1.単位制高校とは
単位制高校とは、その名のとおり「単位制」を導入している高校のことをいいます。 単位制を導入している高校の代表例として通信制高校が挙げられますが、近年では一部の全日制高校や定時制高校でも単位制を導入しています。 ここでは、単位制高校がどのような学校なのかについて、詳しく解説します。
①そもそも単位制高校とは
単位制高校は、学校教育法で決められている「単位を修得すれば卒業が認められる高等学校」のことです。
学校教育法では、高校の卒業資格条件として「3年間の在籍」と「必須科目を含む74単位以上を取得すること」が定められています。
単位制高校では科目ごとに単位が設定されており、そのうちの必要単位数(74単位)を取得することで、卒業資格取得条件を一つクリアすることができます。
②高校における「単位」とは
単位制高校など、高校における「単位」がどのようなものなのかわからないという方もいるかもしれません。
単位とは、「科目ごとの学習量」のことをいいます。それぞれの科目について卒業に必要な単位数が定められており、基準を満たすことで高校を卒業できます。
一般的に、高校では50分の授業を1年間に35回受けると「1単位」と定められています。 卒業に必要な単位数は学校によって異なりますが、学校教育法により最低74単位以上は必要となります。
③単位制高校の種類とそれぞれの違い
単位制高校には、「全日制単位制高校」「定時制単位制高校」「通信制単位制高校」の3種類の学校があります。
全日制単位制高校は、全日制課程の午前中から夕方まで授業を受ける形はそのままに、生徒様の興味関心に合わせて履修科目を選択できます。つまり、今後の進路に向けて自分で時間割を作ることができるのが特徴です。
定時制単位制高校は、全日制高校の授業が終わる夕方から夜にかけて授業を受けるのが特徴です。1日4時間の授業のため、限られた時間の中で授業をこなし単位を取得します。
通信制単位制高校は、基本的に学校から送られてくる教材を自宅で学習するため、通学が不要なのが特徴です。全日制高校では定期テストの成績で単位取得が決まりますが、通信制高校では日々のレポートの提出が必要である点も大きな特徴といえるでしょう。
2.単位制高校では留年しない?
高校に通うにあたって、留年しない学校へ通いたいと考えている生徒様・保護者様もいるでしょう。 そのような場合、単位制高校への進学を選ぶと留年の心配がありません。
ここでは、なぜ単位制高校だと留年する心配がないのか、進級や単位の仕組みについて詳しく解説します。
単位制高校には留年の制度がない
高校には、「学年制」と「単位制」があります。
学年制の場合、学年ごとに取得単位数が決まっているため、単位が不足していると、進級することができないため留年となります。
一方、単位制は高校の在籍期間内に必要な単位数を取得すれば良いため、学年ごとの取得単位数が決まっておらず、そのまま進級できるため留年の制度が存在しません。 ただし、学校で定められた単位数を取得できていない場合、3年間で卒業することが出来ないため、計画的に単位を取得する必要があります。
3.単位制高校の増加率とその背景
単位制を導入する高校は年々増加しています。
ここでは、単位制高校の増加率と背景について、文部科学省の統計を元に解説します。
①全日制単位制高校
令和6年度の全日制単位制高校の学校数は766校です。
平成27年度から令和6年度までの10年間の全日制単位制高校の学校数を見てみると、学校数は年々増加傾向にあることがわかります。 特に令和元年度から増加率が急激に高くなり、令和3年度の全日制単位制高校の学校数は707校で、前年の655校から55校増加しました。
これは、文部科学省が生徒様の能力・適正・興味・関心・進路など、多様化に対応した特色ある学校づくりを推進したことによる影響が大きいと考えられます。 多様化を実現するために、時間割を自由に組める単位制を導入する全日制高校が年々増加しています。
②定時制単位制高校
令和6年度の定時制単位制高校の学校数は80校です。 平成27年度から令和6年度までの10年間の定時制単位制高校の学校数を見てみると、学校数は全体を通して80校前後を維持していますが、平成27年度は91校あった学校数が平成28年度で84校に減少しています。
高度経済成長を経て全日制高校への進学率が9割になったことに加え、近年は全日制高校でも単位制を導入され多様化が進んだことにより、定時制高校の入学希望者は減少し、閉校する学校も増加しています。
③通信制単位制高校
令和6年度の通信制単位制高校の学校数は299校です。 平成27年度から令和6年度までの10年間の通信制単位制高校の学校数を見てみると、学校数は年々増加傾向にあることがわかります。 特に令和2年度から増加率が急激に高くなり、令和3年度の通信制単位制高校の学校数は275校で、前年の254校から21校増加しました。
通信制単位制高校は、様々なコースや魅力的な授業を実施し、多様化する生徒様・保護者様のニーズに対応できる点や、いち早く導入していたオンライン授業がコロナ禍で注目され、新しい進路の選択肢として選ばれるようになったことから、年々学校数が増加しています。
4.単位制高校のメリット・デメリット
