「SAPIXの組分けテストでどうしても良い点が取れない…」
「クラス分けで良い結果を出すには、どんな勉強法が効果的なんだろう?」
このようなお悩みをお持ちの保護者様も多いのではないでしょうか。
SAPIXのクラス分けで重要なのは、「組分けテスト」と「マンスリーテスト」です。特に範囲が指定されていない組分けテストでは、苦戦する生徒様が多く見られます。
本記事では、SAPIXでのクラス分けを成功させるために押さえておきたい効率的な勉強法を解説します。
クラス分けが思うようにいかないときに、保護者様ができるサポートや声かけのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
・①SAPIXのクラス分けの基準(偏差値)
・②SAPIXのクラス分けはテストの結果に基づく
2. SAPIXクラス分け対策:クラスアップのための勉強法
・①クラスのレベルに関わらず押さえておくべき必須ポイント
・②アルファベット下位から中位クラスの生徒様向けの勉強法
・③アルファベット中位から上位クラスの生徒様向けの勉強法
・④アルファベット上位からαクラスの生徒様向けの勉強法
3. SAPIXクラス分け対策:保護者様ができるサポート
・①教材やプリントの管理
・②学習スケジュールの管理
4. SAPIXのクラスが下がってしまったときの対処法
・①クラス分けで一喜一憂しすぎない
・②生徒様にしてはいけない声かけや対応は?
・③次のクラス分けでの挽回策を立てよう
まとめ|自分の状況に合わせた学習法でクラスアップを目指そう
1. SAPIXのクラス分けシステム
2024年7月時点で、SAPIXは首都圏に45校、関西に5校を運営しています。各校舎でクラス数は異なりますが、共通するクラス分けの仕組みがあります。
ここでは、SAPIXの各クラスの名前・レベル、クラス分けの基準について詳しく解説します。
①SAPIXのクラス分けの基準(偏差値)
SAPIXのクラスは、 「αクラス」 と 「アルファベットクラス」 に分けられます。
クラス | 偏差値目安 |
特徴 |
αクラス | 55以上 |
成績上位約15~25%が在籍。最難関中学を目指す。 |
アルファベットクラス | 55未満 | 下からA・B・C…の順でクラス分け。 |
また、SAPIXの校舎規模には、大規模校舎・中規模校舎・小規模校舎の3種類があります。
校舎規模 | 生徒数 |
特徴 |
大規模校舎 | 250名以上 |
競争が激しく切磋琢磨できる。 |
中規模校舎 | 150~250名 | 競争とサポートのバランスが取れている。 |
小規模校舎 | 150名以下 | アットホームな環境で学べるが、競争意識が低くなりやすい。 |
②SAPIXのクラス分けはテストの結果に基づく
SAPIXでは、「マンスリーテスト」 と 「組分けテスト」 の結果に基づいてクラス分けが決まります。
テスト名 | 実施頻度 | 出題範囲 | 平均点の傾向 |
クラス昇降の制限 |
マンスリーテスト | 1~2ヶ月に1回 | 直近の学習単元 | 高め (対策しやすい) |
あり |
組分けテスト | 年に数回 (4月・7月・11月) |
指定なし (総合力を見る) |
低め (応用問題が多い) |
なし |
(1)マンスリーテストの特徴
マンスリーテストは1〜2ヶ月に1回実施され、直近の学習範囲から出題されます。そのため、復習を徹底することが重要です。また、平均点が高くなる傾向があるため、小さなミスを減らし、確実に得点を積み重ねることが求められます。
クラス昇降には制限があり、大幅な変動は少ないため、安定して高得点を取ることがポイントです。
(2)組分けテストの特徴
組分けテストは年に数回(主に4月・7月・11月)実施され、出題範囲が決まっていません。専用の対策がしづらく、また応用問題も多く出題されるため、平均点は低くなる傾向があります。
クラス昇降の制限がないため、得点次第で大幅なクラスアップも可能です。総合力を問われるため、日頃から幅広く学習することが大切です。
