1. 内部進学の概要

付属高校の内部進学というと、付属の大学や系列の大学に進学しやすいというイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、内部進学するには一定の基準を満たす必要があり、中には内部進学ができない生徒様もいます。
ここでは、内部進学の仕組みや基準、内部進学率について詳しく解説します。

 

・そもそも内部進学とは

付属高校における内部進学は、一般受験をせずに付属の大学や系列の大学へ進学することをいいます。
内部進学には、受験の負担が少ないこと、進学に必要な学力を身につけられること、大学進学後の人間関係の再構築が不要であることなど、多くのメリットがあります。
ただし、付属高校の内部進学は成績や出席日数などの基準が定められており、基準を満たせなければ内部進学ができない場合もあります。そのため、必ず全員が付属の大学や系列の大学へ進学できるわけではないことは理解しておきましょう。

 

・付属大学への内部進学の可否はどのような基準で決められているのか

付属大学への内部進学は、主に次のような3パターンの基準があります。

・定期テストを中心とした高校3年間の学業成績

・内部推薦入試の実施

・学業成績と内部推薦入試の併用

特に学業成績は最も重要視されており、定期テストの結果や赤点の有無などの基準は必ずといっていいほど確認されます。
内部推薦入試を実施している学校もあり、試験で好成績を出すことができれば志望する学部に進学することができますが、あまり良い結果を出せなかった場合、学業成績と合わせて評価される場合もあるため、付属大学への内部進学の可否は学業成績が大きく影響することがわかります。

 

・付属大学への内部進学ができない生徒の数はどれくらいいるのか

付属高校の内部進学率は、学校の特色によって大きく異なりますが、一般的には高い傾向にあります。実際の付属高校の内部進学率は次のとおりです。

・慶應義塾高等学校から慶應義塾大学への2023年の内部進学率:97.9%

・明治大学付属明治高等学校から明治大学への2023年度の内部進学率:85.7%

・青山学院高等部から青山学院大学への2023年度の内部進学率:86%

このように、それぞれの付属高校が高い内部進学率を誇っていますが、特に注意しなければならないのが、どの学校も内部進学率が100%ではないという点です。成績や内部推薦入試の結果を踏まえ、志望学部の定員数など様々な要因が影響し、一定の基準を満たさない場合、内部進学ができない可能性もあるのです。

 

2. 付属大学への内部進学ができなかった場合の、その後の選択肢と実際の進路の割合

残念ながら付属大学へ内部進学ができなかった場合、すぐにその後の進路について考えなくてはなりません。内部進学できなかった場合の進路として、主に次の3つの選択肢があります。

・一般入試を受験する

・他の大学を受験する

・浪人する

ここでは、それぞれの選択肢について詳しく説明します。

 

・一般入試を受験する

内部進学はできなかったけれど、付属大学で学びたいと考えている場合、外部の受験生と同様に一般入試を受験するという選択肢があります。ただし、一般入試は内部推薦入試の内容より難易度が高い場合がほとんどです。
内部推薦入試を受験して内部進学ができなかった生徒様が、一般入試で進学するには相当な努力が必要となり、受験対策をする時間も限られているため、かなり厳しい選択肢といえるでしょう。

 

・他の大学を受験する

内部進学ができなかった場合に特に多いのが、他の大学を受験する選択肢です。
外部の受験生と同じ条件で受験する点や、受験対策に十分な時間が取れない点は付属大学の一般入試と同じですが、生徒様の学力に合った大学を選ぶことができるため、大学進学は比較的しやすいのが特徴です。
高校3年生になってから内部進学の可否が決まる学校がほとんどのため、定期テストなどの成績から内部進学ができない可能性が高いと感じた場合は、出来る限り早めに別の進路を考え、受験対策に取り組みましょう。

 

・浪人する

内部進学ができなかった場合、もう一度勉強をし直して大学受験をするために浪人するという選択肢もあります。
現役生よりも多くの時間を受験対策に費やすことができるのが浪人の大きなメリットですが、その一方で、塾や予備校に通うための費用などの経済的負担や、また大学に落ちたらどうしよう…というプレッシャーや不安といった精神的負担も伴います。
また、浪人したからといって必ず志望校に合格できるわけではないため、浪人を繰り返す恐れもあります。このようなことが起こらないためにも、浪人するかしないかは慎重な判断が必要です。

 

