2021年度 大学入学共通テスト
科目別入試傾向と対策ポイント
英語リーディング英語リスニング国語数学1A数学2B理科地歴倫理・政治経済
英語リーディングの傾向・対策
【傾向】「文章の要点を把握する力が重要」
英語リーディングでは、文章の要点を把握する力、必要とする情報を読み取る力が求められます。文法や発音、アクセントといった単独出題がなくなる一方で、英検3級~準2級レベルの文章で、長文が出題される傾向が強いです。
ただ問題文に書かれている内容を読み取る問題や、重要箇所を探す問題ではなく、何について書かれているのか、どういう情報が重要なのかを読み取る能力が大きく求められます。
従来のセンター試験で行われていた英語とは少し違った形式の出題となります。
【対策】「語彙力を上げることを第一に取り組む」
早く正確に問題文を読む力を養うためには、単語や熟語の語彙力を上げることが大切です。学校で使用している問題集などを用いて、基本的な文法や語法については完璧にしておくようにしましょう。
語彙力を上げながら、1文1文の英文を正確に読むことができるように多くの演習問題に取り組むことも必要です。各文を1度読むだけで文法構造を把握し意味を理解できれば、読解時間は大幅に短縮されます。
パラグラフリーディング等のテクニックを用いてさらに読解スピードを上げる訓練は、精読力を高めた後に行うとよいでしょう。
選択問題では、言い換えられているものが多いので、言い換えられた文章の中から正しいものを選択する練習も演習問題で行っておきましょう。
英語リスニングの傾向・対策
【傾向】「学生生活や日常生活がベース」
読み上げられる音声の回数は1回です。センター試験と比べると問題数が少し増えることになりますが、聞く量自体は大きく変わることはありません。問題数が少し増えるために、短めの文章で内容の違うものが次々と出る可能性が高いです。
教科書レベルの語彙力と表現が多く使われ、学生生活や日常生活がベースとなったものが出題されるので難易度は高くはありません。英語を母語としていない音声も登場すると言われているのも大きな特徴です。
【対策】「英語の音(オン)を身近にする」
大学入学共通テストの英語リスニングの模擬試験の受験など、より実践的な問題や形式に多く取り組み慣れるのが一番重要です。教科書レベルの語彙力があれば対応できると言われているリスニングなので、基本的な単語や熟語などは覚えて完璧にしておきましょう。
また、英語の音(オン)に慣れるために、何度も繰り返して音声を聞く習慣を身につけることも大切です。英語特有の変化する音や消える音にも対応できるように発音と英文をあわせて覚えるようにしましょう。
国語の傾向・対策
【傾向】「国語の基礎力と読解力が問われる」
大問は2題となり、記述式はなくすべてマーク式の解答形式です。従来のセンター試験と大きく違いはないと言われています。
現代文では、論理的な文章や文学的な文章、実用的な文章が題材となります。古文では、複数の古文を関連付けて読ませる問題が出題され、単語、文法など古文の基礎知識が出題されます。漢文も古文同様に複数の問題文が用意されますが、漢文も基本的なことが問われるので読解力が必要です。
【対策】「基礎力をつけることと、過去問に取り組む」
国語の対策として重要なのは、現代文、古文、漢文ともに基礎的な部分をしっかり習得し、読解力をつけるようにしましょう。多くある問題文の中から、必要な情報を読み取り、事実と意見を明確にできるように多くの問題集に取り組むと良いです。
従来のセンター試験の過去問を繰り返し解いておくと万全な対策ができるようになります。
数学1Aの傾向・対策
【傾向】「数学的思考が求められる」
解答形式は、記述式ではなくマーク式です。問題数は多くはないものの、解決の見通しのたて方や考察結果の活用など、数学的な思考過程を重視する問題が出題されます。
日常の事象を題材とした問題が出題される以外にも、ICT(情報通信技術)を活用する問題が出題されます。計算量自体は全体的に減少するものの、計算力や処理力は旧センター試験と同等のものが求められます。
【対策】「数学的思考力と基礎を徹底する」
解答にあたっては標準的な知識と理解力、計算力、数学的思考力が求められますが、まずは基本となる数学の学習を徹底することが大切です。
解法や公式を丸暗記するのではなく、正しく深く理解するためにも多くの演習問題に取り組むようにしましょう。共通テスト型の模擬試験を積極的に活用しながら、様々な出題形式に慣れることも大切です。
