1. 日能研入塾テストとは?特徴・出題範囲・出題傾向

日能研に入塾するには、6つのテスト機会があります。これらのテストは、日能研各校舎にて開催されています。

その中でも最も多くの生徒様が受験するのが「全国テスト」です。
まずは、日能研入塾テストの種類や特徴、出題範囲、出題傾向について詳しく解説します。

①日能研入塾テストの種類と内容
②日能研入塾テスト(全国テスト)の出題範囲と特徴
③過去問から見る日能研の出題傾向
④日能研入塾テストに対策が必要な理由

 

①日能研入塾テストの種類と内容

(1)全国テスト

科目 国語、算数(2科目)
試験時間 各40分
難易度 学年相当の学習内容が半分以上
開催頻度 年約6回
費用 無料
テスト結果 「Nポータル」で確認可能

 

(2)入会資格テスト

・「全国テスト」と基本的な実施要項は同じで、名称を変更して行われます

 

(3)学ぶチカラテスト

科目 国語・算数・総合(3科目)
試験時間 各40分(小学2年生の「総合」は25分)
難易度
国語・算数:全国テスト同様
総合:思考力を問う記述問題が中心
開催頻度 年1回(12月)
費用 無料
テスト結果 「Nポータル」で確認可能

 

(4)個別入室テスト

科目 国語・算数
試験時間 各40分
難易度 通常「全国テスト」「入会資格テスト」「学ぶチカラテスト」の国語、算数の問題が用いられます
費用 無料
備考
各教室で随時実施され、教室への個別申込みが必要
手採点のため、成績表は出力されません

 

(5)仕上げテスト

概要 日能研の期間講習(春・夏・冬)を受講後、その内容の理解度を確認する復習テスト
目的 入塾資格・クラス分けに使用
備考 すでに中学受験の勉強を始めている生徒様向け

 

(6)全国公開模試

目的
4・5年生:偏差値測定
6年生:志望校の合格可能性判定
科目 通常は4科目もしくは2科目(国・算)を選択/特例時は2科目(国・算)
費用 通常は有料/特例時は無料
備考 通常は入塾に使用しないが、特例で入塾テストに流用されることあり

▼日能研の「全国公開模試」については、以下ページをご覧ください。

日能研の「全国公開模試」とは?対策方法について解説!

 

 

②日能研入塾テスト(全国テスト)の出題範囲と特徴

日能研入塾テスト(全国テスト)では、公立小学校の学年相当の学習内容が半分以上を占めています。ただし、単なる知識を問う問題ではなく、思考力・記述力・読解力を求められる問題が多いのが大きな特徴です。

特に算数では、B4判で10ページにわたる問題冊子が用意されることも珍しくありません。これは、計算問題や図形問題の量が多いためではなく、問題文が非常に長いことによるものです。

 

また、学校のテストとは形式が異なり、問題冊子と解答用紙が分かれているほか、各教科ごとに受験番号や名前を記入する必要があります。こうした形式に慣れていないと、戸惑う生徒様も少なくありません。

 

③過去問から見る日能研の出題傾向

日能研のテストでは、知識の正確さだけでなく、考え方や表現力も重視されます。

たとえば、過去に小学3年生の算数で出題された問題の一例は以下の通りです。

「じゃんけんはみんな知っていますね。2人の手がチョキとパーなら、チョキの方が勝ち。2人の手がパーとグーなら、パーの方が勝ち。2人の手が同じ場合は『あいこ』といって引き分けになります。この場合は、もう一度同じようにどれか1つの手を出す。そのルールが誰にもわかるよう、あなたが自由に上手く説明してみましょう」(要約)

この問題に対して、B4判の解答用紙の半分程度のスペースを使って、自分の言葉で答えを書きます。

このような問題は、上位校が求める「思考力」「発想力」「表現力」を育むために、日能研が四半世紀近く前から取り入れてきた出題形式です。
日能研は、「シカクいアタマをマルくする」という理念のもと、このような思考力を重視した出題にこだわっています。

