1. 青稜中学校とは?
1938年に、青蘭商業女学校として設立。1995年に共学校となり、現校名となりました。授業では、手作りの教材や、工夫を凝らした授業で、生徒様の興味を惹きつけます。
希望者には週一回早朝に英会話を中心とした英語学習を実施。また、高校一年生より、東京大学を始めとした最難関大学に本気で挑みたい生徒様を対象に、特別放課後講習を実施しています。Sラボという、生徒様が学校内で自習計画を立案し、講師がフォロー、アドバイスしてくれるシステムも導入されており、主体的に取り組もうとする生徒様を応援する環境が整っています。
2. 青稜中学校の入試傾向について
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
試験日程 | 第一回、第二回のA日程・B日程の計4回実施 |
選択科目 |
4科目(算数・国語・理科・社会) ※4科目で受験した場合でも、2科目での合否判定あり |
試験時間 | 算数:50分 国語:50分 理科・社会:合わせて60分 |
配点 | 算数:100点 国語:100点 理科:60点 社会:60点 |
入試問題は、全体的に読解力や情報整理力を重視した内容になっています。
以下、科目別に詳しく問題傾向を解説します。
①算数
【算数の出題傾向】
青稜中の算数は例年、大問7〜8題構成で、構成は以下の通りです。
大問1 | 計算問題 |
大問2 | 小問集合 |
大問3以降 | 単元別の応用問題 |
【頻出問題】
・図形(面積・相似・角度・体積)
・速さ(旅人算・特殊算・比を使用した問題・水量など)
・数の問題(場合の数・規則性)
・仕事
が頻出です。
特に、仕事算は他校に比べよく出題されています。標準的な問題でしたが、問題集でよく見るものと少し違った文章になっており、手を動かして、自分で分かるように書き直すなどの工夫が必要でした。
【対策ポイント】
全体としては基本〜標準的な問題が多いですが、見た目にとっつきにくい問題が多いです。状況を正確に読み取り、図を描く・手を動かすことが重要です。
②国語
【国語の出題傾向】
青稜中の国語は例年、大問4題構成で、構成は以下の通りです。
大問1・2 | 文章題(物語文・説明文各1題ずつ) |
大問3 | 語彙 |
大問4 | 漢字 |
【頻出問題】
語彙・接続詞・表現技法・抜き出し・正誤選択・記述問題など、満遍なく出題されます。特徴的な問題は、本文に関する感想を複数人で話し合う設問です。所々空欄になっており、本文からの抜き出しや、生徒様自身で考える問題、選択肢から選ぶ問題など多岐にわたります。
【対策ポイント】
基本的には本文の要旨が理解出来ているか問う設問であるため、要旨の把握が前提となります。近年多い形式でもあり、入念な対策が必須です。
③理科
【理科の出題傾向】
例年、大問4題の出題で、物理・化学・生物・地学が満遍なく出題されています。
【頻出問題】
青稜中学校の理科は全体的に文章量が多く、考察・実験・観察に関する問題が大半を占めます。単なる暗記では対応できない出題が中心であり、しっかりと現象を理解し、文章の内容を読み取る力が求められます。
また、計算問題の多くは典型的なパターン問題ではなく、実験結果や文章中の情報を整理しながら答えを導く形式です。したがって、解法を丸暗記するのではなく、「なぜそうなるのか」を理解することが重要です。
【対策ポイント】
-
文章理解・読解力の強化が不可欠です。与えられた長文の中から必要な情報を的確に抜き出す練習を重ねましょう。
-
現象理解を重視した学習が効果的です。教科書の内容だけでなく、図鑑や理科事典で調べる習慣をつけると良いでしょう。
-
疑問に思ったことは自分で調べ、納得するまで追求する姿勢が、理科の力を伸ばします。
④社会
【社会の出題傾向】
例えば、大問4題の出題で、地理・歴史・公民・時事問題が満遍なく出題されています。基本〜標準的な問題中心の出題です。
設問の指示が多いことが特徴で、注意深く読む必要があります。
【頻出問題】
地理 | 具体的な都市の場所や地形、世界地理(国の場所、緯度経度、時差、世界の地形など)、グラフ・統計・雨温図、地形図 |
歴史 | 大問で2題出題。正誤問題が中心。 |
公民・時事 | 正誤問題中心。日本・世界の時事問題も頻出。 |
【対策ポイント】
地理 | 地図帳を中心とした学習を意識しましょう。日頃から地図帳や資料集で国や地形の具体的な位置やデータの理解を深めると良いでしょう。 |
歴史 | 流れを理解しておくのはもちろん、年号を確実に覚えることが重要です。また、絵・写真・史料などの資料集での学習も行って下さい。 |
公民・時事 | 標準的な知識の確実な暗記が必要です。時事問題対策としては、直近10年の重要事項を押さえ、SDGsなどの最新テーマも対策しておきましょう。 |
⑤問題の形式等が似ている学校は?
