1. 【結論】日能研公開模試の難易度と対策・クラス昇降のポイント
お忙しい保護者様のために、本記事で解説する「日能研公開模試」の難易度、クラス基準、対策の最重要ポイントを最初にまとめました。
・難易度と範囲
出題範囲の指定がない「完全実力テスト」です。基本から応用まで幅広く出題されますが、最難関校志望者にはやや易しめの傾向があります。
・クラス昇降基準
一発勝負ではありません。公開模試と学習力育成テストの数回分の「平均偏差値」で決定されます。
・日能研公開模試の対策
範囲がないため「直近4ヶ月の学習力育成テスト」の解き直しが最善です。本番では正答率に基づいた「捨てる勇気(時間配分)」が得点を左右します。
・5・6年の注意点
志望校判定が出ますが、一喜一憂は禁物です。判定よりも「どの単元が抜けているか」という弱点発見のツールとして活用しましょう。
2. 日能研公開模試(全国公開模試)とは?日程や難易度の仕組み

「全国公開模試」は名称のとおり、日本全国の日能研の校舎で開催される全4教科の模試になります。日能研に通わない生徒様も数多く受ける模試で、日能研に通う生徒様は4年生から必ず受験します。
①全国公開模試の規模と受験者数
全国で1学年約1万2000人の小学生が受験しており、「首都圏模試」や「四谷大塚模試」と並ぶ中学受験で最大クラスの模試になります。
科目は全学年、4教科もしくは2教科(国・算)を選択できます。
②全国公開模試を受ける目的
このテストは中学受験を目指す生徒様が実力を判定するために受験するものです。
多数の受験者数が確保されているため、信頼性の高い学力判定データを提供されます。
③【学年別】テストの名称と時期(4年・5年・6年)
(1)4・5年生:「実力判定テスト」
文字通り、実力テストです。
日能研のクラス分け・進達確認にもなっています。
(2)6年生前半:「志望校選定テスト」
実力判定テストと大きく変わりませんが、志望校データなどの情報が揃い始めます。
名称を変えることから生徒様の意識を高める狙いもあります。
(3)6年生夏:「志望校判定テスト」
初めての志望校判定テストです。
しかし生徒様、保護者様はまだ半年と考えて順位を重く受け取らないほうがいいでしょう。
(4)6年生9月以降:「合格判定テスト」
合格答案例・志望校頻出分野別成績情報などの詳細なデータと志望者数全体の中での順位、志望校合格のために細かく何が必要かを分析したデータが出ます。
④受験回数(4年〜6年)
4年生:9月まで隔月、以降月1回
5年生:月1回
6年生:月1回。12月のみ入試本番直前のため月2回開催
⑤配点とテスト時間
【4年生】
・国語・算数(各40分/各150点)
・社会・理科(各25分/各100点)
【5年生】
・国語・算数(各50分/各150点)
・社会・理科(各30分/各100点)
【6年生前半】
・国語・算数(各50分/各150点)
・社会・理科(各30分/各100点)
【6年生9月以降】
・国語・算数(各40分/各150点)
・社会・理科(各35分/各100点)
※6年生最後の公開模試の社・理は各30分で実施しています。
3. 日能研公開模試の出題範囲・難易度と傾向

「全国公開模試」は実力テストであり、日能研での授業の定着度を測る復習テストの位置づけとなっている「学習力育成テスト」とは性質がまったく違います。
そのため出題範囲や傾向、難易度も変わりますから、ここでしっかり確認して模試に臨むようにしましょう。
①出題範囲と傾向|実力テストの側面
基本的に出題範囲の指定はない、完全な実力テストです。ただし、4年生、5年生は直近3〜4カ月の日能研の授業で習った内容が中心に出題されやすく、6年生は徐々に出題範囲が広くなります。
傾向としては、どんな生徒様も正解すべき問題から、しっかり理解しなければ解けない応用問題まで幅広く出題されています。
②難易度について|中堅校から難関校まで
日能研の「全国公開模試」は、中堅校から難関校までを広く対象した問題作成で、難しすぎない、ほどよい難易度になります。
ただし、最難関校を目指す生徒様には少し難度が足りていないところも見られます。
4. 日能研公開模試によるクラス昇降・クラス落ち基準

「全国公開模試」は生徒様にとって自分の今現在の順位が分かる大切な模試ではあります。ですが、月1回(4年生前期は隔月)実施される模試だけで、クラスの上がり下がりが決まるわけではありません。
クラス替えの判定は「全国公開模試」の偏差値(および順位)と「学習力育成テスト」の共通問題の偏差値(および順位)をベースにしています。クラスの上げ下げは、これに学習力育成テストの基礎問題、応用問題の点数も加味して最終的に決定されます。
「今の成績だとクラス落ちしてしまうかも……」
「あと少しで上のクラスに上がれるのに、壁が越えられない」
日能研のクラス分けはシビアです。クラスアップやクラス維持のためには、公開模試だけでなく、育成テストの両方で安定した点数を取る必要があります。 集団授業のペースに合わせるだけでなく、生徒様の弱点に特化した「戦略的な対策」で、クラスの壁を突破しませんか?
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5. 【学年別】日能研公開模試の対策と勉強法

