば、指導に関してはお任せをするようなスタンスが良いのではと考えています。
もちろん、何をどう指導されているのかは気になると思いますので、「どんな感じでやっていますか」などはぜひ聞いていただければと思います。
—これまで指導してきたご家庭の中で印象的な事例を教えてください。
「家庭教師をつけたら後は丸投げ」や逆に「指導方針を1から全て保護者様が考える」など極端になってしまうのではなく、うまくバランスをとりながら、
どう家庭教師に補助に入ってもらうか、どう家庭教師を巻き込むか、といった姿勢で家庭教師と接していたご家庭は、指導の効果も出やすかったように思います。
「家庭教師以外の時間は、どのような勉強をしていればよいですか」といったことを聞いていただいたりと、自分たちではどう動けばいいか、を常に考えられていらっしゃったご家庭様などは、非常に印象的でした。
まとめ
今回は、当会の主任アドバイザーの吉田裕典に、中学受験で成功するご家庭様がどのように家庭教師を使いこなしているかについてお話いただきました。
生徒様のことをフラットな視点で見ることができる、信頼できる家庭教師の方と出会うことができたのであれば、
あとはその家庭教師の方に指導についてはお任せをした方がよい、ただし保護者様側としても、自分がどのように立ち回ればよいのか常にバランスを考えながら動くことが大切、というのが印象的でした。
家庭教師の効果的な使い方やコミュニケーションの取り方について、イメージが沸かなかったりご不安に思われる方は、当会のスタッフがご相談に乗りますため、ぜひお気兼ねなくお問い合わせください。
▼前編では、中学受験に成功するご家庭様の特徴について解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
▼当会では、中学受験生への指導に特化した家庭教師をご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
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