画像の問題は1972年に東京工業大学で出題された、受験業界でも有名な問題です。この記事では「複素数平面の問題にどう対処すればいいのか」「別解はないのか」という点を深掘りしていきます。複素数平面だけでなく、数学Cの問題を解く姿勢についても解説するので、ぜひ最後までお読みください。
まずは画像の問題にじっくり当たって解いてみましょう。解けたら以下の解説を読んで合っているか確かめましょう。もちろん、まったく解法が見当がつかない、15分ぐらい考えてみたけどわからないといった場合でも下の解説に進んでかまいません。
目次
3.解答と別解
複素数平面の攻略に
必要な考え方
理系の人は数学Cで複素数平面を学ぶのですが、実際にやってみてどうでしょうか?やることが多くて難しい、と感じたのではないでしょうか?実際その直感は正しいです。複素数平面の問題を解くためにはいくつもの他分野の知識や手法が必要になります。
まず最初に認識していただきたいことは「複素数平面≒ベクトル平面である」ということです。例えば、複素数平面上の点2+iは原点から伸びるベクトル(2,1)とまったく同じです。x軸方向の単位ベクトルを1、y軸方向の単位ベクトルをiと書くことで、ベクトル平面を複素数平面に書き換えられる、といった具合です。
このことを用いれば複素数を図形的に考えられるようになります。純粋な幾何の問題をベクトルで考えると簡単に解決できる場合があるのと同様、普通に数式を計算すると大変な問題もシンプルにすることができます。
また、極座標を同じく数学Cで習ったかと思います。複素数は極座標での表現が可能です。先ほど例に挙げた2+iも、√5(cos30°+isin30°)と書き換えることで、(r,θ)=(√5, 30°)と同じになることがわかります。
さらに複素数には特有の性質があります。複素数z=x+yiに対し、x-yiは共役な複素数と呼ばれ、zの上にバーを付けて表されます。そして、複素数zに対する方程式f(z)=0が複素数αを解に持つ場合、それに共役な複素数も解に含まれます。
ここまでの特徴を知っていれば理論上は複素数平面の問題が解けます。しかし知っているだけではまだ足りません。どのような時にどのルールを適用すれば解けるかまで把握しておかなければ、実際の問題には手も足も出ないでしょう。ここからは実際に問題を解く方法を解説します。
複素数平面の問題を解くための方法は大きく分けて「z=x+yiと置き換える」「z=cosθ+isinθにする」「複素共役を用いる」「図形的に考える」の4択です。早速質問ですが、今回はどのようにすれば解けるでしょうか?考えてみてください。
今回の問題を解くために
必要な考え方
それでは先ほどの質問の正解を発表します。答えは「z=x+yiまたはz=cosθ+isinθの置き換えと複素共役を両方使う」です。このように複素数平面の分野では上に挙げた方法を複数用いて問題を解くことが多いです。
今回の問題でいえば、3次方程式x^3-x+k=0が与えられているので、まずはこれの解をα、β、γとおきます。さらに、実数でない複素数αに対して、βは共役であるとし、さらにγは実数であるとします。先ほど解説した性質をそのまま活用します。
ここで「いきなりγを実数とおいていいのか?」と思われたかもしれませんが、良いのです。実数全体は複素数全体に含まれます。そして、任意の実数に対して共役な複素数はその実数それ自体になります。これにより、γを実数とすることができます。
次はαとβの表し方を考えます。ここで解法は2つに分岐します。1つはα=x+yi、β=x-yiとするパターン、もう1つはα=cosθ+isinθ、β=cosθ-isinθとおくパターンです。どちらの解法でも問題なく正答することができます。それでは解答をお見せします。
解答
まず、α=a+biとおいて作った解答がこちらになります。
次に、α=cosθ+isinθとした場合の解答を掲載します。
このような解答が書ければ完璧であると思われます。k>0によって条件をしぼるとkの値が確定するのでこれも利用することになります。最後の実数解は片っ端から代入して見つけて構いません。実数の解が1つしかないことは予め分かっているからです。
極形式を利用する解答でド・モアブルの定理を使用する際は、必ず定理の名前を書きましょう。書かなければ減点の恐れがあります。また、解答中で3倍角の導出を行う必要はありませんが、3倍角の公式は丸暗記しない方がよいです。加法定理と倍角の定理から毎回導くようにすることをお勧めします。
今回はかなり簡単な問題を選出しましたが、複素数平面の問題をほとんど解いたことがない場合はこれでも難しいと思います。慣れが重要な分野ですので、様々な問題に触れ、多彩な解き方を身につけていくことをお勧めします。
数学Cの問題を
解けるようにするために
以上、複素数平面の問題を解いて頂きました。簡単な問題ではありますが、あまり経験がなく、かなり苦労した人もいたのではないでしょうか。
2022年度の教育課程より復活した数学Cには主に「ベクトル」「極形式」「複素数平面」「行列」の4つの単元が含まれます。微積・極限で計算地獄の数学Ⅲとは打って変わって、こちらは複雑な計算はあまり要しません。しかしその分、癖の強いトリッキーな分野が揃っています。
その代表格が複素数平面、というわけです。複素数平面という分野は大学の数学でいえば、主に「線形代数」「ベクトル解析」「複素関数論」「平面幾何学」の4分野に跨ります。そのため教科書などの記述もまとまりを得づらく、初見の生徒様には難しい分野であるといえます。
東大家庭教師友の会では複素数平面に強い家庭教師を紹介できます。彼らは現役で東工大や京大、東大といった難関大学に在籍しており、高い数学の指導力を有しています。彼らをパートナーにできれば、複素数平面のようなトリッキーな分野も怖くないでしょう。
しかし、それは「きちんと手を動かせて」の話です。いくら彼らの指導力が高いとはいえ、生徒様ご自身が自らの手で問題を解くことをしなければ、数学の学力は向上しません。そうなっては、家庭教師を雇う意味などない……そう考えられるかもしれません。
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日頃の計算練習や苦手克服のための問題演習など、数学の勉強はとにかく時間のかかる地味な作業も多いです。そのような場面でもモチベーションを失ってしまわないよう、東大家庭教師友の会の家庭教師が徹底的にサポートします。お悩みにも親身になってお応えできます。
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授業を受けた時間数に応じてご請求額は変わり、指導回数や時間を臨機応変に変更することが可能です。
他社の家庭教師とはどう違う?