3. 付属大学への内部進学ができないことで、生徒様にどのようなデメリットがあるのか

内部進学ができない場合、特に気になるのが、「生徒様にどのような影響があるのか」という点です。ここでは、付属大学への内部進学ができなかった生徒様にどのようなデメリットがあるかについて解説します。

 

・内申点で不利になる

付属高校で内部進学ができない主な理由として、成績不振や出席日数の不足があります。一般的な高校でも、成績不振や出席日数の不足は、単位を落としたり留年する原因となることを考えると、内部進学できないのは当然の結果です。
つまり、内部進学ができないということは、大学進学に必要な基準を満たせていない状態であり、内申点も低いということになります。大学受験には様々な受験方法がありますが、内申点が判断基準となる推薦入試では、受験資格を得られない、または受験はできても合格できる可能性がかなり低くなることが考えられますので、一般入試で受験する生徒様がほとんどでしょう。
このように、内部進学ができないということは、進路の選択肢も狭くなってしまうのです。

 

・塾や予備校に通わなければならない

内部進学ができなかった場合、別の大学を受験したり、浪人して受験勉強をやり直すなど、勉強をするという選択肢を選ぶ生徒様がほとんどです。しかし、多くの付属高校は内部進学を前提としており、大学受験対策に強い先生が少ないため、受験対策に対するサポートはあまり期待できないでしょう。
そうなると、受験のプロである学習塾や予備校に通って受験対策をする必要があります。
学習塾や予備校に通うと、塾代が必要になったり、通う時間を作るために予定を調整したりと、内部進学ができていれば必要のなかったお金や時間を費やすことになるため、大きなデメリットといえるでしょう。

 

4. 付属大学への内部進学ができないことに対しての、気持ちの整理のつけ方

内部進学ができないことが決まり、「せっかく付属高校に入学したのに、大学への内部進学ができないなんて…」と落ち込む生徒様・保護者様もいるでしょう。すぐに気持ちを切り替えて、他の進路を考えるのがベストですが、なかなか気持ちの整理がうまくできないという方もいるかもしれません。
ここでは、付属大学への内部進学ができないことに対しての気持ちの整理のつけ方について紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

・内部進学ができなくても、大学受験をすれば大丈夫!

付属高校は、大学受験をすることなく、または一般入試よりは難易度の低い内部推薦入試を受けることで、付属大学へ進学できるのが最大のメリットです。
しかし、もし内部進学ができなかったとしても、大学進学を諦めなければならないというわけではありません。一般的な高校に通っている生徒様と同じように大学受験をすれば、大学へ進学することができます。
大学への進学は受験で進学するのが最も一般的な方法で、試験の日程や種類も豊富なので、生徒様に合った受験方法で受験できることがわかれば、生徒様・保護者様の気持ちも落ち着くかもしれません。

 

・自分に合った大学・学部を選ぶことができる!

内部進学できなかった場合のその後の進路として多いのが、他の大学への受験です。受験する大学を選定しているうちに、内部進学する予定だった付属大学よりも、生徒様の希望に合った大学・学部が見つかるかもしれません。
そうすると、生徒様も大学受験に前向きな気持ちになり、意欲的に受験勉強に取り組むことができるでしょう。

 

5. 付属大学への内部進学できないことが決まってしまった場合、何をするべきか

付属大学へ内部進学できないことが決まってしまった場合、その後どのような対応をしたら良いかわからないという生徒様・保護者様もいるかもしれません。
ここでは付属大学へ内部進学できないことが決まってしまった場合、生徒様が行うべきこと、保護者様ができる対応について説明します。

 

・生徒様が行うべきこと

内部進学ができないことが決まってしまった場合、今後の進路をどうするかを早急に考える必要があります。大学進学をしたいと考えている場合は別の大学を受験するのが一般的ですが、内部進学の可否が決定するのは3年生になってからの場合がほとんどのため、内部進学できるかがわかる時には受験まであまり時間に余裕がないことが考えられます。
そのため、もし早い段階で内部進学が難しそうだと感じた場合は、すぐに次の進路へ切り替えられるように、志望校の選択や受験対策の準備をしておきましょう。

 

・保護者様ができる対応

保護者様ができる対応として、まずは生徒様が付属大学へ内部進学ができないとわかった後の進路について、今後どのようにしたいのかを生徒様と話し合いましょう。生徒様が希望する進路が難しいものであっても否定せず、全て聞いたうえでできる限りのサポートをしてあげてください。

