中学受験について、いつから始めたらよいか、何から始めたら良いか、とお悩みではありませんか?
中学受験を考えたとき、塾選びや開始時期、家庭内でのサポート方法など、さまざまな不安や疑問が湧き上がってくるかと思います。
大切な生徒様の将来を見据えて、一番良い選択ができるよう、押さえておくべきポイントを一緒にみていきましょう。
目次
・小3・小4で始めるケースが多い
・小5・小6から始めるのでは遅いのか
2.中学受験までの一般的なスケジュールとは
・低学年(小学1~2年生)のスケジュール
・中学年(小学3~4年生)のスケジュール
・高学年(小学5~6年生)のスケジュール
3.各学年で身に着けておくべきポイント
・低学年(小学1~3年生)のうちに身に着けておくべきポイント
・中学年(小学4年生)のうちに身に着けておくべきポイント
・高学年(小学5~6年生)のうちに身に着けておくべきポイント
4.中学受験を始めるにあたっての心構え
・中学受験のメリット
・中学受験を始めるにあたっての注意点
5.まとめ
中学受験のために勉強を始める適切なタイミングとは?
一般的にいつから中学受験の準備を始めている人が多いのか? なぜ、その学年で始める生徒様が多いのか、について解説をします。
小3・小4で始めるケースが多い
中学受験を始めるベストなタイミングは、小学3年生の冬、または小学4年生の春です。
この時期から、基礎力をしっかり築くことで、5年生からの本格的な受験対策にスムーズに移行できます。
早めに始めることで基礎固めはもちろん、学習習慣を整え、無理のないペースで勉強を進めることができます。
また、生徒様の興味や適性を見極める時間も十分に確保できるため、効果的な学習計画を立てやすくなります。
中学受験は長期戦です。 より具体的で計画的な準備が成功の鍵となります。
小5・小6から始めるのでは遅いのか
小学5〜6年生が中学受験を始めるには遅すぎるか、というと必ずしもそうとは言い切れません。
小学5〜6年生は低学年の頃より集中力が高く、自分自身で効果的な学習法を進めたり、意欲的に学習に取り組める、というメリットもあります。
短い時間で学習できる能力を身につけられるようにもなります。
しかし、小学5年〜6年で始める場合、いくつか注意点があります。
(1)学習量が一気に多くなるため、生徒様の負担も大きくなる
小学5〜6年生は中学学習に向けた本格的な内容に入り、内容がぐっと深く広い知識となってきます。
今まで以上の学習量をこなす中で、中学受験の核となる基礎学力の確認・補習となると、やはり学習量はかなりの量になり、生徒様にとって負担は大きいでしょう。
(2)無駄を極限に削減した効率的な学習が求められる
また、多くの受験生が早期から準備を始めているため、小学5〜6年生からのスタートでは、既に基礎学力が定着しているライバルと競争することになります。
そこを埋めるためには、無駄を極限に削減した効率的な学習方法と効果的な勉強計画が不可欠となります。
例えば、それらの学習量を補うために塾や家庭教師の授業を増やすことは、生徒様自身、及び保護者様の経済的な負担、送迎等の時間の制約が増えることになるでしょう。
中学受験合格までの一般的なスケジュールとは
中学受験への一般的なスケジュールは、おおよそ以下の通りとなります。
・小学1~2年生:基本的な学習習慣を身に着ける
・小学3年生の冬〜小学4年生の春から:塾や家庭教師などをつけ、基礎学力を固める
・小学5年生から:中学受験に合わせた応用力の演習をする
・小学6年生から:本格的な受験対策に取り組む。模擬試験を受けたり、過去問演習に取り組んだり、より具体的で本番に近い学習を進めていく。
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
低学年(小学1~2年生)のスケジュール
低学年の間は、中学受験の準備期間として、生徒様の学力のベース作りを行う時期となります。
毎日決まった時間に勉強する習慣をつけたり、幅広い分野の本を読んで語彙力や読解力を養うことを行います。
また読み・書き・計算をバランスよく定着させるために、算数の基礎的なドリルや、国語の漢字・文法の習得をしっかり行います。
塾のカリキュラムなどでは、国語(読み・書き・漢字)の定着の徹底、算数は四則混合の計算を確実にすることが目標にされていることが多いです。
中学年(小学3~4年生)のスケジュール
中学年の間も、低学年の際と同じく学力の基礎固めと生活習慣の確立を行う時期になります。
またこの時期から、中学受験塾に通い始めるのが一般的です。
やるべきことは低学年の頃と変わりませんが、塾に通い始めることも相まって、学習すべき内容がより具体的になり、ボリュームも増えます。
例えば国語では、小学4年生までの漢字を確実に覚え、書けるようにしておく必要があります。
また算数では、中学年の間に四則演算を確実なものにします。小数・分数の計算・掛け算や割り算、文章題についても正確に解けるようにします。
また、理科・社会の勉強も始まります。
図鑑や地図帳を活用し、自分で調べる力を身につける必要があります。
