都立高校の受験を目指している生徒様にとって、避けては通れないのが共通問題の攻略ですよね。
共通問題校の受験にあたり、どのような対策をしていけばよいのか、お困りの保護者様は多いのではないでしょうか。
今回は、中学校3年生の担任経験もあるライターが、都立高校の「共通問題校」とはどのような学校なのかや共通問題の対策方法、ご家庭でできるサポートなどについてご紹介します。
目次
①「共通問題校」の定義
②「共通問題校」はどの高校?
2、共通問題校の入試傾向と対策
①「共通問題校」を受験する上で知っておきたいこと
②国語の入試傾向と対策
③数学の入試傾向と対策
④英語の入試傾向と対策
⑤理科の入試傾向と対策
⑥社会の入試傾向と対策
3、都立共通問題校受験のために、家庭内でできるサポート
①日々の悩みや不安を受け止める
②生徒様が落ち着いていられる環境を整える
4、最後に
1、共通問題校とは
都立高校は、第一次募集または分割前期募集において、一部の教科の問題を学校独自に作問し行う「自校作成校」と、都立高校の入試問題として作成された問題で入試を行う、「共通問題校」に分けられます。
ここでは、「共通問題校」の定義や該当する高校をご説明します。
①「共通問題校」の定義
「共通問題校」とは、都立高校の一般入試の第一次募集または分割前期募集において、都立高校の学力検査問題として作成された問題を用いる学校のことを指します。
ですので、「共通問題校」に分類される学校を受験する場合、受験校が違っても、同じ問題を解くことになる、ということです。
②「共通問題校」はどの高校?
「共通問題校」は、下記に紹介する、「自校作成校」と呼ばれる学校、「チャレンジスクール」や「エンカレッジスクール」に分類される学校以外の、全ての都立高校です。
(1)自校作成校
国語・算数・英語(リスニング問題を除く)の三教科の問題を独自に作成し、社会・理科の問題は都立高校入試の共通問題で学力検査を実施する学校が10校、英語一科目のみを独自に作成する高校が1校あり、これらの都立高校を「自校作成校」と言います。
●国語・算数・英語(リスニング問題を除く)の三教科の問題を自校で作成する高校(10校)
日比谷高校、戸山高校、青山高校、西高校、八王子東高校。立川高校、国立高校、新宿高校、墨田川高校、国分寺高校
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●英語の問題のみ自校で作成する高校(1校)
国際高校
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(2)チャレンジスクール
小中学生時代に不登校だった経験があったり、長期欠席等を理由に全日制の高校を中退した生徒を主に受け入れる学校が、「チャレンジスクール」と呼ばれる学校です。
調査書を用いず、また、学力検査を行わず、志願申告書、個人面接、作文で合否を判定するため、共通問題は私用しません。
●チャレンジスクール一覧(7校)
六本木高校、大江戸高校、世田谷泉高校、稔ヶ丘高校、桐ヶ丘高校、小台橋高校、令和7年4月開校予定の立川地区チャレンジスクール(仮称)
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(3)エンカレッジスクール
小中学校で十分能力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、社会生活を送る上で必要な基礎的・基本的学力を徹底的に身に付けることを目的とした「エンカレッジスクール」と呼ばれる学校では、入試では学力検査を行わず、調査書、面接、小論文や作文、実技検査の各得点を総合した成績で合否を判断するため、共通問題を利用しません。
●エンカレッジスクール一覧(6校)
蒲田高校、中野工科高校、練馬工科高校、足立東高校、東村山高校、秋留台高校
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2、共通問題校の入試傾向と対策
