こんなお悩みはございませんか?
進学校は、進学校だからこそ、落ちこぼれやすい原因がたくさんあります。
「目指していた学校に進学したら、授業が難しくてついていけない」という悩みを経験された方は多いのではないでしょうか。
そうなると不安や焦りが募って、自分で冷静に対応するのが難しくなりますよね。
どうしても将来が不安になってしまうかもしれません。
私自身も、高校生の進学支援などに携わる中で、成績低下のご相談をいただくことは度々ありました。
とても真面目に勉強と向き合われている生徒様や保護者様が、周りの環境との不一致でうまくいかず、苦しんでしまうことはよくあります。
この記事では、進学校で落ちこぼれてしまう原因や、落ちこぼれないための勉強のコツ、「落ちこぼれてしまったかも」と感じたときの対応をご紹介します。
目次
①受験で燃え尽きてしまう
②授業の進度・難易度が上がる
③授業の進め方が合わない
④環境の変化によるストレス
⑤人間関係のストレス
2.進学校で落ちこぼれてしまうと、何が大変なのか
①自信をなくしてしまう
②学校が楽しくなくなる
③大学への進学意欲が持てなくなる
3.落ちこぼれないためにはどう勉強するべきか
①わからないときは先生に積極的に聞きに行く
②試験勉強に力を入れる
③外部の模試を受ける
4.「落ちこぼれてしまったかも」と感じたときにするべきこと
①先生やスクールカウンセラーなどに相談する
②個別指導塾や家庭教師を活用する
5.「子どもが落ちこぼれてしまったかも」と思った際に親がとるべき対応
・どのような心構えでいるべきか
・生徒様から悩みを打ち明けられたときの対応
・保護者様から切り出すときの対応
6.落ちこぼれてしまった子どもに対し、しないほうが良い親の行動
①「叱る」代わりに「一緒に原因を考える」
②「自分を責める」代わりに「一緒に選択肢を探してみる」
③「抱え込む」代わりに「周りに頼る」
進学校で落ちこぼれてしまう原因は
せっかく受験をがんばって入学した進学校でも、「がんばったからこそ、入ったあとについていけなくなってしまう」ということがあります。
ここでは、進学校だからこそ落ちこぼれやすくなる要因を、5つご紹介します。
①受験で燃え尽きてしまう
1つめの要因は、「受験で燃え尽きてしまう」ことです。
進学校に入るには、それなりに長い間、受験勉強をがんばる必要があります。
「〇〇中学に受かりたい」「〇〇高校でこんな生活がしたい」とイメージを膨らませ、数年間なんとかがんばった……という生徒様も少なくないでしょう。
だからこそ、入ったあとに、緊張からの解放で燃え尽きてしまうことがあります。
しかし、進学校は入ってからが大変です。
授業の進度は早く、周りの環境も変わります。
勉強への意欲がなかなか戻らないと、だんだん授業についていけなくなってしまいます。
②授業の進度・難易度が上がる
2つめの要因は、「授業の進度・難易度が上がる」ことです。
多くの進学校は、授業進度がとても早いです。
先生も生徒が一定の知識を持っていることを前提として授業を設計するため、「このくらいはわかっているよね」「これは前回話したからいいよね」という感覚から、
細部を説明しないままにどんどん先に進んでしまうことがあります。
さらには、難易度も上がります。
「高校1年生の頃から大学入試の問題を授業で扱う」ことは日常茶飯事で、学校によっては「大学のゼミで扱うような課題を授業で扱う」こともあります。
その結果、「得意教科は楽しめても、苦手教科はついていけない」「気を抜くと『わからない』が積み重なる」ということにつながります。
③授業の進め方が合わない
3つめの要因は、「授業の進め方が合わない」ことです。
進学校は、教育に対して強い信念を持っている学校が多く、それぞれの学校が特色ある教育を打ち出しています。
そのため、先生方も自分の授業にしっかりとこだわっている方が多いです。
休みの日に自ら研究会などに通ったり、学校での授業と並行して自分自身も研究に携わられていたりと、とても熱意を持っておられ、授業にも先進的な指導方法を取り入れていることも少なくありません。
