1. 【中学受験&高校受験】何が違う?どっちが大変?比較表
中学受験と高校受験では、受験する年齢だけでなく、取り巻く環境や求められる対策が大きく異なります。まずは両者の基本的な違いを一覧表で確認してみましょう。
| 比較項目 | 中学受験 | 高校受験 |
| 受験年齢 | 12歳(小学6年生) | 15歳(中学3年生) |
| 受験割合 | 東京都の私立中学進学率:19.9%(※1) 首都圏の中学受験率:18.1%(※2) |
東京都公立中学校卒業者の高校進学率:98.4%(※3) 全国の高校進学率:98.7%(※4) |
| 年間学習費総額(※5) | 公立中学校:年約54万円 私立中学校:年約156万円 |
公立高校:年約60万円 私立高校:年約118万円 |
| 内申点の重要性 | 小学校の内申点は、受験にほとんど影響しない | 中学校の内申点は、受験の合否に影響する可能性が高い |
| 負担について | 【親】塾等のスケジュール・タスク管理、送迎、お弁当作り 【子】小学生のうちに遊ぶ時間や自由時間を削ることになる |
【親】思春期・反抗期の子どもとの関わり 【子】定期テストや提出物など、内申点獲得のプレッシャー |
※1:PULMO「2026年最新東京23区の私立中学進学率ランキング」
※2:首都圏模試センター「私立・国立中学校の受験者総数」
※3:東京都教育委員会「令和7年度公立学校統計調査報告書」
※4:文部科学省「第14回高等学校教育の在り方」
※5:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
このように比較してみると、受験の仕組みが大きく異なっていることが分かります。
多くの保護者様が抱いている「子どもと親にとって、どちらがどれくらい大変なのか?」という疑問に対しては、「大変さの質が異なる」というのが1つの答えです。
中学受験は、まだ自分自身で受験勉強やスケジュール管理、モチベーションの維持などが難しい小学生を、保護者様が全面的にバックアップする「親子二人三脚」の大変さがあります。
一方で高校受験は、生徒様自身に勉強の管理を任せられることが増えていくでしょう。
しかし、勉強やスケジュール管理などがうまくいかない時に、保護者様が介入したくても、思春期や反抗期であるために介入が難しいケースも多くあります。そのため、保護者様は「見守ることしかできない」という辛さがあります。
2. 【徹底比較】中学受験と高校受験の違いとは
中学受験と高校受験、それぞれの受験が持つ性質の違いを「偏差値・試験内容・保護者様の負担・費用」という4つの視点からより深く比較します。
地頭が必要な中学受験 vs 努力と内申の高校受験
「中学受験と高校受験はどっちが難しいの?」という疑問に対しては、それぞれ難しさの種類が異なるため、一言では回答できないのが事実です。
中学受験の入試問題は、小学校の学習指導要領から逸脱した特殊算や、高度な論理的思考力が求められます。早期の専門対策が必要であり、「地頭(抽象的な概念を早く理解する力)」が要求されるため、問題の難易度や特殊性としては中学受験の方が高いと言えます。
一方、高校受験の試験問題は、一般的に中学校の学習指導要領の範囲内から出題されます。
学校のレベルによる難度の差はあるため一概には言えませんが、基本的には中学校での日々の勉強を積み重ねることで「努力すれば解ける」ものが出題のベースです。
ただし、高校受験には「内申点」という大きな壁が存在します。例えば東京都立高校の一般入試では、選考比率が「学力検査7:内申点3」となっており、主要5教科だけでなく音楽・美術・保健体育・技術家庭科の副教科が2倍で計算される仕組みです。
(参考:調査書点の点数化について/東京都教育委員会)
どれだけペーパーテストの点数が良くても、中学校での提出物や授業態度、副教科の得意不得意などによって、高校受験の方が「内申点を獲得する難しさ」を感じる生徒様もいます。
中学受験の偏差値50と高校受験の偏差値50は全く別物
模試の偏差値を見て、一喜一憂する親子は多いでしょう。しかし、「中学受験の偏差値50と高校受験の偏差値50は、その数字の持つ意味が全く異なる」ということを知っておく必要があります。
なぜなら、それぞれの模試を受ける「母集団(受験生全体)」の規模と学力層が違うからです。
中学受験の場合は、受験率が約20%ということから、受験をするのは「小学生全体のうち少数の子ども」であることがわかります。かつ、その2割は「学力の高い層・教育熱心層」なので、中学受験の偏差値50は「高学力層の中の平均」ということになります。ライバル全体のレベルが高いことから、難易度が高くなりやすいと言えます。