ここでは、都立高校入試の共通問題で合格点をとるために知っておきたい、各教科の問題の出題傾向や、対策方法についてお伝えしていきます。
どの学校を受験するとしても、最低2・3年分、できれば5年分は、時間を測りながら過去問を解いてみるようにしましょう。
共通問題には、同じような内容や形式の問題が繰り返し出題されていることも多いです。
「過去問で解けなかったところ=今の自分の弱点」。
わからなかったところは早めに復習をして、本番に備えましょう。
①「共通問題校」を受験する上で知っておきたいこと
出題範囲
共通問題の出題範囲は、学習指導要領で定められている、中学校までの学習範囲全てです。
学校で渡される教科書の範囲全て、と言えば、さらに捉えやすいでしょうか。
ですので、教科書内容を大きく超えるような内容は出題されることはありません。
だからこそ、特に進学指導特別推進校や進学指導推進校といった、共通問題校のなかでも受験生の学力層の高い学校では、一つの小さなミスが合否を分けるということもしばしば起こります。
ですから、一つひとつの問題を丁寧に解いていく必要があります。
試験形式
また、試験はマークシート形式で行われます。マークシートも、形式に慣れていないと思った以上に時間がかかってしまったり、思わぬミスをしてしまうことがあるので、事前に練習をしておくと良いでしょう。
基本的な対策方法
どの教科にも共通して言えることとして、教科書の章末問題や、学校で配布される教科書準拠の問題集レベルの問題は解けるようにしておきましょう。
テスト範囲じゃなかったから、提出する必要がなかったから、などの理由で、やっていないページがある教科書や問題集が眠ってはいませんか?
まずは、そのような問題に手をつけていくことが、これまでの学習範囲の復習にもなりますし、一冊をやりきったという経験が今後の自信にもつながります。
②国語の入試傾向と対策
(1)どのような分野の問題が出題されるのか
共通問題の国語は、
大問1:漢字の読み取り
大問2:漢字の書き取り
大問3:文学的文章
大問4:説明的文章
大問5:古典を題材にした鑑賞文や対話文
で、例年構成されています。
例年大問4では、「200字以内」と、ある程度長さのある作文の問題も出題されています。
(2)各分野の入試傾向
【大問1・大問2】
大問1、2の漢字の問題は、各2点で出題されます。
高校入試の漢字の問題としてはとりわけ難しいものは出題されず、特に大問2の漢字の書き取りの問題は、小学校6年間で習ったものの中から出題されることがほとんどです。
また、出題される漢字は、音読みと訓読みが、ほぼ半分ずつの割合で出題されています。
【大問3】
大問3の文学的文章は、用意された選択肢の中からもっともふさわしいものを選択する、選択形跡の問題で、1問5点の問題が5問出題されます。
2024年度は、「かがみの孤城」などで中学生にもなじみ深い作家である辻村深月の「この夏の星を見る」からの出題でした。
大問3で出題される素材文の主人公は、受験生とほぼ同年代であることが多く、高校入試としては標準レベルの文章が選ばれていると言えるでしょう。
【大問4】
大問4の説明的文章は、一問5点の選択肢の問題が4問に加えて、200字作文が10点分です。
人類学や歴史、美術など、素材文の話題も様々です。
どの問題にどのくらい時間をかけるのか、時間配分が重要な大問であると言えるでしょう。
【大問5】
大問5は、例年、いくつかの文章が出題されていますが、基本的には古文や漢文を読まなくてはいけないような問題ではないため、比較的難易度は高くないと言えるでしょう。
記号を選択して答える問題が5問出題されます。
文法問題も出題される点が大問5の特徴ではありますが、歴史的仮名遣い、助詞の意味と用法、言葉の係り受けについての問題がよく出題されています。
(3)攻略するためのコツ・勉強方法
【大問1・大問2】
大問1・2の漢字の問題に関しては、漢字検定4級までの漢字をしっかり読み書きできるようにしておきましょう。
【大問3・大問4】