ただ、その結果として、指導法が合わないと感じることもあります。
たとえば、私が卒業した学校では、特に理系の先生方がすごく熱心でした。
特に科学的実証性を重んじた授業をされていて、授業では主に公式の証明とディスカッションにたっぷり時間を使い、基礎知識の大半は自学するスタイルの授業でした。
大学に入ってからいかにこの授業が重要で豊かな授業であったかを痛感したのですが、当時はなかなか理解できず、周りの友人で混乱している人も多かったように思います。
このように、「良い授業であっても、そのときは内容がピンとこない」ということはあります。
そして、こういった経験の積み重ねが苦手意識につながってしまうこともあります。
④環境の変化によるストレス
4つめの要因は、「環境の変化によるストレス」です。
進学時は、多かれ少なかれ、環境の変化によるストレスが生じます。
良いことから生じたストレスであっても、心身の疲労にはつながります。
特に、進学校への進学の場合、周囲の環境が大きく変化することも考えられます。
クラスメイトや部活の同期と自分を比較し、苦しい思いをすることもあるでしょう。
また、行きたい学校が家から遠かった場合は、通学により身体的な疲労が生じていたり、十分な睡眠が取れていなかったりすることもあります。
こういったストレスの積み重ねからモチベーションが低下することは、十分に考えられます。
⑤人間関係のストレス
5つめの要因は、「人間関係のストレス」です。
一口に進学校といっても、その風土はさまざまです。
ただ、受験を突破してきた人たちが集う学校であるため、「競争意識」や「自信」、「努力をよしとする風土」は、どこの学校も多かれ少なかれあります。
よく言えば芯が強くて真面目な空気、悪く言えば少しピリッとした空気があることは多いでしょう。
このような学校の風土との不一致がある場合、人間関係においてストレスを感じることが予想されます。
また、特に高校からの進学の場合、高校1年生のときは「環境の変化」、高校2年生のときは「部活」、高校3年生のときは「受験」と、人間関係のトラブルを感じやすいイベントが毎年重なることが予想されます。
これらのストレスから、勉強に集中しづらくなることがあります。
進学校で落ちこぼれてしまうと、何が大変なのか
進学校で落ちこぼれることには、短期的・長期的にさまざまな影響があると考えられます。
ここでは、進学校で落ちこぼれることがどのようなことにつながるかを、3つご紹介します。
①自信をなくしてしまう
1つめは、「自信をなくしてしまう」ことです。
進学校に合格されるような生徒様であれば、きっと本来は学ぶことが好きであったり、これまではいい成績をキープしてきたりといった日々を送ってきたのではないかと思います。
しかし、進学校で落ちこぼれてしまうと、「勉強することは楽しい」といった気持ちや、「自分は勉強ができる」といった自信を喪失することにつながります。
このとき、適切なサポートがあれば、自信を喪失する経験を将来の糧にすることができます。
しかし、十分なサポートがない場合、自信の喪失は強いショックをもたらし、長期的にもアイデンティティを揺るがすような経験につながってしまいます。
②学校が楽しくなくなる
2つめは、「学校が楽しくなくなる」ことです。
学校で過ごす時間の大半は授業です。
その授業で「理解できない」「ついていけない」と感じる場合、学校に行くこと自体が苦痛になってしまうことは十分に考えられます。
また、周りの人と自分を比較し、落ち込んでしまうこともあり得るでしょう。
場合によっては、先生や友人からからかわれることを通じて「自分は勉強ができないんだ」という気持ちを強めてしまう可能性もあります。
そうすると学校にいることがストレスになり、行きたくないと感じるようになるかもしれません。
③大学への進学意欲が持てなくなる
3つめは、「大学への進学意欲が持てなくなる」ことです。
自信をなくしたり、学校が楽しくなくなることで、将来についても良いビジョンを描けなくなることがあります。