高学年(小学5~6年生)のスケジュール
小学5・6年生は、いよいよ中学受験の仕上げの時期になります。
模試に挑戦したり過去問の対策に入り、問題を解く時間配分を覚えたり、間違えた問題・苦手な単元でも点数を取れるように仕上げていきます。
最終的な中学受験までの日程から逆算して、より綿密な学習計画を立て、計画を遂行していくことが重要になってきます。
各学年で身に着けておくべきポイント
低学年(小学1~3年生)のうちに身に着けておくべきポイント
(1)学習習慣の定着
毎日決まった時間に勉強する習慣をつけることが大切です。
毎日、家庭学習の時間を確保し、宿題や予習・復習をしっかり行いましょう。
(2)読書習慣の定着
まず低学年に身に着けたいことは国語の読解力です。
そのため、普段から読書する習慣を身に着けるようにしましょう。
興味のある分野からたくさん本に触れるようにし、幅広い分野の本を読むことで、語彙力や読解力を養いましょう。
図書館を利用するなどで、親子で読書の時間を持つことがおすすめです。
また気になったことは辞書などを使ってすぐに調べてみると良いです。
(3)基礎学力の向上
読み・書き・計算をバランスよく定着させるために、算数の基礎的なドリルや、国語の漢字・文法の習得をしっかり行いましょう。
また子どもの自主性を高められるよう、子どもが興味を持てるものをたくさん増やし、学ぶ楽しさを一緒に経験しましょう。
科学館や博物館へ行ったり、自然観察をしたり、様々な経験を通じて子どもの好奇心を刺激することが大切です。
この時期は、出来ないことに目を向けるより、出来たことを思い切り褒めることがおすすめです。
また早寝早起きやバランスの良い食事、適度な運動を習慣化することで、健康な身体と心を育てます。
【保護者様にできるサポート】
この時期は、基礎的な学力の定着・学習習慣の定着が課題となります。
学校で学んできたことを復習するのは大事ですし、宿題も大事ですが、家に帰ってきてからも学校のように学習してしまうと苦手意識が芽生え、勉強は嫌なもの、つらいものと感じてしまう場合もあります。
それは後々も引きずってしまう感情になりますので、この時期は一緒に学ぶ楽しさを感じてみましょう。
また低学年のうちは気を付けていても風邪をひきやすく、いろいろな感染症などにかかりやすいので、栄養バランスのよい食事をとることを意識し、免疫力をつけると良いです。
中学年(小学4年生)のうちに身に着けておくべきポイント
(1)国語
さまざまなジャンルの本を読み、読解力や語彙力を養いましょう。
特に、小学4年生までの漢字を確実に覚え、書けるようにしておきましょう。
併せて、簡単な作文や日記を書く習慣をつけ、表現力を高めましょう。
(2)算数
中学年になると、算数では四則計算を終え、発展的な問題も多くなってきます。
四則混合の計算を確実にすること、更にはスピードをあげることが課題となります。
問題数が増えても時間内に解けるよう時間管理も始めましょう。
早いうちから解法スピードの感覚を掴むことは、後々過去問に取り掛かる時にとても役に立ちます。
また文章題に取り組み、問題を読み解く解法力を鍛えましょう。
パズルや論理的思考の訓練も効果的です。
(3)理科・社会
身の回りの自然や社会現象に興味を持たせ、観察力を養います。
図鑑や地図帳を活用し、自分で調べる力を身につけましょう。
【保護者様にできるサポート】
中学年になると、自主的に学習を進められるように、学習環境を整えることが大事です。
家だけでなく図書館など、他に学習ができる空間をもつのも良いでしょう。
またこの時期は、心の成長も著しいので、友達との関係や人との付き合いでの悩みも増える時期です。
受験期に友達とのトラブルで学習が疎かになってしまうという話もよく耳にします。
ストレスをうまく発散できるよう、好きなことに取り組む時間をうまくとってあげましょう。
少しずつ大人になるので、低学年の頃のように、学校であったことを詳しくは話してくれなくなるかもしれませんが、いつでも相談に乗れるように見守りましょう。
高学年(小学5~6年生)のうちに身に着けておくべきポイント
高学年になると、本格的な中学受験対策が必要になってきます。
より実践的な内容で学習を進めていきましょう。
(1)時間内に解く力をつける
低学年・中学年で培った基礎学力を使って、応用問題に取り組む力をしっかりとつけていきましょう。
間違えた問題の解きなおしももちろん大切ですが、
初めて見た問題に対して、かかりそうな時間をイメージし、 実際に解くのにかかった時間の差を把握し、出来るだけ正確に時間間隔を掴めるようにしていきましょう。
比較的得意な教科は解法時間もイメージしやすいですが、苦手な教科ですと、実際思っていた以上に時間がかかってしまうことも少なくありません。
この自分のイメージとの相違がある部分を少しずつ埋めていくことが大切です。
(2)決めたスケジュールを確実にこなす力をつける
高学年では、最終的な中学受験合格までの間に中間目標を設定し、モチベーションを保つようにしましょう。