全体的な傾向は、東京都市大学等々力中学校に似ていると思われます。算数の問題数が多いという意味では、青山学院中等部の問題は練習になるでしょう。
3.青稜中学校を受ける際の併願パターンは?
①1月受験校
埼玉栄中学校・獨協埼玉中学校・西武学園文理中学校 |
②2月受験校
その時点で青稜中学校に合格している場合 | していない場合 | ||
2月1日 | 午前 | – | 青稜中学校(A日程・1次) |
午後 | – | 青稜中学校(B日程・1次) | |
2月2日 | 午前 | 芝浦工業大学附属中学校(2次) | 青稜中学校(A日程・2次) |
午後 | 三田国際学園中学校(ISC・IC 3次) | 青稜中学校(B日程・2次) | |
2月3日 | 午前 | 法政大学中学校(2次) | 安田学園中学校(5次) 日本大学第二中学校(2次) |
午後 | 芝国際中学校(4次) 淑徳中学校(スーパー特進・2次) |
||
2月4日 | 午前 | – | 東洋大学京北中学校(4次) 頴明館中学校(4次) |
午後 | 三田国際学園中学校(ISC・4次) | ドルトン東京学園中等部(3次) |
疲労や体調管理を最優先に、効率よく受験日程を調整してください。体力面を考慮して、受験しない選択をすることも時には重要です。各校の試験日と重複状況をよく確認のうえ、ご判断ください。
4. 青稜中学校の受験対策方法
①時期別・教科別対策内容
(1)小学四年生
算数 |
授業で扱った文章や簡単な文章の50字程度の要約を書く練習を続けましょう。毎日の読書や語彙・漢字の定着も心がけてください。 |
国語 |
物語文・説明文を客観的に読み、筆者の意見を正しく読み取る力を育てましょう。引き続き、要旨を50〜80字でまとめる練習や、毎日の読書習慣も継続して行ってください。 |
理科 |
暗記だけでなく、身近な現象を理解することが重要です。図鑑や理科事典を使ったり、科学館に行ったり実験を行うなど、保護者の方も一緒に考察していただくと良いでしょう。 |
社会 |
地理の学習が本格的に始まりますので、地図帳を使って場所や地形を調べながら進めましょう。統計や資料も活用し、ニュースや新聞で時事問題にも触れてください。地形図の学習も忘れずに行いましょう。 |
(2)小学五年生
算数 |
カリキュラムに沿って学習を進めつつ、四年生の内容と五年生の内容を適宜復習しましょう。忘れてしまいやすい単元もあるため、定期的に確認することが重要です。 基本~標準的な問題の確実な定着を目指し、図形・速さ・数の問題・仕事などやや難しい分野にも取り組んでおくとよいでしょう。 |
国語 |
物語文・説明文を客観的に読み、筆者の意見を正しく読み取る力を育てましょう。 引き続き、要旨を50〜80字でまとめる練習や、毎日の読書習慣も継続して行ってください。 |
理科 |
物理・化学の基本的な計算問題が始まりますが、青稜中学校では難問は出にくいため、基本~標準的な問題が解ければ十分です。 計算よりも、なぜその式になるかを理解する姿勢を大切にしましょう。 また、単なる暗記ではなく、身近な現象のしくみを考える習慣をつけてください。図鑑や理科辞典で深掘りしたり、科学系のドキュメンタリー番組を見るのもおすすめです。 |
社会 |
五年生からは歴史の学習が始まります。時代ごとの流れを理解しながら暗記を進めてください。 年号の暗記はもちろん、写真・絵・史料といった資料の確認も重要です。 さらに、ニュースや新聞に日常的に触れて、時事問題の理解も深めていきましょう。 |
(3)小学六年生(4月~6月)
算数 |
前学年までの復習をしっかり行いながら、全体的なレベルアップを目指します。 特に図形・速さ・数の問題・仕事の分野は、この時期に苦手を克服しましょう。 復習教材として「プラスワン」(東京出版)に取り組み、過去問にも挑戦してみてください。 |
国語 |
様々なジャンルの文章を読み、問題を解く時期です。 要約の練習や読書の習慣は継続し、算数同様に過去問に取り組み始めましょう。 |
理科 |
全分野の暗記と理解を深めましょう。 正答に満足せず、選択肢の×のものは何故違うのか、など様々な場合を思考しながら、納得いくまで調べてみましょう。 |
社会 |