数学2Bの傾向・対策
【傾向】「考える時間を考慮した試験」
数学的問題過程を重視することと、解決の見通しを建てること、考察結果の活用など、ただ出題された問題を解くという出題ではありません。考える時間を考慮した試験という少し変わった出題傾向となっています。
問題文の中には、なぜそのような計算が必要なのかということが丁寧に説明されており、それをもとに解答していくことになります。計算量自体は減少するものの、問題文の意味を理解し、数学的思考で問題を解いていく能力が必要です。
【対策】「長めの文章から読み解く訓練をする」
数学2Bの基礎を固めるために教科書と問題集を徹底的に行うようにしましょう。必要な公式や計算方法などを習得したうえで、数学的思考力を活かすことができるような演習問題に取り組むことが大切です。
問題文は国語力を問われるような長めの文章となっているので、文章を読み何が求められるのかを読み解く訓練もしましょう。模擬試験などを積極的に活用し、解答・解説からさらに別の解答を検討して考察力を養うのもおすすめです。
理科の傾向・対策
【傾向】「日常生活に役立つ理科が出題」
物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎など基本的なことや、公式・概念などが問われる問題です。
日常生活の中で、必要となる各分野の理科についての出題や、どんな理科の知識や実験が日常生活の役に立つのかという視点で出題されます。そのため、基本的な知識だけではなく、各分野の実験や観察などの経過や結果なども求められます。
【対策】「教科書の基本と応用を徹底する」
理科の各分野の教科書に記載されている重要事項を正確に理解しておくようにしましょう。重要事項は、用語だけではなく、公式やその事柄に関する概念も習得し、資料の読み取りや実験結果をグラフに表す時の表し方などの練習を行っておくことも必要です。
日常生活や社会と関連した内容は、普段の生活と結びつくように考える習慣をつけておくようにしましょう。大学入学共通テストの模擬試験から、出題形式や問題傾向を知ることも大切です。
地歴の傾向・対策
【傾向】「基礎問題から発展した問題が出題」
地歴の出題傾向は、問題で提示された地図や資料、図版からの情報から世界史は出題されます。
日本史は、基本的な問題と、出来事に対する因果関係など、時代の流れや背景を正しく理解しているかが問われます。地理では、基本的な部分以外に、統計図表や分布図の読み取り問題が多いです。世界史・日本史・地理ともに、教科書で学ぶ基本的なことを中心に、それぞれの分野で発展した問題が出題されます。
【対策】「基本的な理解と歴史の流れを理解する」
世界史と日本史の入試対策は、教科書に書かれている基本的なことを理解し、時代の流れや歴史的背景、登場人物、起きた出来事の名称など、時代をイメージしながら理解していくようにしましょう。理解した上で、演習問題や過去問を解いて知識として不足している部分を補う勉強を行うことが大切です。
地理は、基本的な部分を中心に図表の読み取りができるようにセンター試験の過去問や試行調査問題に取り組み対策するようにしましょう。
倫理・政治経済の傾向・対策
【傾向】「全範囲から満遍なく出題」
倫理分野と政治経済分野の全範囲から偏らずにバランス良く出題されることになります。
倫理分野では、倫理の5つの領域から満遍なく出題され、政治経済分野でも、政治と経済がほぼ同じ比率で出題されます。どの分野も教科書で扱われている基本事項に関することが出題され、引っ掛け問題はどちらの分野でも出題されることとなりますが、難易度は高くはありません。
時間配分を間違わないように取り組むことが求められます。
【対策】「基本を教科書で徹底学習する」
出題傾向から、倫理・政治経済共に、教科書にある基本的なことを丁寧にしっかり理解しておくようにしましょう。演習問題やセンター試験の過去問を解き、理解できていない部分があれば、また教科書で学習するという学習を繰り返し行っていくことで、基礎的な知識を身につけることができます。
基礎知識を習得したら、その知識を基本に、正しいものを選択するようなひっかけ問題に引っかからないように、模擬試験で対策するようにしましょう。
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久島先生(東京大学在籍)
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