大問3・4の選択肢を選ぶ問題は、選択肢が比較的長いため、細かい違いに注意しながら正確に読み解く必要があります。
月に1冊程度のペースで構わないので、中学・高校生向けの新書を読むことも、語彙に慣れたりするうえで効果的だと思います。
200字作文は、最低限180字以上書くことが最低条件です。
テーマについての筆者の主張と自分の意見を問われることがほとんどなので、1.2割程度で筆者の考えの要約、残りの部分で、それに対する自分の考えが述べられるように練習しましょう。
【大問5】
大問5は、「誰が・何に対して・どのように考えているのか」を整理しながら読むことが必要です。
また、繰り返し出題されている文法の問題は、類題をたくさん解いてしっかりと身につけましょう。
③数学の入試傾向と対策
(1)どのような分野の問題が出題されるのか
共通問題の数学は、
大問1:小問集合
大問2:文章問題
大問3:二次関数
大問4:平面図形
大問5:空間図形
で、例年構成されています。
出題分野で見ると、計算問題はさることながら、作図や証明、円、平面図形、空間図形などの分野は、毎年欠かさず出題されています。
また、一次関数の問題は奇数年度に、データの活用と確率の問題は隔年で出題されており、2024年度入試ではデータの活用の問題が出題されていることから、2025年度は確率の問題が出題されると予想できます。
(2)各分野の入試傾向
【大問1】
大問1の問1~問6は、基本の計算問題と言えます。
どの高校を志望する生徒様にも正解してほしい問題です。
例年、√を用いた計算や連立方程式や二次方程式の問題が出題されます。
問7番は、確率や資料の活用、関数の問題が出題されます。
2024年度ははじめて箱ひげ図の問題は出題されました。
そのため、2025年度入試でも新たなタイプの問題が出題される可能性があります。
新しい傾向の問題が出題されたとしても、焦らず向き合うことが大切です。
【大問2】
大問2の問題は、例年、「先生が示した問題」をもとに、生徒が問題を作るという設定になっています。
2024年度は、平行線と平行四辺形、三角形の性質を利用する問題でした。
問2は毎年、証明の問題になっています。
【大問3】
大問3は二次関数の問題です。
放物線の変域を求める問題、特にXの変域に0を含む問題は、都立入試の共通問題に限らず、高校入試全般でよく出題される問題なので、しっかり理解しておきたいですね。
また、放物線上の2点を通る直線を求める問題も、共通問題では毎年のように出題される問題だと言えます。
【大問4】
大問4の平面図形の問題は、合同や相似と関連付けて出題される傾向があります。
やや複雑な問題になるため、落ち着いて条件を整理する力が求められます。
【大問5】
大問5は空間図形の問題ですが、平面図形や、三平方の定理と関連付けて出題されることが多いです。
(3)攻略するためのコツ・勉強方法
共通問題の数学は、基礎的・基本的な問題が多く、また出題パターンもある程度固定化されていると言えます。
つまり、同じ解法の問題が、数字や設定を変えて、繰り返し出題されているということです。
ですので、対策を立てやすいと言えるでしょう。
まずは基礎計算力をしっかり身につけたうえで、教科書の章末問題レベルの問題をきちんと解ききれるようにするのがポイントです。
中学3年生の秋を迎えたら、一度過去問を解いてみて、解き方が分からない問題があったら徹底的に復習を行いましょう。
高得点を目指すのであれば、証明や大問の後半のほうの問題に時間をかけたいので、大問1の小問集合や、各大問のはじめの問題は確実に、かつ速いスピードで解けるようにできるとよいですね。
④英語の入試傾向と対策
(1)どのような分野の問題が出題されるのか
共通問題の英語の問題は
大問1:リスニング
大問2:図表の読み取り(500語程度)
大問3:対話文の読解(650語程度)
大問4:物語文の読解(650語程度)
の、大問4問構成です。
記述の問題も日本語ではなく、英語で書かせる問題が出題される点が特徴です。
(2)各分野の入試傾向
【大問1】