「中学受験の模試で偏差値が50だったから、うちの子は平均レベルなんだ」というわけではないことを知っておくと良いでしょう。
一方で高校受験は、学力の高い層だけでなく、公立中学校へ通っている子どものほとんどが受験するため、高校受験での偏差値50は「同年代全体の平均」であると考えられます。
このように、同じ偏差値50でも中学受験と高校受験では別物であり、一般的に中学受験の偏差値50は、高校受験の偏差値に換算すると「偏差値60〜65に相当する」と考えられています。
費用総額|中高6年間のトータルコストで見る、私立と公立の差
進路を決める上で、経済的なシミュレーションは避けて通れません。
中学受験する場合には、小学校4年生から6年生までの中学受験塾の費用や、必要に応じた家庭教師の併用費用などがかかります。それだけでなく、私立と公立では進学後にかかる学費も大きく異なります。
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」のデータを基に、公立と私立の中学校・高校のコストを比較してみましょう。
| 公立 | 私立 | |
| 中学校 | 約162万円(年約54万円) | 約468万円(年約156万円) |
| 高校 | 約180万円(年約60万円) | 約354万円(年約118万円) |
この調査結果によると、学習費総額の平均は、公立中学校と私立中学校では3年間で約300万円の差があります。 中高6年間のトータルコストは、中高共に公立に進んだ場合が約342万円であるのに対し、中学受験をして私立の中高一貫校に進んだ場合は約822万円となります。
調査結果はあくまで平均であり、学校や塾の頻度などによって変わりますが、中学受験・高校受験のどちらにしても、私立の場合は長期的な資金計画が必要となるため、進学後の費用まで考慮しておきましょう。
お弁当・送迎・スケジュール管理…「親の負担」はどう変わる?
保護者様の負担という面においても、中学受験と高校受験ではまったく種類の異なる大変さがあります。
中学受験は「親の受験」とも言われ、主に小4〜6年までの約3年間、塾の膨大な宿題の管理、プリントの整理、日々の送迎、塾用のお弁当作りなど、保護者様の物理的・精神的な負担が非常に大きいのが特徴です。
高校受験になると、自分でスケジュールを管理したり通塾したりできる子どもが増えてくるため、保護者様の物理的な負担は劇的に減少します。
しかし、この時期は「思春期・反抗期」の真っ只中です。大人の言うことに耳を貸さなくなる子どもに対し、内申点や志望校のことで焦りを感じつつも、感情的に口を挟まずに「一歩引いて見守る」という、メンタル面での忍耐強さが求められます。
3. 中学受験と高校受験、それぞれのメリット・デメリット
| メリット | デメリット | |
| 中学受験 | ・先取り教育を受けられるので早くから大学受験の準備ができる ・学習意欲が高い仲間と切磋琢磨できる |
・小学校時代の自由な時間が大幅に制限される ・経済的な負担が大きい ・一貫校に入学した安心感から、入学後は勉強せず、成績が低迷したりついていけなくなったりするケースがある ・成績が悪化すると高校への内部進学が難しくなる学校もある |
| 高校受験 | ・自分の意志で進路を選択できるため受験へのモチベーションを保ちやすい ・公立中学校で多様な価値観に触れられる ・中学校の学費を抑えられる |
・中学1年のうちから内申点を意識して生活する必要がある ・中高一貫校よりも大学受験への学習負荷が高い |
中学受験:「最適な学習環境」を早く手に入れる
中学受験の最大のメリットは、中学1年生という早い段階で、私立中高一貫校ならではの「大学受験を視野に入れた先取り教育」を受けられることと、「学習意欲が高い仲間」と過ごせることです。
多くの私立進学校では高校入試がないことを活かして、高校1年生頃までに高校の履修範囲を修了させる「先取り教育」を行っています。また、高い学習意欲や価値観の近い仲間が集まることで、お互いに良い影響を与え合って成長しあえることも大きな魅力です。
環境面でも、部活動や留学などの課外活動に6年間じっくりと打ち込める環境が整っています。やりたいことや目標が明確な生徒様は、集中して学びを深めることができるでしょう。
一方でデメリットとしては、中学受験のために小学校時代の自由な時間(友達との遊びや好きな習い事など)を大幅に制限せざるを得ないことや、前述した経済的負荷が挙げられます。また、中高一貫校へ入学した安心感から、入学後はあまり勉強しなくなってしまい、授業についていけなくなったり、学校によっては内部進学が難しくなったりするケースもあるため、注意が必要です。
