1. 穎明館(えいめいかん)中学校の偏差値と基本情報
穎明館(えいめいかん)中学校の偏差値と基本情報について紹介します。
①穎明館中学校の偏差値
穎明館中学校の偏差値を、「四谷大塚ドットコム」と「首都圏模試センター」の最新データに基づいて、以下の表にまとめました。
入試日程 | 四谷大塚 (Aライン80偏差値) |
首都圏模試センター (合格率80%偏差値) |
2/1 (第1回・4科) |
男子 41 |
男子 56 |
2/1 |
— |
男子 54 |
2/1 午後 |
男子 45 女子 46 |
男子 62 |
2/2 |
男子 44 女子 45 |
男子 56 女子 56 |
2/2 午後 (第4回・4科総合) |
男子 45 女子 46 |
男子 58 女子 58 |
2/4 (第5回・4科総合) |
男子 44 女子 45 |
男子 56 女子 56 |
穎明館中学校の偏差値は入試日程ごとに異なるため、受験する日程に応じた偏差値を確認して、志望校選びや学習計画に役立ててください。
②穎明館中学校の基本情報
項目 | 内容 |
設立年 |
1987年 |
所在地 |
東京都八王子市館町2600 |
アクセス |
JR中央線・京王高尾線「高尾」駅南口より京王バス「館ヶ丘団地」行きで約15分 |
校種 | 私立男女共学(中高一貫校)※高校からの募集なし |
コース | 普通科 |
特徴的な教育 | ・Experience(経験)、Morality(道徳)、Knowledge(知識)を柱に、国際社会で活躍するリーダーの育成 ・進学指導の強化、放課後の学習支援、グローバル教育の推進、ICT教育の導入、探求学習の実施など、5つの改革プロジェクトを展開 ・英語授業を週7時間実施し、ネイティブ教員による指導や、カナダ・イギリス・オーストラリアへの海外研修を実施 ・中学1年生からタブレットを導入し、デジタル教科書やレポート作成などに活用 |
1987年設立の穎明館中学校。小テストで基準点に達しない場合には、補習・再テストが行われるなど、面倒見の良さに定評があります。その結果として、中学・高校で大きく伸びる生徒様も多く、東京大学などの大学実績に反映されています。伸び率は相当に良いものがあります。
2019年より更なる教育支援として、放課後学習支援を実施。中学1.2年生は放課後に個別ブースにて勉強を必修化。自学自習のために、学習計画を自身で作成し、学校で勉強を完結させるシステムとしました。追加料金無しで英会話講座を受けられる機会もあり、勉学に励む生徒様を支援しています。
2. 穎明館中学校の入試傾向
第1回・第3回の試験科目は、算数・国語・理科・社会の4科目です。
それぞれの配点と試験時間は以下の通りです。
・算数:100点(50分) |
第2回・第4回・第5回は、総合Ⅰ(国語・社会)、総合Ⅱ(算数・理科)の2科目です。
それぞれの配点と試験時間は以下の通りです。
・総合Ⅰ(国語・社会):100点(国語60点・社会40点)(50分) |
この総合Ⅰ・総合Ⅱという科目は、一般入試をコンパクトにした入試で、問題の傾向は一般入試とほぼ同じです。
但し、時間配分には気を付けて受験する必要があります。
入試問題は、算数は、数の問題・図形・速さと言った難関校で頻出の単元が中心で、本格的な問題です。思考力が問われる問題も出題されています。
国語は記述問題が数多く出題されており、やはりこちらも本格的な問題です。純粋に読解力・記述力が試される問題です。
理科は理解・計算がどちらも問われ、社会は知識問題が中心の出題です。
ここからは、教科別に詳しく解説します。
①算数
例年、大問5題の出題で、大問1番は計算問題、大問2番は小問集合、大問3番以降が単元別の問題となっています。
大問5番の問題で、解法を書く問題があります。採点官に式・やり方が伝わるように書く必要がありますので、よく練習をしてください。この傾向は回数によりません。
よく出題される単元は数の問題・図形・速さです。全体としては基本〜標準的な問題が中心です。
単元 |
出題傾向 |
数の問題 |
・大問5での出題が多く、解法の記述が求められることが多い |
図形 |
【平面図形】:相似、面積、図形の移動 |
速さ |
・旅人算や水量に関する問題が中心 |
②国語
例年、大問3題の出題で、大問1.2番が文章題、大問3番が漢字の出題となっています。この傾向は回数によりません。
文章題は物語文・説明文各々1題ずつの出題です。語彙・接続詞・表現技法・抜き出し・正誤選択・記述問題など、満遍なく出題されています。特徴的な問題は記述問題と表現技法の問題です。
記述問題 |
|
表現技法の問題 |
|
③理科
例年、大問4題の出題で、物理・化学・生物・地学がある程度満遍なく出題されています。回によっては大問1番が小問集合になることがあり、その場合は、分野に偏りが生じます。
全体としては基本〜標準的なものが多いですから、基礎固めをしてください。
出題分野 |
出題傾向 |
物理 |
・幅広い分野から出題 ・普段から「なぜそうなるのか」「なぜこの式になるのか」を考えながら学習する |
化学 |
・中和や気体の発生に関する計算問題が出題 ・知識問題や現象理解の問題もバランスよく出題 |
生物 |
・毎回写真を用いた問題が出題 ・2024年度第1回では、ヒマワリ・ユリ・ナズナの名前を答える問題が出題 |
地学 |
・考察問題が出題 ・2024年度は計算問題も出題 |
➃社会