中学受験の最終目標は志望校合格です。ですので、目の前の模試に必死になり過ぎてはならないことが大切になります。
ここでは、毎月訪れる「全国公開模試」への“これだけは”という最低限の対策をご紹介します。
①全学年共通:解き直しと時間配分がカギ
(1)解き直しを事前にしておく
前提として公開模試自体は試験範囲がない実力テストですから、模試のために必死に勉強を重ねることは物理的にも時間的にも不可能です。
付け焼刃のやみくもな勉強や暗記主体の学習では、得点や偏差値は上がってはいきません。
おすすめは直近4カ月に行われた「学習力育成テスト」で間違った問題の間違い直し(解き直し)になります。6年生は、これに直前2回分の「全国公開模試」の間違い直し(解き直し)を加えても良いでしょう。
ただし、日々の学習もありますからやり過ぎは禁物です。間違い直しをする問題は、正答率も参考に取捨選択をして、苦手単元に絞るようにしましょう。
(2)試験中のタイムマネジメントを意識する
どのような試験でも満点を取る必要はまったくありません。中学受験でも約7割を正解すれば合格できるとされています。
そこで次に意識してほしいのは、試験中のタイムマネジメントになります。これを簡単に言い換えれば「できる・できない」の取捨選択を賢くするということです。
このことは普段から「学習力育成テスト」でも練習ができますから、ぜひ取り入れてください。
②学年別の勉強法
(1)小学4年・小学5年(前半)の対策|苦手単元の発見
この時期は、点数や偏差値に一喜一憂するよりも、得意・不得意な単元を発見する機会と捉えることが大切です。
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(2)小学5年(後半)・小学6年の対策|実践力を高める
この時期は、より本番を意識し、知識の定着と実践力を高めていくことが大切です。
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理科 社会 |
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公開模試の対策は、生徒様の苦手分野を正確に分析し、個別にフォローすることが最短ルートです。
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6. 家庭でできる、日能研公開模試の対策サポート

当たり前のことですが中学受験はまだ幼い小学生の生徒様が挑むものです。そんな小学生には保護者様として、「解くことに集中させてあげる環境をつくる」ことが最も大切になります。
では、解くことに集中させてあげるとはどのようなことでしょうか。
①解き直す問題の選定と「リベンジノート」
前述のとおり、直近4カ月の「学習力育成テスト」及び6年生においては過去2回分の「全国公開模試」の見直し(解き直し)をすることは、点数アップはもとより苦手単元の克服にも有効です。
保護者様には、見直し問題の選定をぜひお手伝いいただければと思います。ある保護者様はテストで間違えた問題をノートに書き写して、新しいノートに整理。
これを『リベンジノート』と名付けて、生徒様のモチベーションをあげつつ、取り組みやすいようにされていました。
このような工夫もご家庭で行えるサポートになります。
②正答率を見て解き直し問題を絞る
解きなおす問題は多ければ良いというわけではなく、むしろ生徒様は嫌になり逆効果です。そのため適度な問題数にするために、正答率表の「%」を参考に、現在の所属クラス、志望校に合わせてなるべく絞りましょう。
クラスごとの解き直し基準は、以下の通りです。
・上位クラス(最難関校志望):正答率20%以上で間違っている問題
・中位クラス(難関校志望):正答率40%以上で間違っている問題
・下位クラス(中堅校志望):正答率60%以上で間違っている問題
また生徒様の体調や忙しさなどから、その中からさらに
・特に苦手な1つの単元に絞る
・国語、算数のみにする
などで、次回テストの結果を確認してもよいでしょう。
7. 日能研公開模試の結果(偏差値)が悪かった時の対処法

公開模試の点数が悪いことで最も困っているのは生徒様ご本人です。何も気にしていないように見えたとしても、内心は「怒られるのでは?」と動揺している生徒様がほとんどでしょう。
誰しも調子の良し悪しはあります。これはテストに限ったことではありません。保護者様はこのポイントをしっかりと認めつつ、点数が悪かったときにこそ、まず生徒様に寄り添ってください。
それが次への、ひいては本番での対処法の発見につながります。
こちらでは「結果が良くないときこそ、次に活かせないか」をみていきましょう。
①結果が良くなかった理由を親子で探す
まず始めに今回、結果が思わしくなかった理由を生徒様と一緒に探していきましょう。体調が悪かったのでしょうか。それとも苦手な単元が多く出題されたのでしょうか。
はたまた、なかには月1回ペースの公開模試にはいつも緊張してしまう生徒様もいます。これは入試本番に向けて「どうすれば緊張がほぐれるか」を一緒に見つける大きなチャンスでもあります。
このように生徒様に寄り添って結果に対する理由を探していくことが、必ず次へのステップとなります。
②間違いは次への改善点と捉える
体調も万全に精一杯受験したにもかかわらず、結果が振るわないことも多々あります。全国公開模試は範囲のない実力テストですから、その間違いにはこれまでの学習の未修得が表現されます。
言い換えれば、それは次への大きな改善点、進むべき青信号です。保護者様はぜひ、前述の通り、正答率の「%」も参考にして見直すべきテスト問題の選定をしてください。
そして、次回のテストで類似の問題に正解していたならば、生徒様を大いに褒めてあげてください。
特に6年生においては、これこそが全国公開模試を利用した“成長”というものになります。
▼日能研についていけない際の対策の詳細は、以下ページも併せてご覧ください。
まとめ:日能研公開模試は復習と対策で偏差値アップを目指そう
今回は「日能研全国公開模試」の難易度や学年別の対策ポイント、模試結果の受け止め方について解説しました。公開模試は、約1万2000人が受験する大規模な実力テストであり、偏差値や順位に一喜一憂してしまいがちです。
しかし、最も大切なのは「今回の模試で何ができて、何ができなかったか」を分析することです。特に5年・6年生にとっては、苦手単元を早期に発見し、本番までに穴を埋める絶好の機会となります。
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