予定していた目標がその日にこなせなかった場合、出来なかった課題は先延ばしにせず、その日のうちにスケジュールを組みなおし修正しましょう。
先延ばしする習慣をつけると、やらなくても後で修正がきくという悪い習慣がうまれやすくなります。
予定はできるだけ余白を残しながら立てることが最善ですが、それは先延ばしにした部分をフォローするのではなく、急遽出てきた躓きにも対応できるための余白です。
スケジュールをこなせなかった場合、必ず理由がありますので、その原因を繰り返さないように対処をきちんと出来るようにスケジュール管理をしていきましょう。
【保護者様にできるサポート】
本格的な受験モードに突入するので、周りの受験生の雰囲気、模試での結果に一喜一憂することもあるかと思います。
この時期には、受験を乗り切れる体力が重要となります。
免疫力のつく食事で風邪などひかないようサポートしましょう。
プレッシャーがかかっていると、自分の身体が疲れていても気づきにくくなります。
なかなか身体の不調のサインにも気付きにくくなるので、定期的に身体のメンテナンスをしてください。
ストレッチをし、身体を動かすのもリフレッシュになります。
ストレス解消は、食べたり飲んだり取り入れるよりも、出すほうが効果的と言われるので、スポーツなどで汗を流したり、映画を見たり、カラオケなどで思い切り歌を歌うことなども良いでしょう。
家族との時間を楽しみながら、目標をひとつひとつクリアしていきましょう。
中学受験を始めるにあたっての心構え
中学受験を考え、実際にスタートすると、日頃の生活やかかってくる費用も変わってきます。
どのタイミングから始めるのか、どのくらい費用をかけられるのか、中学受験のその先をイメージし、合格までの具体的なスケジュールを立てることが、受験合格の一歩となります。
中学受験のメリット
昨年2023年には首都圏で過去最高の受験者数を記録したとおり、現在、中学受験を希望する生徒様は増えております。
これは首都圏に限らない傾向で、地方でも中高一貫校が増えており、令和4年5月には国公私立合わせて、673校が設置されています。
(1)大学入試への対応
中高一貫校に入学することのメリットは、中学校から高校までの6年間をかけて、大学入試に向けた学習を進められる点です。
今後の大学入試では、今までより更に総合的な知識が求められることになります。
大学入試に対応できる力を身に着けさせるためのカリキュラムが、中高一貫校には多くあることがメリットになります。
(2)勉強への姿勢を高く持つ友人に囲まれながら過ごすことができる
中高6年間は、思春期と重なり、子どもの人格の形成に大きく影響を与える時期だと言えます。
その時期を、自分と同じように中学受験を乗り越え、高い志をもった友人たちと生活することができる点がメリットだと言えます。
中学受験を始めるにあたっての注意点
(1)生徒様・保護者様の気持ちを揃える
生徒様・保護者様どちらか一方の想いにならないよう、「同じ目標に向かって一緒に頑張っていく」という関係性を作るようにしましょう。
中学受験を始めるきっかけは「勉強が好き」であれ、「良い大学に進みたい」であれ、「希望する職業に就きたい」であれ良いと思いますが、いずれにしろ「なんとなく受験してみよう」ではなかなか合格は勝ち取れません。
最後まで全力で走り抜けられるようにするためにも、「中学受験の先にどんな未来を見据えたいのか」について親子でしっかりすり合わせておくようにしましょう。
(2)スケジュールをしっかり組む
中学受験の対策をどのタイミングで始めるかによって、中学受験にかけられる時間が限られてきます。
そのため中学受験を始めようと決めた際には、受験までの日数を逆算して、これからできることを着実にこなしていけるよう、無理のないスケジュールを立てるようにしましょう。
(3)健康管理・メンタルケアを怠らない
中学受験に向けて、生徒様・保護者様どちらも健康管理を心掛け、万全な体調で勉強に集中できるようにしてください。
受験期は想像以上にメンタルが不安定になることもありますので、生徒様、保護者様それぞれがリラックス、リフレッシュできる発散方法を見つけておくことも必要です。
(4)抱え込みすぎないよう、相談できる先・頼れる先を作っておく
中学受験のために家庭教師や塾を利用し、受験のノウハウを知り尽くしているプロに頼ることは、生徒様の不安や保護者様の負担を軽減するためにも効果的です。
しかし、その分費用もかかるものですので、通常の指導料・長期休みの講習費など、どのくらいかかるのか見積り、無理のない範囲で検討してみてください。
まとめ
中学受験は生徒様の今後の将来を左右する、大切なきっかけとなります。
成功するためには、より具体的な計画と効率的な学習を進めることが大切です。
特に保護者様としては、生徒様の健康管理・メンタルケアを丁寧に行うようにしましょう。
中学受験は、時間も費用もかかるものですので、具体的なスケジュールを組み、生徒様と一緒に将来のイメージを膨らませながら、出来ることをしっかりと進め、合格を勝ち取りましょう。
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