1.都立高校で留年する人はどれくらいいるのか(令和5年度版)

留年者数(都立高校全体) 留年者数(全日制普通科) 留年率(全日制)
315人 253人 0.2%

(参考:東京都教育委員会の調査結果

以上から、留年する確率はかなり低いですが、都立高校でも留年する生徒様はいることがわかります。成績不良や出席日数が足りないなどの原因で、単位が足りない場合は、留年してしまう可能性があると考えておきましょう。

2.都立高校の留年の基準

高校で進級・卒業をするには、単位を取得する必要があります。各学年で必要な単位を修得することで、進級・卒業でき、単位が不足していると留年となります。

都立高校では、主に「①成績」と「②出席日数」を基準に進級・留年を判断します。

①成績

赤点(25点未満)を取り続ける

都立高校の単位取得の基準に、「定期テストで基準点以上の点数をとること」があります。単位取得の基準に満たない「赤点」をとってしまうと、留年する可能性が高くなります。赤点の基準は学校により異なりますが、一般的には「平均点の半分以下」を指す25点が目安です。
ただし、赤点をとったらすぐに留年が決まるのではなく、ほとんどの学校では追試や補習授業などの救済措置が用意されています。追試でも赤点をとる、補習授業に出席しないなどをしてしまうと、留年の可能性が極めて高くなるため、注意しましょう。
また、学校によっては定期テストの点数だけでなく、授業態度・課題の提出状況が影響する場合もあります。

②出席日数

授業日数の3分の1以上欠席する

都立高校の単位取得のためには成績だけではなく、「学校の定める基準以上の出席日数」が必要です。一般的には、3分の1以上欠席してしまうと、単位が取得できず留年の可能性が高くなります。ただし、学校によって出席日数の基準は異なるため、不安がある場合は学校へ確認してみましょう。
出席日数は学校に登校した日数ではなく、科目ごとの出席日数で計算されるため、同じ科目で欠席を繰り返すと留年してしまう可能性が高くなるので、特に注意が必要です。
また、遅刻についても「遅刻○回で欠席1回」、「○分遅刻で欠席1回」など出席日数に影響するため、学校の基準を確認し、遅刻しないように心がけましょう。

3.都立高校の留年の救済措置

都立高校では、留年する生徒を出さないために、様々な救済措置を設けています。

救済措置①:追試を受ける

定期テストの成績が悪かった場合、追試を受けて合格点を上回ることができれば、留年を回避することができます。追試を受けることによって、足りなかった点数を補うイメージです。
一般的には、追試のほうが定期テストより問題が簡単と言われておりますが、出題範囲は定期テストと変わらないため、追試までにしっかり対策をしておきましょう。追試も合格点を下回ってしまうと留年が決定的になりますが、学校によってはさらに再追試課題提出を行っている学校もあるので、諦めずに先生に相談してみましょう。

救済措置②:補習授業を受ける

出席日数が学校の定める基準に達していない場合、補習授業を受けることで留年を回避することができます。欠席した分の授業日数を補う形のため、補習授業の日数は欠席日数によって異なります。
補習授業に出席しない、補習授業と合わせても出席日数が足りないという場合には、留年が決定してしまうため、必ず補習には出席して真面目に授業を受けましょう。

4.都立高校で留年が決まった後の選択肢

留年が決定してしまった場合、その後の進路について考える必要があります。どのような選択肢があるでしょうか。

進路①:現在の高校で留年・継続して在籍する

留年した場合、そのまま同じ高校に在籍することになるため、試験や手続きなどが不要な点はメリットといえます。しかし、学年がずれてしまうため、学校生活でのやりにくさを感じてしまう場合があります。また、同じカリキュラムでは、もう一度留年を繰り返す可能性があるというデメリットもあります。
これらのメリット・デメリットを考慮して、現在通っている都立高校に在籍するかを判断しましょう。

進路②:通信制高校に転校・編入する

留年が決定して高校を中退した後、通信制高校へ転校する生徒様も多いです。
通信制高校は、通信教育で単位を取得できる高等学校課程で、学校から送られてくる教材を利用して自宅で学習し、レポート提出やテストの点数で成績が決まります。卒業の要件を満たすと高校卒業資格が与えられ、最終学歴も高校卒業となります。オンライン授業の出席や決まった回数の登校(スクーリング)が必要ですが、毎日通学する必要がないため、出席日数の不足が理由で留年した生徒様には、最適な選択肢かもしれません。

進路③:定時制高校に転校・編入する

通信制高校と同様に、留年決定後の選択肢として定時制高校へ転校する生徒様もいます。
定時制高校は、夜間または昼間の決められた時間に登校して学習する高等学校課程で、全日制高校より1日あたりの授業数が少なく、通学する時間も選べて自分のペースで学習できます。留年決定後も、学生らしい学校生活を送りたいと考えている生徒様や、日中は働きたいと考えている生徒様には最適な選択肢かもしれません。

進路④:他の全日制高校へ転校する

他の全日制高校へ転校するのも、選択肢のひとつとしてあります。
ただし、これまでと同じように平日に朝から毎日通学し、授業や定期テストを受ける必要があります。もともと在籍している高校で留年することとほとんど変わらないので、出席不足などで留年してしまった生徒様にとっては、通信制高校や定時制高校への転校のほうが良い選択肢かもしれません。

