1. 【中学受験】漢字の出題範囲と出題パターン

中学受験で出題されている漢字の出題範囲と出題パターンを紹介します。

①漢字の出題範囲

中学受験の漢字は、小学校の学習指導要領の「学年別漢字配当表」から出題されます。

学年別漢字配当表
引用元:文部科学省HP

 

つまり、小学校で習う漢字すべてが出題範囲と言っていいでしょう。

 

場合によっては小学校の範囲外の漢字を出題する学校もあります。全く見たことない漢字が出題されることはないと思われるので、長文に出てきた漢字はしっかり押さえておきましょう。

②漢字の出題パターン

中学受験の国語では、漢字の出題形式には「長文からの出題」「単独での漢字大問」の2つのタイプがあります。特徴と対策を以下のようにまとめました。

 

(1)長文からの出題

特徴 読解文の中に出てくる語句をカタカナにして、その漢字を書かせる問題や、傍線部の読みを答えさせる問題
出題例 「カタカナで書かれた語を漢字で書きなさい」
「傍線部の言葉の読みを答えなさい」
求められる力

文章の文脈から意味を推測し、正しい漢字を導き出す力

対策

・読解練習で出題された重要語句を漢字で書く練習
・文章全体の流れを理解して、文脈から漢字を判断する練習

 

(2)単独での漢字大問

特徴 長文とは独立して「漢字の読み書き」だけを問う大問
出題例 「次の言葉を漢字で書きなさい」
「次の漢字の読みを答えなさい」
求められる力

幅広い語彙と正確な漢字知識

対策

・漢字ドリルでの定期的な書き練習
・過去問を見て、頻出の漢字や語句を重点的に復習

漢字の出題パターンを知ることで、勉強の方向性が明確になります。受験校の過去問をチェックして、どちらの形式が多いのかを把握しましょう。

2. 【中学受験】漢字の効果的な勉強法

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保護者様の中には、「漢字ってどのように勉強するものなの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

ここでは「効果的な漢字の勉強法」「効果が出にくい勉強法」を紹介します。

 

①効果的な漢字の勉強法

効果的に漢字の勉強ができるように、毎日意識してほしいことを4つ解説します。

(1)予習

予習では、漢字の正しい書き方を繰り返し練習して覚えましょう。書き方だけでなく、読み方や送り仮名、書き順、部首なども確認しておくと、漢字の意味を深く理解できます。

 

たとえば、よく使われる熟語を一緒に調べておくと、文章中で出てきたときにすぐ思い出せるようになります。ある程度身についたら、練習問題を解いて定着度を確かめてみましょう。予習の段階で基礎を固めておくことで、授業での理解がぐっと深まります。

(2)授業の受け方

授業では、先生の話をしっかり聞き、板書を丁寧に写すことが大切です。教科書には載っていない重要なポイントが授業中に多く説明されるため、集中して聞く姿勢が学習の質を高めます。

 

また、予習で分からなかった部分は先生に質問して疑問を解消し、授業中の小テストで間違えた箇所には印をつけておくと後で復習しやすくなります。授業内容を整理しながら受けることで、知識を確実に自分のものにしていけます。

(3)ノートの取り方

ノートを取るときは、正しい書き順や「とめ」「はね」「はらい」を意識して丁寧に書きましょう。正確な形で書くことで、きれいに見えるだけでなく、漢字の構造を理解しながら覚えることができます。

 

ノートの下に線を引いてメモ欄を作り、熟語や意味、ポイントなどを書き込んでおくのもおすすめです。後から見返したときに重要な部分が一目で分かり、復習の効率が高まります。

(4)宿題・復習

宿題や復習では、問題を多く解いて知識を定着させましょう。学んだ内容を実際に使うことで理解が深まり、記憶にも残りやすくなります。

 

ドリルや問題集を活用し、間違えた問題はノートや辞書で調べ直して原因を確認すると、弱点克服につながります。こうした復習を日常的に行うことで、知識が確実に積み重なり、テストにも自信をもって臨めるようになります。

 

②効果が出にくい漢字の勉強法

ここでは効果が出にくい漢字の勉強法を紹介します。

(1)ひたすらただ書く

ただ何も考えずに漢字をひたすら書く勉強法は、効果が出にくい方法です。書くこと自体は大切ですが、意味や読み方を意識しないまま書いても、記憶に定着しにくいからです。

 

たとえば、1回目に書くときは「読み方」を、2回目は「送り仮名」を、3回目は「熟語」を確認するなど、書くたびに意識を変えて練習すると効果的です。漢字は「量より質」。書く回数よりも、どれだけ理解しながら練習できるかが大切です。

(2)1回しか勉強しない

漢字を1回学習しただけで完璧に覚えることは難しいです。漢字は時間が経つと忘れやすく、最初の方に習ったものほど抜け落ちてしまうからです。

 

たとえば、1日に5個だけ丁寧に学ぶよりも、20個をテンポよく学んでドリルや問題集を3周以上繰り返す方が効果的です。復習を重ねてアウトプットする回数が増えるほど、漢字は確実に身につきます。

(3)雑に書く

雑に書くことも、漢字学習で避けたいポイントです。どんなに正しい漢字を書いても、字が乱れていると読みづらく、テストでは減点されることもあるからです。

 

とめ・はね・はらい、そして正しい書き順を意識しながら、丁寧に1文字ずつ書く練習を心がけましょう。スピードを意識するよりも、まずは正確さを優先することで、美しく正しい字を書く力が自然と身につきます。

 

 

 

3. 【中学受験】漢字が苦手な子どもへのサポート方法

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ここまで漢字の勉強法について解説してきましたが、「家庭でできるサポートを知りたい」と感じている保護者様も多いのではないでしょうか。