次に、東大家庭教師友の会と他社の違いを紹介します。ここでは大きく分けて「①派遣する教師」と「②料金」の2つに分けて解説していきます。
①派遣する教師の違い
まず、派遣する教師の違いについてです。東大家庭教師友の会は採用率20%以下の厳しい審査を通過した優秀な難関大在籍の家庭教師を派遣しています。一方、他社は友の会のような学生家庭教師のみの会社もあればプロ家庭教師しか派遣しない会社もあり、さらにはその両方を派遣する場合もあったりと様々です。結局どこを選べばいいの?と思うかと思いますが、ここで重視すべき点はやはり「生徒様との相性」でしょう。
その点、友の会は安心です。東大家庭教師友の会は体験授業(初回無料)によって教師との相性をチェックでき、もし合わないと思った場合はいくらでもチェンジできます。教師は全員学生なので生徒様と歳が近く、相性がいいことが多いですし、何より友の会には多くの教師が在籍していますから、生徒様に合う先生が選べる可能性はとても高いです。
一方、同業他社はどうでしょう?プロ家庭教師は経験豊富ですが、歳は生徒様から離れており、委縮してしまうかもしれません。教師の在籍数が少ないところではそもそも生徒様に合う教師が見つからない可能性すらあります。そして、本来生徒様と教師の相性をチェックして頂く最もよい機会である体験授業にそれ専用の人材を派遣してくる業者まであるという状況です。この点には十分注意する必要があります。
②料金制度の違い
次に料金に関してです。東大家庭教師友の会の授業は難関大所属の家庭教師による質の高いものでありながら、その料金は家庭教師の市場においてはかなり安価な部類に入ります。なぜなら、友の会では広告宣伝費などの諸費を極力安く抑えているからです。ご家庭様から頂く料金の大部分が教師の給与となるシステムも確立していますので、給料が安いことが原因で教師が積極的な指導をしてくれない、といったこともございません。
それでは同業他社はどうかというと、まず適正な価格で指導をしてくれないところがあります。また、友の会は先ほども見て頂いたように料金体系をあらかじめ明示していますが、一度問い合わせるまで料金を明示してくれない業者もあります。料金関係でもっと問題なのが高額な教材販売を目的とする悪徳業者です。友の会ではそうした販売は一切行わず生徒様が既にお持ちのテキストなどで指導しますが、このような業者の存在が家庭教師の利用検討自体を難しくしているのです。
以上の点から、東大家庭教師友の会は他社と比較してもなお信頼できる家庭教師サービスであることがご理解いただけたかと思います。
大学入試の数学対策におすすめの家庭教師
以下に紹介する家庭教師はすべて現役の大学生であり、合格経験をもとにした質の高い指導をすることができることを東大家庭教師友の会が認めた優秀教師です。もっと多くの家庭教師の情報を見たい方はこちらからどうぞ。
伊藤先生 | ||||||||
お問い合わせ番号 | 770922 |
伊藤先生 | ||||||||
お問い合わせ番号 | 770922 |
所属大学 | 慶應義塾大学 |
出身高校 | 東京都立国際高等学校 |
指導期間 | 2023年3月まで |
指導科目 | [小]国語,理科,算数,英語
[中]数学,理科,英語 [高]文系数学,物理,理系数学,英語 |
意気込み | 私は海外で4年半勉強し、日本でも勉強しました。両環境の良い点だけを学びそれを生徒様を教える上で取り入れていくつもりです。つまらない勉強ではなく、自ら取り込みたくなる勉強にできるよう生徒様のサポーターとして一緒に勉強に取り組みたいと思います。 |
長澤先生 | ||||||||
お問い合わせ番号 | 770839 |
長澤先生 | ||||||||
お問い合わせ番号 | 770839 |
所属大学 | 東京大学 |
出身高校 | 西大和学園高等学校 |
指導期間 | 2025年3月まで |
指導科目 | [小]国語,理科,社会,算数,英語
[中]国語,数学,理科,社会,英語 [高]化学,文系数学,物理,理系数学 |
意気込み | 自分の受験時代の経験を生かして、自分の弟と同じ年代の生徒様に勉強の楽しさを伝えて、生徒様自身も楽しく成績改善できるよう全力で頑張ります! |
吉田先生 | ||||||||
お問い合わせ番号 | 542517 |
吉田先生 | ||||||||
お問い合わせ番号 | 542517 |
所属大学 | 東京工業大学 |
出身高校 | 桐朋高等学校 |
指導期間 | 2023年4月まで |
指導科目 | [小]算数
[中]数学,英語 [高]化学,文系数学,物理,理系数学,英語 |
意気込み | しっかりと学び方から指導して、学問面でもかけがえのない学生生活が送れるように尽力いたします。 |
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