大問1のリスニングの問題は、AとBの二つのパートに分かれています。
Aのパートは、対話文を聞いて、質問に答える問題です。
Bはスピーチを聴いて、聞き取った英文を書き取る問題で、他の公立高校の入試ではあまり見ない形式だと言えるでしょう。
【大問2】
大問2の図表の読み取りに関しては、2024年度入試では、目的地までの所要時間を参考に解く問題が2019年度ぶりに、地図をもとに目的地までの道のりについて話し、目的地のある方向について答える問題が2014年ぶりに出題されるなど、近年あまり見かけなかった形式の問題が出題されました。
そのため2025年度も、過去に出題されていた形式の問題が出題可能性は大いにあると言えるでしょう。
また、大問2の問3では、例年、12点相当の英作文が出題されています。
英作文の問題の特徴は、「三文で書く」という指定があるということです。
これがなかなかむずかしいので、過去問なども利用しながら、練習をしておきましょう。
【大問3】
大問3は、少し長めの会話文を読む問題です。
使われている語彙のレベルはそこまで難しくはなく、英検3級レベル程度の力があれば十分に太刀打ちできる問題でしょう。
また、基本的には傍線部の近くの部分を読めば答えにたどり着けることが多い点も特徴です。
そうはいっても、実際に問題を解くときは、一度ははじめから終わりまで目を通し、文章全体の内容を掴んでおきましょう。
【大問4】
大問4番は、物語文の読解問題です。
英語の問題のなかで、最も苦手意識を持っている人が多いのが、この物語の読解問題なのではないでしょうか。
それなりに分量はありますが、丁寧に読んでいけば、全く歯が立たないということはないでしょう。
例年、指示語など、傍線部の示す内容を答える問題、本文のストーリーに沿って選択肢を並び替える問題、本文の内容について問う問題が2問程度出題されます。
(3)攻略するためのコツ・勉強方法
共通問題は、試験時間50分のうち、はじめの10分間はリスニング問題に使われます。
そのため、実質40分間で、17問の選択式の問題を解き、さらに英作文を1つ書かなければならない計算になります。
問題の難易度自体は、高校入試としてはそこまで高くはないですが、スピード勝負と言えるかもしれません。
問題演習の際は、時間を意識しながら解きましょう。
リスニング問題の英文が読まれるスピードは、英検3級のリスニングのスピードよりも若干早いように感じられます。
自分でリスニングの学習をする際は、スピードを1.25倍にするなど、スピードに慣れておくとよいでしょう。
大問3・4では、指示語などの傍線部の内容を問う問題が多く出題されているので、ある程度の長さの文章を読むときは、何・誰のことを指しているのか、必ず確認しながら読む癖をつけていくとよいです。
また、対話文や長文に特化した問題集もあるので、そういった問題集をやってみるのも効果的かもしれません。
都立入試の共通問題では、特に難問・奇問の類の問題は出題されません。
しかしながら、中学校の教科書に出てくるくらいのレベルの単語力はしっかり身につけておく必要があります。
⑤理科の入試傾向と対策
(1)どのような分野の問題が出題されるのか
理科は、「自校作成校」と呼ばれる高校を受験する生徒も、共通問題を解きます。
共通問題の理科の問題は、物理・化学・生物・地学の各分野から、バランスよく出題されています。
2024年度入試では、
大問1:小問集合
大問2:小問集合
大問3:地学(天体)
大問4:生物(植物)
大問5:化学(イオン、物質の特徴)
大問6:物理(運動とエネルギー、力)
の、大問6問構成でした。
(2)各分野の入試傾向
共通問題で特徴的なのは、大問2だと言えるでしょう。
例年、各分野から1題ずつ、レポートを読んで答える問題が出題されます。
毎年問題文が長いため、丁寧な読解を行い、必要な情報を的確に集める力が求められていると言えます。
また、2024年度入試には文章の記述問題が数年ぶりに2題出題されているため、2025年度も記述の問題は練習しておきましょう。
【物理分野】