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高校受験:子どもの「精神的成長」が受験勉強に与える良い影響
高校受験の最大のメリットは、子どもが15歳になり、小学生の頃と比べると精神的に自立・成熟した状態で「自分の意志で進路を選択できる」という点です。
公立中学校では、学費を最小限に抑えられるだけでなく、多様なバックグラウンドを持つ地域の子どもたちの中で揉まれることで、社会性やタフな自立心が育まれます。
小学生の段階では勉強に身が入らなかった子どもが、中学生になると「自分の将来のために自主的に勉強し始める」というケースは珍しくありません。
デメリットとしては、高校入学後、わずか3年後に大学受験が到来するため、中高一貫校で先取り学習を済ませた生徒たちを追いかける時間的な余裕が少なく、高校3年間の学習負荷が高くなる点です。 また、高校受験では内申点も重視されるため、中学3年間の生活において「内申点獲得のプレッシャー」を感じることもあるでしょう。
4. 中学受験をやめても学力は「一生の資産」になる
中学受験に向いている子の特徴
小学4〜6年生頃の子どもの精神的な成熟度や、抽象的な概念の理解力には非常に大きな個人差があります。その中で、一般的に中学受験に向いている傾向があるのは「早熟型」の生徒様です。
【早熟型の子の特徴】
・将来の目標ややりたいことが明確にある
・言葉や数字の抽象的な概念(比や割合など)を、スムーズに理解できる
・負けず嫌いな性格で、テストの順位やライバルの多い環境を楽しめる
・知的好奇心旺盛で、難しい問題をパズルや謎解きのように「面白い」と感じられる
高校受験に向いている子の特徴
小学生の段階ではまだ幼さが残る「大器晩成型/内申点審査向き」の生徒様は、本人に受験する気がない場合、無理に中学受験をさせるよりも、高校受験を選んだ方が本来のポテンシャルを開花させる可能性が高くなります。
【大器晩成型/内申点審査向きの子の特徴】
・真面目な性格で、学校の宿題や提出物を期日通りに出すことができる
・実技教科(音楽・美術・体育・技術家庭)が得意
・論理的思考力や集中力が、中学生以降急激に伸びる
中学受験をするか迷ったら、周囲の動向に流されず、生徒様自身の希望も尊重しながら特性を客観的に見極めることが大切です。
5. 大学受験への影響はどう変わる?
中高一貫校の「先取り教育」が大学受験に与える影響
先述の通り、多くの私立進学校では高校1年生頃までに高校の履修範囲を修了させます。そのため、高校2〜3年生の期間を大学入試の過去問演習や記述対策、実戦学習に充てることができます。
このアドバンテージは、大学受験において極めて強力な武器となります。高校卒業後の進路の目標に「難関大学の現役合格」を見据えている場合、この受験対策期間があるため、高校受験をして入学したケースと比較すると、中高一貫校の方が優位なのは事実と言えます。
高校受験組が大学受験で逆転するために必要な力
では、高校受験組は大学受験で不利なのかというと、決してそうとは言い切れません。公立中学校から日比谷高校などの公立難関校を経由して、難関大学へ現役合格する人もいます。
高校受験組が中高一貫校の先取り組に追いつき、逆転するために必要なのは「圧倒的な学習スピード」と「的確な学習計画と実行力」です。
高校受験組は、高1・2年のわずか2年間で高校の膨大な学習内容を詰め込まなければならず、この時期の学習負荷は、中高一貫校と比較すると大きな差があります。
いかに早く「大学受験を見据えた学習計画」を立て、「自ら勉強する習慣」を確立するかが逆転合格のカギとなります。
どちらの道でも成功する子の共通点
受験で成功しやすい子どもには、以下の3つのポイントがあります。
1. 間違えた理由を自分の言葉で説明できる
テストや問題集で間違えた後に、赤ペンで答えを書き写して終わりにせず、「計算ミスなのか、問題文の読み落としなのか、そもそも公式を知らなかったのか」など、「なぜ間違えたのか」を言語化できる生徒様は、どちらの受験でも伸びやすい傾向があります。
2. 勉強時間の長さではなく「計画と集中力」
ダラダラと長時間机に向かうのではなく、「この30分で算数のワークを3ページ終わらせる」といったように、「時間を区切って決めた量を終わらせる」という習慣が身についている生徒様は、中高一貫校のハイスピードな授業や、高校受験の過酷な内申点対策にも適応しやすいでしょう。
3. 受験を「自分ごと」として捉えている