④ 日能研入塾テストに対策が必要な理由

日能研の入塾テストは、一般的な小学校のテストとは以下の点で大きく異なります。

1.問題冊子と解答用紙が分かれている
2.各教科ごとに、解答用紙へ「受験番号(日能研番号)、名前、ふりがな、性別」を記入する必要がある
3.各教科の問題はB4判で10ページ前後あり、全教科の問題が1冊に綴じられている

テスト本番では、厚みのある問題冊子を読みながら、解答用紙の指定枠に正確に記入することが求められます。初めて受ける生徒様は、この形式に戸惑いやすく、実力を十分に発揮できないこともあります。
そのため、事前にテスト形式に慣れておくことが非常に重要です。

 

2. 日能研入塾テスト(全国テスト)の合格ラインと難易度

日能研全国テストを受けるにあたって、気になるのが「どのくらい取れれば合格なのか」「問題の難しさは?」といった点ではないでしょうか。

ここでは、合格ラインの目安やテストの難易度、さらに入塾後のクラス分けへの影響について詳しく解説します。

①合格ラインの目安
②難易度
③クラス分けへの影響

 

①合格ラインの目安

合格ラインの目安は、国語と算数の合計で得点率60%程度とされています。
「偏差値ではどのくらい?」と聞かれることもありますが、偏差値は相対的な合格可能性を示す指標であり、各塾の模試によって数値は異なります。そのため、偏差値の数字に過度にとらわれないことが大切です。

 

②難易度

テストの難易度は、極端に高いわけではありません。出題の半分以上は、小学校の学年相当レベルに準じた内容となっています。
たとえば、「小学校3年生の時点で、小数や割合まで理解しておく必要があるのでは?」と不安に感じる保護者様もいらっしゃいますが、そのような早期の知識は求められていません
それよりも大切なのは、普段通りの力を落ち着いて発揮できるかどうかです。テストに向けて特別な先取り学習をするよりも、今の学びを着実に積み重ねることが何より重要です。

 

③クラス分けへの影響

入塾後のクラス分けは、基本的には入塾テストの得点によって決まります。

ただし、以下の点に注意が必要です。

<地域による基準の違い>
首都圏・関西・東海など、地域によって中学受験の競争率や受験校のレベルが異なるため、クラス分けの基準も若干違ってくる場合があります。

<校舎ごとのクラス数>
たとえば、A校舎では5クラス、B校舎では3クラスというように、校舎によって設けられているクラス数が異なるため、同じ得点でも所属するクラスが異なる可能性があります。

 

3. 日能研入塾テスト対策|学年別・教科別のおすすめ勉強法

日能研の入塾テストでは、学年に応じた基礎学力に加え、思考力や読解力が求められる問題が出題されます。合格ラインを目指すには、日々の学習をコツコツと積み重ねていくことが大切です。

ここでは、学年ごとの特徴に応じた対策ポイントと、国語・算数それぞれの教科別におすすめの勉強法を紹介します。

①学年別の対策・勉強法
②教科別の対策・勉強法

 

①学年別の対策・勉強法

(1)2〜3年生の対策・勉強法

出題の約50〜60%は、小学校の学年相当の内容です。まずは、読み書きや計算といった基礎を確実に身につけることが重要です。繰り返し練習を行い、基礎力をしっかり固めていきましょう。
特に計算問題は、正確に解くことを意識し、一度で正解できるようにする練習が大切です。

 

上位クラス合格を目指す場合は、低学年のうちから読書習慣を身につけたり、自分の言葉で文章を書くことに慣れておいたりすることが、記述力や思考力を育てる土台になります。

 

(2)4年生前半の対策・勉強法

基本的な対策は、2〜3年生と同様に学年相当の読み書きや計算力をしっかりと身につけることです。
ただし、4年生になると、覚える漢字や計算の範囲が広がるため、学習した内容はその都度復習し、取りこぼしがないようにしましょう。

 