物理分野では、ここ数年、電流と磁界に関する問題、運動や力に何連する問題が毎年出題されています。
光に関する問題も、2020年以降、2021年以外は毎年出題されており、頻出問題と言えます。
【化学分野】
化学分野では、化学変化とイオン、物質の特徴を問う問題が毎年出題されています。
また、化学分野の問題の特徴として、計算問題を伴うことも多い点が指摘できます。
【生物分野】
生物分野では、人体や植物に関する問題が頻出です。
数年前までは遺伝や生殖の問題もよく出題されていましたが、最近はあまり出題頻度が高くないため、そろそろ出題される可能性もありそうです。
【地学分野】
地学分野は、天気と天体の問題が毎年出題されています。
それ以外の分野として、岩石、地震、地質の問題がよく出ています。
2023年度が岩石、2024年度が地質の問題でしたので、2025年は、地震に関する問題に注意しておきましょう。
(3)攻略するためのコツ・勉強方法
共通問題の理科は、ただ用語を覚えたり公式を覚えるだけでは太刀打ちできない問題も多くある点が特徴です。
図を使ったり実験や観察に関する問題、計算を用いる問題なども多く出題されています。
これらの問題が、どの学校でも合否を分ける問題になると言えるでしょう。
また、問題の前置きが長く、わかりにくいため、重要なところには線を引いたり、印をつけながら読み、必要な情報を確実に集めていくことが、攻略のコツになります。
対策としては、頻出の分野の基本的な知識や、主な実験器具や指示薬等の使い方や変化、化学反応式や電離式などについて、しっかりポイントをおさえておきましょう。
また、3年生の秋以降に習うことが多い天体の分野は、他の分野に比べて演習できる時間がどうしても少なくなるので、その分、短期集中で確実に学習を自分のものにしていきましょう。
⑥社会の入試傾向と対策
(1)どのような分野の問題が出題されるのか
社会も理科と同様に、「自校作成校」を受験する生徒も共通問題を解くことになります。
共通問題の社会は、日本地理、世界地理、歴史、公民のそれぞれの分野からの出題割合がほぼ同じくらいなので、日本地理と世界地理をまとめて「地理」と考えると、2:1:1の割合で出題されています。
どの分野も、幅広い単元から出題されるため、高得点を狙うには、広く・深く学習していることに加えて、与えられた情報から出題の意図を読み取り、適切な答えを導き出す力が求められていると言えます。
例年、
大問1:小問集合
大問2:世界地理
大問3:日本地理
大問4:歴史
大問5:公民
大問6:総合
の、大問6問構成です。
【大問1】
2024年度は、大問1の小問集合では各分野の基本的な用語の選択問題に加えて、地形図を読み取り、道順を並べ替える問題が出題されました。
似たような選択肢があり、混乱してしまった受験生も少なくなかったのではないでしょうか。
【大問2】
大問2では、資料や統計情報の読み取りなどが例年出題されています。
2024年度も、問題文から適切な雨温図を選択するような問題が出題されました。
【大問3】
日本地理についての問題が出題される大問3でも、資料から読み取ったことを文章で記述する問題が出題されています。
【大問4】
大問4の歴史の問題でも、記述の問題は出題されています。
また、正しい年代順に並び替える問題が3問出題されており、歴史についての正確な知識が求められていると言えます。
【大問5】
大問5の公民分野でも、グラフや資料から読み取ったことを記述する問題が出題されています。
出題分野としては、基本的人権についてなど、比較的平易な問題だったと言えるでしょう。
【大問6】
最後の総合問題は、条件に合わせて正確にグラフを読み取らなくてはならない問題が出題され、苦労した受験生も多かったのではないでしょうか。
(2)各分野の入試傾向
全体的に資料を読み取る問題が多く、「社会は暗記」という考え方では通用しないということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
【地理分野】