「勉強しなさい!」と言われてから取り組む子どもは「やらされている」感覚が強く、中学受験でも高校受験でもモチベーションが低い状態です。 「塾の宿題を21時までに全部終わらせるから、そのあと30分ゲームしよう」というように、自分のやるべき勉強を主体的に取り組み、休憩を含めて時間を組み立てられる生徒様は、受験を「自分のプロジェクト」として捉えられています。
6. 中学受験をやめて高校受験へ切り替えるのは「失敗」ではなく「戦略的撤退」
「せっかくこれまで塾に通って頑張ってきたのに、ここで中学受験をやめるなんて…」と悩む保護者様も、非常に多くいらっしゃいます。
しかし、中学受験をやめて高校受験に切り替えることは、決して「失敗」や「挫折」ではありません。将来の成功を見据えた前向きな「戦略的撤退」です。
中学受験の勉強経験は、高校受験で圧倒的な「武器」になる
たとえ塾のテストの偏差値が志望校のレベルに届かなかったとしても、それまで懸命に学んできた知識と経験は、生徒様に確固たる財産として残ります。
例えば、中学受験の算数で積み上げた考え方は、中学校の数学において強力な土台となります。中学受験の国語で鍛えられた長文読解力や、理科・社会の膨大な知識量は、一般的な公立中学校の教科書レベルを遥かに凌駕しています。
このアドバンテージは、3年後の高校受験はもちろん、その先の大学受験への強力な武器となります。また学力面だけでなく、わずか10~12歳のうちに中学受験という厳しい経験に立ち向かったことは、生徒様のかけがえのない人生経験となります。
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切り替えるベストタイミングと、子どもの自尊心を傷つけない声掛け点
中学受験から高校受験への切り替えを検討する時期の目安は「小学5年の冬から6年の春」にかけてです。塾のカリキュラムが最高難度になり、志望校選定が本格化するこの時期に、以下のような様子が見られる場合は、勇気ある決断が必要なサインです。
・生徒様のモチベーションが完全に切れてしまっている
・成績が下がり続けている
・受験のストレスで親子の関係が悪化している
・体調不良が続いている
生徒様と話し合う際に、保護者様が「中学受験は難しそうだから諦めよう」とネガティブに伝えてしまうと、生徒様は「自分はダメなんだ」と感じてしまいます。 声かけに迷った際には、こちらを参考に伝えてあげてください。
・今まで塾でやってきた勉強は、学校で習う教科書よりもずっと高度で凄いことだよ
・これだけ頑張ってきた貯金があるから、中学校の勉強に必ず役に立つよ
・今無理をして擦り切れるよりも、中学生になってからあなたの力を発揮させるために、力を蓄える『戦略的な進路変更』をしよう
中学受験に向けて「うまくいっていない」という現実は、生徒様自身が誰よりも強く感じて、悩んでいるはずです。「前向きな選択肢としての高校受験」を保護者様が提示してくれることは、次のステップへの強力な原動力になるでしょう。
また、生徒様にとって、信頼できる塾の先生や家庭教師がいる場合には、迷っている気持ちを打ち明けて相談してみるのもおすすめです。生徒様の学力や今までの努力を知っている第三者として、力になってくれるでしょう。
7. まとめ:中学受験・高校受験、どちらの選択も正解にするために
本記事では、中学受験と高校受験の違いやメリット・デメリット、後悔しない判断基準について解説しました。
どちらの道を選んだとしても、それぞれに異なる大変さや難しさがあります。
「うちの子はどちらの受験が向いている?」と、進路の選択に迷った時は、ぜひ東大家庭教師友の会へお気軽にご相談ください。生徒様の今の学力や性格などを客観的に整理し、生徒様自身が「この道に進んで良かった」と思える選択ができるよう、全力でサポートいたします。
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■東京都
御三家(麻布・桜蔭・女子学院他) / 新御三家(海城・駒東・鷗友学園他) / 渋渋 / 慶應中等部 / 広尾学園 / 都立小石川 など
■神奈川県
浅野 / 横浜共立 / 慶應普通部 / 洗足学園 / 鎌倉学園 / 逗子開成 / 山手学院 / 中央大学附属横浜 など
■千葉県
渋幕 / 市川 / 東邦大付属東邦 / 昭和学院秀英 / 芝浦工業大柏 / 専修大松戸 など
■埼玉県
栄東 / 開智 / 大宮開成 / 開智所沢 / 淑徳与野 / 浦和明の星女子 など
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