その結果として、大学への進学意欲が持ちづらくなります。
本来は、むしろ大学進学は積極的に環境を変えるチャンスです。
しかし、「今この瞬間」がうまくいっていないと、それがずっと続くのではないかという不安が生まれるものです。
その結果、進学に対する意欲が低下してしまう可能性があります。
落ちこぼれないためにはどう勉強するべきか
「授業についていけない」という状況を防ぐためには、どのような勉強が効果的なのでしょうか。
ここでは、「落ちこぼれる」状況を防ぐために日頃からできることを、3つご紹介します。
①わからないときは先生に積極的に聞きに行く
1つめのポイントは、「わからないときは先生に積極的に聞きに行く」ことです。
進学校の場合、たとえば有名大学の大学院で数学を専攻していた人が数学を教えている、ということがあり得ます。
そのため、授業でわからないことがあった場合は、まずは先生に聞くのが最も効果的です。
また、これには、長期的に見てもメリットがあります。
なぜなら、「今自分の授業は生徒にとって難しいのか」と先生が気がつくきっかけになるからです。
少しテンポを落としたり、解説を具体的にしてくれるようになる可能性もあります。
②試験勉強に力を入れる
2つめのポイントは、「試験勉強に力を入れる」ことです。
試験勉強は、「今まで習ったこと」を総合的にチェックし、どこに穴があるかを確認して解消することができる、とても重要な機会です。
この機会を活用して、「なんとなくわかったつもりになる」ことを防ぎましょう。
進学校において、「なんとなくわかったつもりになる」は大敵です。
基礎事項は授業中であまり解説されないことも多いため、わからない部分があっても逆になあなあにできてしまうことがあります。
そして、その積み重ねで、いつか大きな落とし穴に遭遇することもあり得ます。
これを防ぐためには、試験勉強のタイミングで知識が定着しているかを確認するのが最も効率が良いです。
③外部の模試を受ける
3つめのポイントは、「外部の模試を受ける」ことです。
進学校はカリキュラムが独特であることが多く、また周りも成績が良いです。
そのため、学校の試験だけだと、自分にどの程度の実力があるのかが確認しづらく、モチベーションが上がらないことがあります。
こういうときに役立つのが、外部の模試です。
模試を受験して、より一般性・客観性の高い形で自分の実力を測ることで、また違った角度で勉強のモチベーションを保つことができます。
「落ちこぼれてしまったかも」と感じたときにするべきこと
実際に「授業についていけない」という状況が発生すると、どうしても焦ってしまいますよね。
生徒様ご自身も不安になるでしょうし、保護者様も不安になるかと思います。
ここでは、「授業についていけない」「落ちこぼれてしまったかも」と感じた際にできることを、2つご紹介します。
①先生やスクールカウンセラーなどに相談する
1つめは、「先生やスクールカウンセラーなどに相談する」ことです。
前項でも述べた通り、進学校の先生はかなり深く自分の教えている教科を学んでいることが多いです。
悩んだらまずは教科の先生に相談してみましょう。
全体的に学習につまずきを覚えている場合は、担任の先生に相談するのがおすすめです。
学習習慣や、やることの優先順位などを含めて、担任の先生と挽回のための計画を練りましょう。
また、担任の先生に間に入ってもらいながら、各教科の先生と相談ができるという点もメリットです。
身体面・心理面での不安感がある場合は、保健室の先生・スクールカウンセラーなどを活用するのも一つの手です。
特にスクールカウンセラーは、生徒様のさまざまな悩みに対して、一人ひとりの細やかなサポートを検討することが仕事です。
一見、学習とは関係ない存在のようにも思えますが、さまざまな形のサポートを提案してくれると思うので、ぜひ相談してみてください。
②個別指導塾や家庭教師を活用する
2つめは、「個別指導塾や家庭教師を活用する」ことです。