また、日々の学習の中で「なぜそうなるのか」と考える習慣をつけておくと、テストでも応用力を発揮しやすくなります。

 

(3)4年生後半・5年生の対策・勉強法

この時期になると、中学受験に向けた本格的な学習が始まります。
そのため、出題には小学校の学習内容に加え、日能研のカリキュラムに沿った応用的な内容が含まれることもあります。

未習の内容が出題されることもありますが、焦らずに、まずは基本的な問題を確実に解くことに集中しましょう。

 

②教科別の対策・勉強法

(1)国語の対策・勉強法

<2年生・3年生・4年生前半>

・小学校で習う漢字の読み書きを確実に身につけましょう。

・物語文や説明文について「どんなお話だった?」と問いかけ、自分の言葉であらすじを話す練習を日常的に取り入れると、読解力の土台づくりに効果的です。

<4年生後半・5年生>

・漢字の読み書きは引き続き丁寧に取り組むことが大切です。

・文章量が増えてくるため、集中力を持続させる工夫が必要です。タイマーで時間を区切りながら、集中して文章を読む練習を取り入れてみましょう。

・文章の要点を整理して伝える「要約」の練習を取り入れると、記述問題への対応力が身につきます。

 

(2)算数の対策・勉強法

<2年生・3年生・4年生前半>

・学年相当の計算問題に繰り返し取り組み、スピードと正確さの両方を意識して練習しましょう。

・空間把握力(図形のセンス)は算数において大きな武器になります。折り紙や工作など、楽しみながら図形に触れる経験も積極的に取り入れましょう。

<4年生後半・5年生>

・計算練習はこれまでと同様に、一度で正解できる力を養うことが基本です。確実に解ける力を身につけましょう。

・図形問題や文章題に対して苦手意識を持たないよう、日頃から「説明をよく読む・よく聞く」姿勢を意識しましょう。

・日常の学習でも、「読む → 理解する → 考える」という流れを意識することで、応用問題にも柔軟に対応できるようになります。

 

4. 家庭でできる日能研入塾テスト対策|保護者様のサポート方法

入塾テストの対策は、生徒様本人の努力だけでなく、家庭での環境づくりや保護者様の声かけが大きな支えになります。
ここでは、日々の生活の中で無理なく取り入れられるサポート方法を2つご紹介します。

①読解力を伸ばすための習慣づくり
②「レ」印(無回答)を活用した家庭での復習

①読解力を伸ばすための習慣づくり

日能研の入塾テストでは、なぜ文章量の多い問題が出題されるのでしょうか?
それは、中学受験で特に重視される「読解力」が、すべての教科の土台となる力だからです。
読解力は国語だけでなく、算数・理科・社会といった他教科の学習にもつながる、根本的な「学ぶ力」です。

たとえば、生徒様が学校で読んだ文章について「どんなお話だった?」と声をかけるだけでも、立派な読解のトレーニングになります。


読書が苦手な生徒様には、段落ごとや2〜3行ごとに区切って一緒に朗読し、「今のところ、どういう意味だと思う?」と優しく問いかけてみましょう。楽しみながら少しずつ読み取る力を育むことができます。

 

②「レ」印(無回答)を活用した家庭での復習

日能研の「全国テスト」などを受けると、成績はインターネット上で確認できます。全国順位に目が行きがちですが、それ以上に注目してほしいのが、設問ごとの「◯×レ」の表記です。

・「◯」…正解

・「×」…不正解

・「レ」…無回答

この「レ」印は、復習のヒントとして非常に有効です。時間が足りなかったのか、問題文をうまく読み取れなかったのか、答え方が分からなかったのか。原因を一緒に振り返ってみましょう。


特に正答率が50%以上の問題に「レ」印がついていた場合は、単なるミスではなく、その単元の理解が不十分である可能性が高いと考えられます。時間があるときに生徒様と一緒に問題を見直し、「どこでつまずいたのか」を確認してあげると、次回のテストでのステップアップにつながります。

 