公民の学習が始まります。 基本~標準的な内容を理解・暗記しつつ、地理・歴史の復習も取り入れましょう。 ニュースや新聞で見聞きした内容の理解も深めてください。 |
(4)小学六年生(7月〜8月)
算数 |
過去問を3~5回解き、苦手単元は夏休みに克服しましょう。 「プラスワン」を1周して解き直しも行い、秋以降の演習に備えましょう。 |
国語 |
過去問を3回解いて形式に慣れましょう。 記述問題はポイントを箇条書きしてから解答を書く練習を。 語彙・漢字は夏休みで固めることを意識してください。 |
理科 |
過去問を3回解き、実験・考察問題の情報整理を意識して練習しましょう。 理解不足の単元は夏休みに重点的に復習してください。 |
社会 |
過去問を3回行い、資料の読み解きを強化しましょう。 ここ10年ほどの時事問題を学びつつ、地図帳、統計、資料集、条文の復習も並行して行いましょう。 |
(5)小学六年生(9月〜11月)
算数 |
過去問中心に進めつつ、解き直しに力を入れましょう。 「プラスワン」の解き直しとともに、「ステップアップ」(東京出版)を特に図形・数・速さ・仕事を中心に取り組むことをおすすめします。 |
国語 |
過去問を中心に進め、漢字・語彙の強化やこれまでの解き直しも行いましょう。 読書や要約の習慣も継続してください。 |
理科 |
過去問を中心に、暗記だけでなく理解度の確認を保護者の方と行いましょう。 解き直しも忘れずに行ってください。 |
社会 |
過去問中心に、時事問題やテーマ史の考察を進めましょう。 「日本のすがた」(最新版)を利用した統計の勉強や、大手塾から出版されている「重大ニュース」も見ておきましょう。 |
(6)小学六年生(12月〜1月)
算数 |
過去問の解き直しや、図形・数・速さ・仕事を含めた全般的な定着を進めましょう。 効果的な過去問演習を遡って行い、「プラスワン」「ステップアップ」で取りこぼしがないように復習してください。 |
国語 |
1~2週間に1度は過去問に触れ、時間配分や設問形式を忘れないようにしましょう。 漢字・語彙の最終チェックと、日々の読書や日記の継続も大切です。 |
理科 |
過去問やこれまでの内容で理解不足がないか確認し、 標準的な計算問題や有名問題での取りこぼしがないよう、解き直しを行いましょう。 |
社会 |
全体的な復習に加え、地図帳・地形図・統計・資料集・条文を活用し、 時事問題の理解を深めてください。 |
②青稜中学校の過去問対策方法
(1)過去問の効果的な使い方
算数は毎年傾向が似ているため、なるべく過去まで遡って行い、解き直しもしっかりと行うことが大切です。
国語・理科・社会は形式に慣れることが目的で、苦手な場合は10回以上解くと良いです。
(2)いつから解き始めればよいか
-
算数と国語は夏休み前から早めに始めるのがおすすめです。
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理科と社会は夏休みに入ってからで問題ありません。試験範囲が終わっていない場合もあるため焦らず進めましょう。
(3)何年分を何周解けばよいか
算数は、最低10回、理想は20回分を時間を計って解き、間違えた問題を中心に3〜4周解き直しましょう。
国語は、国語が得意なら5〜10回、苦手なら10回以上解き、2周解き直すことを目標にしましょう。
理科は、理解を深めるため5〜10回以上解き、2〜3周解き直しましょう。過去問を解くことで、理解しきれていない箇所を発見することができます。
社会は、それ程特殊な形式ではありません。よって、5〜10回解き、2周解き直しましょう。間違えた問題の弱点強化に時間をかけることをお勧めします。
まとめ
主体的に取り組む生徒様のフォロー体制が秀逸の青稜中学校。近年、人気が上昇している学校です。
入試問題は、読解力と情報整理力が試されています。算数は、手を動かして情報を整理し、生徒様の知っている問題へと近づけることが大切です。国語は、日頃から読書と要約を行いましょう。問題文の要旨が掴めれば、十分対処出来る問題です。理科は、実験結果や文章から情報を上手に引き出せるように練習しましょう。社会は時事問題に力を入れて取り組みましょう。
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