授業についていけない期間が長くなってきた場合、どうしても学校だけでは十分なサポートができないこともあります。
また、学校の先生との相性が悪かったり、学校の先生には話しづらいという場合もあるでしょう。
そのような場合は、個別指導塾や家庭教師を活用しましょう。
このときは、大まかにでも目標を立てると良いでしょう。
塾ごと・講師ごとにさまざまなスタンスがあるため、「大体いつくらいまでに授業についていけるようになりたいのか」「今はどこがわかりづらいのか」を事前に整理した上で、
どの塾が良いか/どの家庭教師に依頼するのが良いかを検討するのがおすすめです。
また、進学校の場合、授業内容が他の学校と比べて難しい可能性が高いため、事前にその旨を塾・家庭教師側にも伝えた上で、確かな実力がある講師を選択することをおすすめします。
可能であれば、克服したい教科を大学で専攻している講師が良いでしょう。
「子どもが落ちこぼれてしまったかも」と思った際に親がとるべき対応
生徒様が授業についていけていない場合は、保護者様もすごく心配になりますよね。
「どう切り出せばいいか」「どう接すればいいか」など、さまざまなことを思い悩むのではないでしょうか。
ここでは、生徒様の様子や成績が気になった際に保護者様がとるべき対応を、3つご紹介します。
どのような心構えでいるべきか
「子どもが落ちこぼれてしまったかも」と感じても、保護者様は、生徒様の前ではどんと構えていましょう。
生徒様にとっては、学校の生活が生活のほぼ全てです。
特にこれまで勉強を頑張ってきた生徒様であれば、自らの拠り所が揺さぶられるようなショックを感じていると予想されます。
保護者様は、そんな生徒様にとって、自分の見えない世界を見せてくれる貴重な存在です。
大学や社会では今とは違う生活が待っていることを、保護者様自身がイメージしましょう。
同時に、生徒様の底力を信じ、諦めない気持ちを持って接することも重要です。
勉強や進路などの具体的なことは、学校や塾が詳しい知見を持っています。
そこに頼るのが一番です。
その上で、保護者様にはもっと大切な役割があります。
保護者様は、生徒様にとって最も身近で信頼できる大人です。
生徒様にとって話しやすい雰囲気を作ることに専念し、生徒様を信頼していること、そして他にもさまざまな世界があることを伝えましょう。
そうは言っても、保護者様自身も不安になることもあるかと思います。
保護者様自身も、息抜きの時間を取り、気持ちの整理をつけましょう。
生徒様と繋がりのないご友人などに相談するのもおすすめです。
もしすでに塾や家庭教師を活用しているようであれば、その先生に相談するのも良いでしょう。
生徒様から悩みを打ち明けられたときの対応
前提として、生徒様から悩みを話してくれるというのは、とても貴重なことです。
保護者様のことを信頼しているからこそ、自分が不安に思っていることを打ち明けることができたのです。
そのため、まずは「話してくれたこと=自分を信頼してくれたこと」への感謝を伝え、その信頼を大切にしたいということを伝えましょう。
「話してくれてありがとう、〇〇が今思っていることを聞けて嬉しかった」
「話しづらい気持ちもあったかもしれないね、その中で私に話そうと思ってくれたことがすごく嬉しい」
などときちんと言葉にすることで、生徒様も「これは話していいことなんだ」と理解することができます。
なお、反射的に叱ってしまった、あるいは不安をぶつけてしまったと感じる場合でも、後から伝えるのも十分効果的です。
面と向かって言いづらければ、メールや置き手紙などで伝えるのも有効です。
生徒様の気持ちと勇気をしっかり受け止めたことを、なんらかの形で伝えてあげてください。
その後の対応は、生徒様のご希望を中心に、少しずつ整理していくと良いでしょう。
教科の先生なら話しやすいのか、担任の先生やスクールカウンセラーが話しやすいのか、塾や家庭教師が良いのか、頼れる友人がいるのか、転校を視野に入れるのか……取れる手段はいくらでもあります。