例年、大問3題の出題で、地理・歴史の割合が大きく、公民の出題は少なめです。全体的に基本的な用語に関する設問が多く出題されています。一部、記述問題はありますが、字数が短いので、普段の学習の延長線上と考えて良いでしょう。この傾向は回数により変化ありません。
注意すべき点は、設問に細かい指示があります。漢字指定の問題や、間違っているものを選びなさい、指定語句を使用して記述しなさい、などの指示がよく行われています。
2024年度第1回でも、指示付きの設問が多く出題されていました。注意して解く練習をしておかないと、思わぬ失点をしてしまいます。
出題分野 |
出題傾向 |
地理 |
・地図に関する問題は毎回出題 ・地形図に関する問題も出題 ・地図帳を活用して学習を進める |
歴史 |
・知識問題が多く出題 ・写真や絵に関する問題が頻出 ・年号はしっかりと暗記する |
公民 |
・幅広い分野から基本的な知識が出題 ・時事問題も出題されるため、ここ1〜2年のニュースや話題を理解しておく |
⑤問題の形式等が似ている学校は?
全体的な傾向としては、帝京大学中学校と似ています。国語の問題は安田学園中学校が参考になるでしょう。
3.穎明館中学校の受験対策
算数・国語の問題が本格的ですので、この2科目の対策が中心になります。
これから理科・社会も含めた4科目についてお話していきます。
①時期別・教科別対策内容
(1)小学4年生
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(2)小学5年生
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(3)小学6年生(4月~6月)
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(4)小学6年生(7月~8月)
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(5)小学6年生(9月~11月)
算数 |
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国語 |
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理科 |
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社会 |
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(6)小学6年生(12月~1月)
算数 |
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国語 |
|
理科 |
|
社会 |
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②穎明館中学校の過去問対策方法
(1)過去問の効果的な使い方
算数・理科の計算問題は比較的似た傾向の問題が出題されますので、なるべく遡って行い、解き直しもしてください。
国語については、形式に慣れれば良いと思われますが、記述問題が多く、苦労する点も多いかと思います。
記述問題が得意な生徒様は少なめで良いですが、そうではない生徒様は10回分以上解くと良いでしょう。
社会はそれ程特殊ではありませんので、形式に慣れる程度で良いでしょう。
(2)いつから解き始めればよいか
教科 |
時期 |
理由 |
算数・国語 |
夏休み前から | 配点が高く、差がつきやすいため |
理科・社会 |
夏休みに入ってから | 試験範囲の学習が終わっていない場合がある |
(3)何年分を何周解けばよいか
教科 |
目標回数 |
解き直し | ポイント |
算数 |
10回~20回 | 3~4周 | 図形・数の問題・速さといった、よく出題される単元があるため、時間を測って素早く解く練習をする |
国語 |
10回~15回 | 2周 | 記述問題が多いため、解答の書き方に慣れることが重要。繰り返しの演習で対応力を養う |
理科 |
10回~20回 | 3~4周 | 化学の計算問題は類題が出やすいため、繰り返し解いて定着を図る |
社会 |
5~10回 | 2周 | 形式に慣れる。間違えた内容の周辺知識を整理・暗記する |
③保護者様にできるサポート
(1)成績が下降してきたら…
基本〜標準レベルの問題が解けなくなっている可能性が高いです。
塾などで難しい問題ばかり行なっていると、基本的な所が疎かになり、土台が崩れます。
小学4年生・5年生の単元に立ち戻って、再度復習をしましょう。
生徒様にも「少し前の単元に戻ってやってみようか。」とお声掛けし、「ゆっくり基本からやり直してみよう。」と生徒様を責めずに、ご対応してください。
また、試験の結果に一喜一憂せず、長期的な視点で見守ってください。
尚、復習というのは、間違えた問題を出来るまで解き直しを行うことを言います。出来るまで行うことがポイントです。また、一度解けたとしても、また暫く経ってから解き直すことも必要ですので、保護者様でしっかりと管理して頂くと良いでしょう。
(2)計算力対策
穎明館中学校は、計算力が鍵を握ります。計算問題は必ず出題されていますし、数の問題を中心として計算力が必要な問題が出題されています。
毎日10問程度、四則演算の計算問題を解くと良いでしょう。
計算間違いが多い生徒様の場合、まずはゆっくりと正確に行う練習をしましょう。
正確さが身についてから、スピードの順番でお願いします。
(3)理科の対策