世界地理の分野でよく出題されるのは、世界の気候や生産、輸出が盛んなもの、世界一長い河や高い山などの特徴的な地形、宗教などに関連した問題です。
日本地理では、特徴的な気候や、地域を支える産業についての問題が頻出です。
また、記述問題が出題されることも多くありますので、練習を重ねておきましょう。
【歴史分野】
歴史分野では、選択肢を古い順に並び替えたり、年表のどこに当てはまるかを問う問題が多く出題されます。
特に、江戸時代の改革を行った人物は繰り返し出題されていますので、しっかり覚えておきましょう。
世界史に関しては、ここ2・3年は近現代史が続けて出題されていますので、そろそろ、また近世の問題も狙われやすいのではないかと思います。
【公民分野】
公民分野は、思考力・判断力・表現力を問う記述問題に要注意です。記号で答える問題は、人権に関する問題、特に「自由権」「平等権」「社会権」などに該当する選択肢を選ぶ問題が頻出です。
【総合問題】
大問6は分野融合的な問題で、各分野の学習をしっかりしていれば十分に対応できるでしょう。
(3)攻略するためのコツ・勉強方法
共通問題に限らず、近年の高校入試の社会の問題では、語句そのものを答えるのではなく、語句の意味や説明を理解しているかどうかが問われる傾向にあります。
地理分野においては、各国、各県ごとの特徴だけではなく、その地域全体の特徴や歴史的な背景も知っておくとよいでしょう。読み物的に地図帳や資料集を見ておくことをお勧めします。
歴史的な分野に関しては大問6も含め、世界の主なできごとと、その時代の日本の出来事を組み合わせるような問題が多く出題されるので、最近の時事的な内容も含めて、日本と世界とのつながりを普段から意識しておきましょう。
3、都立共通問題校受験のために、家庭内でできるサポート
高校受験は、生徒様にとっても保護者様にとっても一大イベントですよね。
これまでとは想像もつかないようなプレッシャーと不安がかかる上に、反抗期も重なり、どのように生徒様と接したらいいか、お悩みの保護者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでここでは、生徒様の都立共通問題校受験のために、ご家庭の中でできるサポートや声掛けの仕方について、お伝えします。
①日々の悩みや不安を受け止める
受験に対してだけではなく、普段の生活の中で、生徒様は様々な悩みを抱えていたり、気持ちが落ち込んでいる日もあるはずです。
保護者様にできる最大のサポートは、生徒様のよき理解者であり、応援者でいることです。
ただ頷きながら話を聞いたり、生徒様が自分から話をしなかったとしても、「いつも気にかけているよ」という姿勢を見せることが大切です。
②生徒様が落ち着いていられる環境を整える
集中して学習できる環境はもちろんですが、生徒様が心を落ち着かせられるような空間を家庭の中に作ることも、受験期の生徒様を抱えるご家庭にとって、非常に重要なことです。
生徒様に自分の部屋がない場合も、ほんの小さな空間でも構わないので、生徒様が一人になって考え事をしたり、心を整理したりする場所と時間を作ることで、精神的な安定につながります。
4、最後に
今回は、都立高校の「共通問題校」の受験を考えている生徒様をお持ちのご家庭に向けて、共通問題校攻略のための方法をお伝えしました。
共通問題の出題範囲は、中学校の学習指導要領で定められたすべてです。
つまり、学校で配布されている教科書の内容だと考えるとよいでしょう。
しかし、各教科の入試問題の形式やよく出題される範囲を分析してみると、ある程度学習の方針が立てやすくなるので、本記事の内容をぜひご活用ください。
生徒様・保護者様二人三脚で、ステキな春を迎えられるようお祈りしています。
【参考】
晶文社学校案内編集部(2024)「首都圏高校受験案内2025年度用」晶文社
声の教育社(2024)東京都立高校 2025年度用 7年間スーパー過去問
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