 

ここでは、家庭で実践できる効果的なサポート方法を3つの視点から紹介します。

①漢字に苦手意識を持つ生徒様への声かけと関わり方

(1)身近な漢字から興味を広げる

まずは、日常生活の中で漢字に触れる機会を増やしましょう。「勉強」としてではなく、身近なものから漢字に親しむことで、自然と興味を持つきっかけになります。

 

たとえば、看板や食品パッケージなどに書かれている漢字を一緒に探して、「これ何て読む?」「どんな意味だろう?」と話しかけてみてください。また、テレビのクイズ番組などで漢字問題に親子で挑戦するのもおすすめです。遊び感覚で楽しむことで、漢字への抵抗感がぐっと減っていきます。

(2)漢字辞典を一緒に使って調べる

国語辞典を使う機会はあっても、漢字辞典を親子で使うことは意外と少ないものです。しかし、漢字辞典には意味や成り立ち、部首など、漢字学習のヒントがたくさん載っています。

 

以下のように声かけをしてみましょう。

・「この漢字ってどうしてこう書くんだろうね?」
・「この漢字にはどんな意味があるんだろう?」

辞書を通して親子の会話が生まれることで、学びが対話型になり、理解がより深まります。

 

②漢字の丸付けのコツ|伸びる子が意識している3つのポイント

保護者様が漢字の丸付けをするときは、「正しく書けているか」だけでなく、細かい部分にも注目してみましょう。
以下の3つのポイントを意識することで、丸付けの時間が学びにつながります。

(1)正しく書けているかを確認する

模範解答と照らし合わせ、形や筆順に誤りがないかを丁寧にチェックします。思い込みで判断せず、見比べながら確認することが大切です。

(2)とめ・はね・はらいを意識する

受験では細部の書き方が評価されることもあります。正しく書けていたらしっかり褒め、間違えていたら「どこを直せばよいか」を優しく伝えましょう。

(3)意味や熟語まで理解できているかを聞く

丸付け後に「この漢字の意味は?」「どんな熟語がある?」と質問してみます。書くだけでなく、意味と使い方を関連づけて覚えることで理解が深まります。

4. 【中学受験】漢字の得点が上がった実例|苦手を克服した勉強法

実際に、私が担当した生徒の中にも漢字が苦手な子がいました。当初は小テストで10問中3問しか正解できず、本人も「漢字は嫌い」と口にしていました。

 

そこで保護者様と一緒に、毎日20個の漢字を漢字辞典で調べながら学習するようにしました。最初は渋々取り組んでいたものの、次第に「この漢字はどんな意味なんだろう?」と興味を持つようになり、自分から辞書を開くようになりました。

 

さらに、朝の時間を使って漢字ドリルを4周し、繰り返し復習を行った結果、最終的には小テストで全問正解を達成できました。このように、家庭での声かけや一緒に取り組む姿勢が、漢字への苦手意識を克服する大きな力になります。

 

5. 【中学受験】漢字が苦手・伸び悩みが生じてしまう4つの理由

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なぜ、生徒は漢字を苦手とし、思うように成績が伸びなくなってしまうのでしょうか。

ここでは、漢字が定着しにくい原因と、その背景にある特徴を解説します。

(1)漢字を「難しいもの」と思い込んでしまう

低学年のうちは画数の少ない漢字が中心ですが、高学年になると一気に複雑な漢字が増えます。そのため、「難しい」「覚えられない」という気持ちが先に立ち、苦手意識を持ってしまう生徒も少なくありません。

 

一度「漢字=苦手」と感じてしまうと、学習への意欲が下がり、覚える機会自体が減ってしまいます。まずは簡単な漢字から復習したり、「できた!」という達成感を積み重ねたりして、漢字へのハードルを下げることが大切です。

(2)漢字を書く習慣がない

最近では、スマートフォンやタブレットの普及により、日常で漢字を書く機会が減っています。その影響もあり、ノートやプリントで「漢字を書くのが面倒」と感じ、ひらがなで書いてしまう生徒も多いです。

 

しかし、実際に手を動かして書かない限り、漢字は定着しません。まずは「ひらがなで書いた言葉を漢字に直してみる」など、少しずつ書く習慣をつけていきましょう。

(3)本を読む機会が少ない

本には日常生活では出会えない多くの漢字が登場します。とくに高学年向けの本では、習っていない漢字にも自然と触れることができ、読むうちに漢字の形や意味を覚えられるという効果があります。

 

一方で、本を読まない生徒は、漢字に触れる機会が圧倒的に少なくなります。まずは短い物語や漫画など、興味の持てる読みやすい本からスタートし、少しずつ読書習慣を広げていきましょう。

(4)漢字の意味を理解していない

漢字を「形」だけで覚えていると、テストで思い出せなくなることがあります。単に書き写すだけでなく、「この漢字はどんな意味を持つのか」を理解しながら学習することが大切です。

 

たとえば、部首や成り立ちを知ると、漢字の意味がつながって覚えやすくなります。意味を理解して覚えた漢字は、文脈の中でも正しく使えるようになり、得点にも直結します。

6. 中学受験の漢字対策をしよう!

中学受験の漢字を勉強するうえで大切なことは、次の3つです。

①漢字を正しく・丁寧に書く
②漢字の意味を理解しながら覚える
③漢字練習を繰り返し・継続して学習する

漢字の学習は国語の成績だけでなく、理科や社会など他の教科の理解にもつながります。
日ごろから「調べる・書く・確認する」の流れを家庭で習慣づけ、自然とアウトプットできる環境を整えていきましょう。

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