しかし、「忙しくてじっくり見る時間が取れない」「どこまで理解できているのか分からない」と不安を感じることもあるかもしれません。
そんなときは、家庭教師によるサポートを活用するのも一つの方法です。生徒様の理解度や性格に合わせた丁寧な指導で、無理なく入塾テスト対策を進めることができます。
ご希望があれば無料体験授業も可能ですので、日能研の入塾テスト対策でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

▼当会では、日能研生への指導に特化した家庭教師をご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。

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5. 日能研入塾テストに関するよくある質問

日能研入塾テストについて、よくある3つの疑問についてわかりやすく解説します。

①入塾テストは何年生の何月に受けるのがベスト?
②複数回受けるメリットはある?
③入塾テストに落ちたらどうする?

 

①入塾テストは何年生の何月に受けるのがベスト?

(1)「3年生10月」テスト受験→「新4年生2月」入塾がベスト!

中学受験を見据える場合、日能研への入塾は「新4年生の2月開講」から始めるのが最適です。多くの進学塾がこのタイミングから3年間のカリキュラムを本格スタートさせるため、スムーズに受験対策を進めることができます。

この「新4年生の2月開講」に間に合わせるためには、3年生の10月ごろに実施される「全国テスト」などの入塾テストを受けておくのが理想です。

 

(2)春期講習からの合流でクラスアップを狙うのも手!

「新4年生2月開講」に間に合わなかった場合は、春期講習(3月〜4月)からの合流を検討するのも一つの方法です。 春期講習では、2〜3月に日能研で扱った内容をコンパクトに復習できるため、入塾のタイミングを逃してしまった生徒様でもキャッチアップしやすくなっています。

また、講習の最後に行われる「仕上げテスト」では、実際のクラス分けも行われます。このタイミングでしっかり結果を出せば、最初から上位クラスに入ることも可能です。

 

(3)5年生以降の入塾には注意が必要

5年生の夏期講習から日能研に入塾する生徒様もいます。しかし、この時期からの入塾は、中学受験のスタートとしては遅い場合があり、すでに学力に差がついていることもあります。

生徒様本人の努力はもちろん、ご家庭での手厚いサポートや、家庭教師によるサポートを活用して、確実に理解を積み重ねていくことが求められます。

 

②複数回受けるメリットはある?

複数回の受験には、大きく2つのメリットがあります。

1つ目は、テスト慣れによる緊張の軽減です。小学生にとってテストの雰囲気に慣れることは非常に重要で、本番で実力を出し切るための準備になります。

2つ目は、環境への適応と自信の積み重ねです。何度か足を運ぶうちに教室の雰囲気に慣れ、先生とも顔なじみになってくることで、安心して受験に臨めるようになります。

 

③入塾テストに落ちたらどうする?

入塾テストで思うような結果が出なかった場合でも、再チャレンジの機会があります。日能研では、学年や時期に応じて複数回の受験機会が用意されているため、次回に向けて準備を進めることができます。

 

また、教室によっては「補習授業」や「学び直しプラン」などを通じて、再受験に向けたサポートが受けられる場合もあります。理解が不十分な単元や苦手分野を重点的に復習することで、弱点を克服し、自信を持って次回のテストに臨めるようになります。

焦らず、長期的な視点で基礎を固めることが、合格への確かな一歩につながります。

 

まとめ|日能研入塾テストに向けて、効率的な対策をはじめよう

今回は、日能研の入塾テストに向けた具体的な対策を学年別・教科別にご紹介しました。

上位クラスを目指すうえで大切なのは、「読むことが好きになる」ことです。これは入塾テストだけでなく、中学受験やその先の学びにもつながる大きな力になります。

 

ご家庭でのサポートが難しい場合は、家庭教師など第三者の力を借りるのも一つの方法です。生徒様の性格や理解度に合わせた指導で、モチベーションを引き出しながら学習を進めることができます。

ぜひ今回の内容を参考に、生徒様が自信を持って入塾テストに臨めるよう、準備を進めていきましょう。

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