単位制高校は、単位を取得する順番が決まっていないため、生徒様が好きな科目から学習をすることが出来ます。 しかし自由度が高い分、高校生活を送るにあたってメリット・デメリットが存在します。
ここでは、単位制高校のメリット・デメリットについて詳しく解説するので、学校選びの参考にしてください。
①単位制高校のメリット
単位制高校は自由度が高いことを説明してきましたが、具体的にどのようなメリットがあるのかわからないという方もいるかもしれません。 単位制高校には、具体的に次のようなメリットがあります。
・ライフスタイルに合わせて時間割を組むことができる
・進路に合わせて教科を選択できる
・自分のペースで勉強できる
単位制高校は必要な単位数を取得すれば卒業できるため、生徒様のライフスタイルに合わせて自由に時間割を組むことができます。
また、大学への進学を考えている場合、文系科目・理系科目に絞って不要な科目は履修しないという選択が可能なため、効率的な学習ができます。
学年制高校では学年ごとに取得できる単位が決まっているため、授業がどんどん進んでしまいますが、単位制高校は理解できない科目は後でじっくり履修するということも可能なため、自分のペースで勉強できる点もメリットと言えるでしょう。
②単位制高校のデメリット
単位制高校には生徒様のライフスタイルやペースに合わせて自由に時間割を組めるメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
具体的なデメリットは次のとおりです。
・自己管理能力が必要
・クラスでの活動が少ない
・学びたい授業が開講されない場合がある
単位制高校は学習する内容や順番を自由に選択できますが、自己管理がしっかりできないと計画通りに必要な単位を取得できない可能性があります。自己管理に自信がない場合は、自宅からキャンパスや学習センターが近い高校を選び、定期的に進捗を確認すると良いでしょう。
単位制高校は学年制高校と異なり時間割が生徒様によって様々で、クラス単位での活動が少ないため人との関わりが薄く、団結力は弱くなってしまいます。 また、受講したい科目を選択できる一方で、受講希望者が少ない科目は開講されないことがあります。そのため、開講されない授業が進学などで必要な場合は、独学で勉強することになります。
以上を踏まえて、単位制高校への進学が生徒様にとって最適な進路であるか、しっかり考えてみましょう。
5.単位制高校でのおすすめ勉強法
ここまで単位制高校の特徴やメリット・デメリットについて解説しました。 単位制高校は自由度が高いため、どのように学習を進めたら良いかわからないという生徒様もいるでしょう。
ここでは、単位制高校に通う生徒様におすすめの勉強法について紹介します。
①目標を設定する
まずは「いつまでに」「何を」「どこまで」勉強するか目標を立てましょう。
3年で高校を卒業をするなどの大きな目標を立ててから、1年で⚪︎単位取得するなどの短期的で小さい目標を設定します。小さい目標の達成を積み重ねていくことで、最終的に大きな目標を達成することができます。
合わせて、レポート課題の締切や試験の日程、それまでに取り組まなければならない学習範囲など、学校で決められている目標についても設定しましょう。
②スケジュールを立てる
細かい目標まで立てることができたら、目標を達成するためのスケジュールを立てましょう。
目標の学習量を勉強できる日数・時間で割るのが基本ですが、他の予定が入ったり、進捗が遅れた場合のことを考えて、無理なく余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
③目標とスケジュールを定期的に見直す
設定した目標・スケジュールで学習を進める際に、スケジュールに無理がないか定期的に見直しましょう。
スケジュールをこなすのが厳しいと感じた場合は、スケジュールの立て方や目標設定を見直す必要があります。
生徒様が自分で目標やスケジュールを立てるのが難しい場合は、学校の先生に相談して、学習内容や勉強方法についてアドバイスをもらうと良いでしょう。
最後に
今回は単位制高校の仕組みやメリット・デメリットについて解説しました。
単位制高校は「単位を取得すれば卒業が認められる高校」のことで、コロナ禍にオンライン授業をいち早く導入したことで、新しい進路の選択肢の一つとして注目されています。 卒業までに必要な単位数を満たせば良いため、学年制高校のように留年という概念はありません。
また、生徒様の進路に合わせて自由に時間割を組むことができるメリットがある反面、自己管理がしっかりできなければ計画通りに単位を取得できないデメリットもあるため、生徒様に最適な進路であるかを考える必要があります。
勉強法にもコツがあり、目標の設定、スケジュールの設定、目標・スケジュールの見直しを繰り返すことで、計画通りに単位を取得することができるでしょう。
今回の内容を参考に、単位制高校への進学も検討してみてください。
中高生の指導ができる教師を紹介
東大家庭教師友の会が選ばれる理由
生徒様の憧れとなる教師のご紹介と、安心・充実のサポート体制で、生徒様の目標達成に貢献します。
中学受験対策、大学受験対策に選ばれる理由を動画で紹介
ご利用の流れ
STEP 1
STEP 2
STEP 3
STEP 4
あわせてチェック|留年の関連記事