このとき、保護者様と生徒様で、一緒に選択肢をリストしていくことをおすすめします。
たとえば塾を調べるときは、可能なら生徒様の目の前で調べてみましょう。
生徒様にとって、どのように保護者様が考えているのかを間接的に理解する良いきっかけになり、自分で選択肢を探しやすくなります。
保護者様から切り出すときの対応
保護者様から生徒様に話を切り出す場合は、少し対応が難しくなります。
なぜなら、生徒様がそもそも今自分が「落ちこぼれている」ことをどのように感じているのか・保護者様と話したいと思っているのかが明確ではないためです。
まずは、生徒様に切り出す前に、保護者様の中でしっかりと心の準備をしておくことをおすすめします。
生徒様が授業についていけないときにどのような対策があり得るかをおおよそ思い描いた上で、
「できることはいくらでもある」という気持ちを保護者様ご自身が持つことができてから声をかけるとスムーズでしょう。
本記事で記載している対応案もぜひご活用ください。
また、担任の先生に先に相談し、生徒様の様子を聞いておくのも一つの手です。
その上で、保護者様の中にある程度イメージができてきたら、いよいよ生徒様がどう感じているのかを聞いてみましょう。
どの程度直接的に聞くべきかは生徒様の性格によって変わりますが、たとえば、
「授業はどう? 難しい?」
「今回のテストは苦戦してたね。どの辺が難しかった?」
などとやんわり切り出すのが、オーソドックスな切り出し方ではないでしょうか。
このとき、ポイントとしては、保護者様の方から「難しい」という選択肢を提示することです。
「授業はどう?」だけだと「大丈夫」と返される可能性が非常に高いです。
一方で、「難しい」という選択肢を提示することで、「難しいっていう答えもありなのか」という前提が生徒様にも生まれるため、より具体的な返事をしやすくなります。
もし生徒様が話したくないようなら、「もし話したくなったら、いつでも聞くからね」などと伝えると、次に繋げることができます。
あとは生徒様から切り出してくるのを待ちましょう。
ただし、成績が大きく低下してしまっている場合は、学校様から保護者様に連絡が来ることもあるかもしれません。
その場合は、学校側から連絡が来ていることを正直に生徒様にお伝えし、ゆっくり話せる場所で、時間をとって向き合うのが良いでしょう。
対面で話すのが難しい場合は、文面でやり取りをするという選択肢もあります。
落ちこぼれてしまった子どもに対し、しないほうが良い親の行動
生徒様がご自身の成績に悩んでいると、保護者様としても焦りや不安が湧いてくるのではないでしょうか。
それはとても自然なことですが、場合によっては、それが生徒様の負担につながってしまうこともあります。
成績向上のために頑張っている生徒様の負担を増やしてしまったら、保護者様としても悲しいですよね。
しかし、保護者様にも保護者様の事情があるものですし、生徒様を思っての行動であることも少なくないでしょう。
そこで、「代わりになるおすすめの行動」も、セットでご提案します。
ここでは、保護者様がしないほうが良い行動と、代わりに推奨される行動を、3つセットでご紹介します。
①「叱る」代わりに「一緒に原因を考える」
1つめは、「叱る」代わりに「一緒に原因を考える」ことです。
生徒様も、自分が授業についていけていないことは理解できています。
私自身も家庭教師としていろいろな生徒様とお会いしましたが、一見成績について気にしていないような生徒様であっても、内心ではかなり気にしていることも多いです。
そしてそれらを「自分のせいだ」と感じている生徒様も、決して少なくありません。
むしろ、多くの生徒様は、自分の成績が伸びないことを過剰に自分の責任だと感じていることが多いです。
実際には先生の指導スタイルとのミスマッチが原因であったり、それ以外の環境要因が影響していたりするのですが、それらをひっくるめて「自分の責任だ」と捉え、落ち込んでしまっています。
そこで保護者様が叱ってしまうと、「自分のせいだ」という思い込みに拍車がかかってしまい、むしろ適切に原因を分析することが難しくなったり、相談しづらくなったりして、解決が遠ざかります。