保護者様ができるサポートの主な具体例として

・高校受験に関する塾などの費用の負担

・スケジュール管理

・メンタルケアやモチベーションの維持

・健康管理

などがあります。

 

6. そもそも付属大学への内部進学ができるようにするためにはどう勉強するべきか

付属大学への内部進学は、3年間の学業成績や内部推薦入試が一定の基準を満たすことで進学が認められます。そのため、日々の勉強が付属大学への内部進学には特に重要だということがわかります。
では、そもそも付属大学への内部進学ができるようにするためには、どのように勉強すれば良いのでしょうか。 ここでは、内部進学ができるようになる勉強法について紹介するので、ぜひ実践してみてください。

 

・生徒様が行うべきこと

付属高校での内部進学対策は、学年ごとに段階を経て対策をしていくことをおすすめします。

具体的には次のとおりです。

1年生:基礎知識の習得と苦手科目の克服

2年生:進路に関する情報収集と学力の向上

3年生:内部進学試験や推薦入試に向けた本格的な対策

まず、1年生で各教科の基礎知識を身に付けます。また、定期テストや実力テストに向けて苦手科目を克服しながら、学習習慣を定着させます。
2年生では、定期テストのほかに模試も受験して、自分の学力を客観的に把握します。苦手科目の克服・得意科目の向上は継続し、合わせて進路選択の際に有利になるような資格取得にも取り組みます。
そして3年生では、志望する大学・学部を明確にして内部進学推薦や推薦入試の対策を本格的に始めます。過去問題の演習・小論文・面接対策など、実戦的な準備をしていきましょう。

 

・保護者様ができる対応

保護者様が生徒様の勉強においてできることは、生徒様を見守ることです。
生徒様が付属大学へ内部進学ができないとなると、せっかく付属高校に入学したのに…と残念に思う気持ちから、つい「なぜ勉強をしなかったのか」「早く勉強しなさい」などの叱咤激励をしてしまいがちですが、生徒様の意欲を低下させてしまう可能性があるため避けるようにしましょう。
また、内部進学が無理だったとしても、大学へ進学する方法はたくさんあります。保護者様はまず生徒様が自分自身で問題を解決する様子を見守ってみてください。保護者様が信頼して見守ることで、生徒様の意欲が出てくるかもしれません。

 

7. 最後に

今回は、付属高校の内部進学の基準や内部進学ができなかった場合の進路の選択肢、対処方法などについて解説しました。
付属高校の内部進学は、受験をせずに進学できる仕組みですが、一定の基準を満たさなければ付属大学への内部進学を認められないため、全員が必ず進学できるわけではありません。
また、内部進学ができなかった場合の主な選択肢として、一般入試で受験する、別の大学を受験する、浪人するの3つの選択肢があります。付属大学への内部進学ができなかった生徒様は、特に別の大学を受験する方が多く、内部進学以外にも大学に進学できる方法はあるので諦めずに受験に挑んでみましょう。

 

 

 

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高校生の指導ができる家庭教師

東大家庭教師友の会 | 近江先生

近江先生

  • 女性
  • 早稲田大学 法学部
  • 大泉高等学校
  • 中学受験経験あり

自己紹介

私の長所は、計画性があることです。私は中学1年生から高校3年生まで、一貫して学級委員を務めていました。私の学校には毎学期末、学級委員主催のレクリエーションがありました。そのため、学期末は週に何度も放課後教室に残り、計画を立てていきました。実際に、当日の流れは分刻みで決めていき、綿密に行っていました。6年間の最初のうちは、もちろん、失敗することもありましたが、数をこなすに連れ成功することが多くなり、高校3年生1学期末の最後のレクでは計画は予定通りに進み、企画も上手くいき、過去1番の盛り上がりとなりました。私はこれらの経験から、無理のない現実的な計画を立てる力を手に入れることができ、実際に受験期には3ヶ月先まで見越して、週に何をこなしていくべきかを予定立てて取り組んでいました。私が指導することになった生徒様には、この経験を活かして目標立てを行いつつ余裕を持たせた、具体的な計画を立てていきたいと思っています。

当会からの紹介

明るくエネルギッシュな雰囲気の教師です。生徒様を指導する際も、生徒様が楽しく勉強できるようコミュニケーションを密に取りつつ、しっかりと学習計画を立て、計画的に指導を進められるよう努めます。

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