穎明館中学校の理科は、これまでご説明している通り、理解を問う問題が出題されております。
保護者様としましては、身近な事柄について、生徒様と会話をし、一緒に調べて理解を促すようにして頂けると宜しいかと思います。
例えば、
「洗濯物を干すと乾くのは何故だろうね?」 |
など、身近にあるものをしっかりと調べることは、理科の対策にとても重要です。特に物理の理解には力を入れてください。
是非、生徒様とご一緒に取り組んでみてください。
(4)時事問題対策
時事問題こそ、保護者様の出番です。今、ニュースや新聞で見聞きする内容は、保護者様にとっては常識的なことでも、生徒様には実感がわかない・わからないことも多いと思われます。
ニュースや新聞で出てきた内容を生徒様と会話するようにしてください。
例えば、
「今円安が進んでいるってニュースで言っていたけど、どういうことかわかる?」 |
と言った質問から、生徒様と一緒に会話をし、一緒に調べることは重要です。
是非、取り組んで頂ければと思います。
(5)ケアレスミス対策
計算間違い・見間違い・勘違いなど全てケアレスミスと言われます。
しかし、そのミスは放っておいて直るのでしょうか。また、優秀な生徒様は何故ケアレスミスが少ないのでしょうか。
まず、計算間違いからお話しましょう。
計算間違いを無くすには、まず(2)でお話したように、ゆっくり、正確に計算を行うことから始めます。
そして、頭で計算(暗算)せずに、筆算をしっかりしましょう。計算は大きく行いましょう。また、計算の都度、確認をすると良いと思います。
次に、見間違い・勘違いについてです。
文章の数字や人物には丸をつけるなど、目立つようにしましょう。また、何を答えるべきなのか、設問で聞かれていることにも印をつけます。
答えを出したら、もう一度問題文を確認し、生徒様自身の解答も、もう一度確認です。
このように、徹底することで、今までのミスが格段に減ると思われます。保護者様も、是非、生徒様の横でチェックして頂けると良いかと思います。
(6)理科の写真問題対策
穎明館中学校特有の問題で、理科の写真問題があります。
花・動物・野菜・虫など写真から当てる問題です。
日々の散歩や食事の際に、
「これはオシロイバナって言うんだよ。」 |
など、生徒様と確認していくと良いでしょう。
4. 穎明館中学校を受ける際の併願パターン
穎明館中学校を受験する際のおすすめ併願パターンをご紹介します。
①1月
・埼玉栄中学校・獨協埼玉中学校・西武学園文理中学校
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1月は、練習として、埼玉栄中学校・獨協埼玉中学校・西武学園文理中学校が挙げられます。
しっかりと合格を手にすることで、精神的に落ち着けると思われます。
②2月1日
午前:穎明館中学校(1次)
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午前・午後共に、穎明館中学校をおすすめします。
③2月2日
午前:穎明館中学校(3次)・安田学園中学校(3次)
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午前・午後共に穎明館中学校をおすすめします。
穎明館中学校に合格されていれば、安田学園中学校を受験されるのが良いでしょう。
但し、1日に午前・午後受験されると思いますから、生徒様の疲労を考慮して、午前・午後どちらかの受験を回避しても良いかと思います。
④2月3日
午前:安田学園中学校(5次)・東海大学附属高輪台中学校(2次)
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午前は、穎明館中学校に合格されていれば、安田学園中学校(5次)が良いでしょう。
合格されていなければ、抑え校として、東海大学附属高輪台中学校(2次)が宜しいかと思います。
午後は、かえつ有明中学校(3次)かサレジアン国際学園世田谷中学校(4次)が良いでしょう。
⑤2月4日
午前:穎明館中学校(5次)・東洋大学京北中学校(4次)
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午前は穎明館中学校(5次)の最後の入試です。穎明館中学校に合格されていれば、東洋大学京北中学校(4次)が良いでしょう。
午後はドルトン東京学園中等部(3次)、もしくは東京電機大学中学校(4次)が良いと思われます。
5. 穎明館中学校の受験対策をはじめよう!
穎明館中学校は、生徒様の成績の伸び率が高いことが特徴です。この背景には、ハード・ソフト双方での学校からの手厚いフォローがあるためです。
入試問題は、算数・国語が本格的な問題です。算数は数の問題・図形・速さという難関校で頻出の単元を中心に、思考力を問う問題も出題されています。解答をすぐに見るのではなく、自分の頭を使って考える癖を付けましょう。国語は、純粋に読解力・記述力を問う問題です。日々の読書・要約練習で、内容を読み解く練習を重ねることが大事です。理科は現象理解をしつつ計算問題の対策を、社会は暗記をしつつ設問の指示に注意してください。
【参考文献】
・穎明館中学校ホームページ
・穎明館中学校2025年度版10年間過去問声の教育社
・帝京大学中学校2025年度版10年間過去問声の教育社
・安田学園中学校2025年度版10年間過去問声の教育社
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