代わりに、「一緒に原因を考えよう」というスタンスで接するのがおすすめです。
そうすると、意外な要因が見つかることもあります。その落とし穴が見つかれば、あとはそこを塞ぐだけです。
保護者様にとっても、叱るというのは、とても勇気と気力がいる行為ではないでしょうか。
それでも必要だと感じたからこそ「叱る」という選択を取っているのだと考えます。
叱らないで済むなら、これに越したことはないですよね。
「一緒に原因を探していく」というスタンスをとることは、お互いにとって良い着地点になります。
ぜひ試してみてください。
②「自分を責める」代わりに「一緒に選択肢を探してみる」
2つめは、「自分を責める」代わりに「一緒に選択肢を探してみる」ことです。
とても熱心で生徒様想いの保護者様であればあるほど、生徒様の成績が伸びなかったときに、ご自身を責めてしまうことがあります。
また生徒様も、行き場のない不安感を保護者様にぶつけてしまい、「お父さんが/お母さんがもっと〇〇してくれればいいのに」と言ってしまうこともあります。
そういうときは、保護者様の気持ちも揺れてしまいますよね。
もちろん、保護者様が全く感情を表に出さないというのはすごく難しいことです。
しかし、保護者様がご自身を責め続けてしまうと、生徒様も罪悪感をいっそう感じてしまいます。
そういうときは、気分転換を兼ねて、一緒に選択肢を探してみるのがおすすめです。
「担任の先生は、どんなことをしてくれそうか」「どんな補習塾があるのか」「もし転校するなら、どんな学校があるのか」「授業についていけなくなった人で、大学に合格した人はいるのか」など、
いろいろ調べてみると、思ったより状況が開けていることに気がつきます。
何より、そういう保護者様の姿勢こそが、生徒様にとっての人生の学びになるでしょう。
「苦しい状況にあるときに、どうやって道を作っていくか」ということを保護者様から直接学べるのは、将来生きていく上で何にも変え難い、大切な経験です。
③「抱え込む」代わりに「周りに頼る」
3つめのご提案は、「抱え込む」代わりに「周りに頼る」ことです。
責任感の強い保護者様や生徒様は、苦しいときに自分たちだけで抱え込もうとすることが多いです。
ご家族の皆様だけで抱え込んでしまうと、生徒様にとっても保護者様にとっても、ご家庭が苦しい場になってしまう可能性があります。
私自身も、そのようなご家族様をたくさん見てきました。
むしろ、悩むことは他の人に任せ、ご家庭では楽しい時間を過ごすのが一番大切です。
ここまで繰り返し書いてきた通り、「授業についていけない」という状況は、生徒様と保護者様だけに原因や責任があるということは全くありません。
どんなケースであっても、なんらかの形で環境や状況とのミスマッチがあるものです。
ご家族の皆様だけでどうにかする必要はありません。
また、先生は教育のプロです。
進学校の先生方は特に、日頃から熱心に情報収集をされている方が多いです。
これは塾講師も同様で、少なからず教育に関心をもち、専門的な知識や最新の情報を身につけています。
心理的なプレッシャーが強ければ、心理のプロであるスクールカウンセラーがいます。
こういった仕事に就いている人たちは、ご家庭ではなかなか入手しづらい情報や、さまざまな選択肢を持っています。
まずは、「ちょっとだけ話を聞いてみようかな」くらいの気持ちで、試しに少し頼ってみるのはいかがでしょうか。
「落ちこぼれたかも」には、チームで対応しよう
この記事では、進学校で落ちこぼれないためのポイントや、落ちこぼれてしまったときの対応をご紹介しました。
進学校には、熱意を持った先生方がたくさんいらっしゃいます。
だからこそ「授業についていけなくなる」リスクは高いですが、一方で、困った際に頼れる先はたくさんあります。
ぜひ、気軽に活用してみてください。
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