進路⑤:高卒認定試験を受ける

高校卒業や転校とは意味合いは異なりますが、高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)を受けるという選択肢もあります。高卒認定試験は、文部科学省が高校卒業程度の学力があると認定するための試験です。毎年8月と11月の2回試験が実施され、8〜10科目の筆記試験に合格すると大学や専門学校の受験資格も得られます。

ただし、この試験に合格しても最終学歴は高校卒業にならないため、大学や専門学校への進学を考えていない生徒様は要注意です。また、高卒認定試験合格は履歴書に書くことが可能なため、企業によっては高卒とみなすケースもあります。

進路⑥:就職する

高校の留年が決定した後、学校を退学して就職する選択肢もあります。ただし、中卒での就職は求人の数や種類が少なく、給与や就労条件などが希望に合わない可能性があります。
将来のことを考えると、通信制高校や定時制高校を卒業するか高卒認定試験の合格を目指すことをおすすめします。経済的に余裕がない場合は、働きながら通学できる学校もあるので探してみましょう。

5.都立高校で留年してしまう生徒様の特徴

留年してしまう理由は生徒様によって様々ですが、都立高校で留年してしまう生徒様には、次のような特徴があります。

 

①生活習慣が乱れている

②高校が合わない

③計画性がない

 

①生活習慣が乱れている

夜遅くまでスマホを触ったり、ゲームをしたりしている、アルバイトで帰りが遅いなど、夜型の生活になっている生徒様は、朝に起きられず、体調を崩しやすくなります。このような生活が続くと、遅刻や欠席を繰り返すことになり、出席日数の不足で留年しやすくなります。
遅刻や欠席をしないためにも、生活習慣を見直し、夜型生活にならないように心がけましょう。

②高校が合わない

学校に友達がいない、授業についていけない、忙しすぎるなど、自分の思っていた学校生活ではなかった場合、学校に通うことが億劫になり、その結果、遅刻や欠席が増えて、留年してしまうケースがあります。
通っている高校が自分と合わないと感じている場合は、学校の先生に相談してみましょう。また、生徒様と保護者様で相談し、転校することも検討してみましょう。

③計画性がない

スマホやゲームなどの娯楽に流されて、時間を浪費してしまう生徒様も数多くいらっしゃいます。その結果、宿題やテスト対策などが疎かになってしまい、課題の提出期限に間に合わず、成績不振で留年してしまうケースがあります。
留年を回避するためにも、やるべき課題を先に片付ける、勉強時間を決めておくなど、計画的に学習する習慣を身につけましょう。

6.都立高校で留年しないための勉強法

「留年は避けたいけれど、どのように勉強したら良いかわからない…」

「留年しそうな子どものために、どのようなサポートをすれば良い?」

このように悩んでいる生徒様や保護者様に向けて、生徒様が行うべきこと・保護者様ができることの2つの視点から、公立高校で留年しないための勉強法について解説します。

生徒様が行うべきこと

テスト勉強に力を入れ、赤点を取らない

高校を留年をしないためには、テストで赤点をとらないことが特に重要です。テストの成績が悪い生徒様は、勉強の仕方を間違えている可能性があるため、自分の勉強法を見直してみる必要があります。

赤点を取らないコツとして、

 

・小テストやプリントは特にテストに出題されやすいため、保管して完璧に解けるまで復習する。
・問題集を活用して復習し、間違えた問題は当日中に解き方まで理解する。
・部活やバイトを制限し、勉強する環境を作る。

 

このような3つの方法があります。
特に、赤点をとってしまう生徒様は勉強時間が少ない傾向にあります。1日に30分だけでも良いので毎日勉強する習慣を身につけると、学習が定着して平均点を目指せるようになり、赤点を回避することができるでしょう。

保護者様ができること

焦らず、子どもを見守る

生徒様が高校を留年しそうだとわかり、保護者様が心配するのは当然のことです。そのため、つい生徒様に「勉強しなさい」「学校へ行きなさい」と叱咤激励してしまいがちですが、実際には生徒様の意欲を低下させてしまうので、逆効果です。
ほとんどの学校では、留年の恐れがある場合には事前に生徒様・保護者様に知らされ、救済措置が用意されています。まずは焦らず、生徒様が自身で問題解決する様子を見守ってみてください。保護者様が信頼して見守ることで、生徒様に学習する意欲が出てくるかもしれません。

7. まとめ|都立高校で留年しないためにすべきこと

この記事では、都立高校で留年する条件や救済措置、留年後の進路、留年を回避するための勉強法について解説しました。留年は「成績」と「出席日数」を基準に判断されます。

 

・定期テストで赤点を取らない

・課題提出を忘れない

・授業に真面目に出席する

 

この3点を守れば、高校を留年することはないでしょう。

もし定期テストで赤点を取ってしまったとしても、補習や追試などの救済措置を設けている高校が多いため、諦めずに学校の先生に相談してみましょう。また、留年してしまう生徒様は生活習慣が乱れていたり、勉強時間が少ない傾向にあるため、自身の生活を見直し、授業の復習を中心に毎日コツコツ勉強する習慣を身につけましょう。

今回の内容を参考にしていただき、都立高校の留年を回避してください。

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