2. SAPIXクラス分け対策:クラスアップのための勉強法
SAPIXでクラスアップの鍵を握る「組分けテスト」や「マンスリーテスト」で高得点を取るためには、それぞれのレベルに応じた効果的な勉強法があります。
ここからは、クラスレベル別に勉強のポイントを解説します。
①クラスのレベルに関わらず押さえておくべき必須ポイント
SAPIXでクラスアップを目指すのであれば、レベルに関わらず意識して取り組むべきポイントが3つあります。
(1)日々の授業内容を確実に理解できるように復習すること
SAPIXでは授業の進度が速いため、授業でわからなかった部分を放っておくと、あっという間に周囲から遅れを取ってしまいます。
そのため、一度授業を聞いただけでは理解できなかった箇所は、その日のうちに復習し、疑問点を解消することが重要です。
(2)「デイリーサピックス」と「基礎力トレーニング」を徹底的に活用すること
デイリーサピックスは、次の授業開始前におこなわれる復習テスト「デイリーチェック」の出題範囲でもあります。
デイリーチェックで高得点を取るためには、デイリーサピックスを何度も解き直し、解法や知識を確実に定着させることが重要です。
(3)時間配分を意識して問題を解く訓練をすること
組分けテストやマンスリーテストで高得点を狙うには、限られた時間内に正しい答えを導き出す力が必要です。特に、計算問題や一問一答形式の問題は、素早く正確に解けるようにしておきましょう。
普段の解き直しや宿題の際にもタイマーをセットし、時間を意識して取り組む習慣をつけることをおすすめします。
▼SAPIXのクラス分け対策の詳細については、以下のページもあわせてご覧ください。
「SAPIXマンスリーテストの対策法は?家庭内でできる復習のコツをご紹介」
「SAPIX組分けテストの対策法とは?効果的な学習方法を科目ごとに解説!」
「SAPIXのアルファクラス(αクラス)とは?入る・維持するための対策方法を解説!」
②アルファベット下位から中位クラスの生徒様向けの勉強法
アルファベット下位から中位クラスの生徒様は、まず基礎的な問題を取りこぼさないことが最優先です。計算力や読解力をしっかりと強化し、確実に点を取れるようにしましょう。
(1)【算数】「基礎力トレーニング」を活用し計算力を強化
「基礎力トレーニング」を活用し、計算ミスを減らすことが重要です。基礎的な計算を素早く正確に解けるようになることで、応用問題にも余裕を持って取り組めます。
(2)【国語】漢字・知識に加え、読解演習にも挑戦
漢字や知識をしっかり定着させることはもちろん、Aテキストの「読解演習」やBテキストの「読解教室」にも積極的に挑戦しておくのがおすすめです。
(3)【理科・社会】基礎固めには「コアプラス」を徹底活用
基礎を固めるには、「コアプラス」の重要知識を徹底的に覚えることが効果的です。
一度覚えても時間が経つと忘れてしまうため、解けずに解説を見た問題があれば、数日後に再度解き直し、確実に身についているか確認しましょう。
(4)【過去テストの解き直し】文章の読み方・解き方を習得
過去のテスト問題を解き直すことで、文章の読み方や問題の解き方を確認し、次のテストに活かせる可能性があります。
・問題文の意味をどのように整理するか
|
こうした基本的な動作を意識するだけでも、テスト本番で落ち着いて取り組めるようになります。
③アルファベット中位から上位クラスの生徒様向けの勉強法
アルファベット中位から上位クラスに在籍している生徒様がさらに上のクラスを目指すためには、基礎をしっかり固めたうえで、応用問題にも積極的に取り組むことが重要です。
偏差値55以上を狙うには、単なる暗記では太刀打ちできない問題にも対応できる力が求められます。そのため、用語や解法をただ覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか」を説明できるレベルまで理解を深めることが大切です。
(1)正答率40%以上の問題を確実に取る
このレベル帯の生徒様は、正答率の低い難問すべてに対応する必要はありません。むしろ、正答率40%以上の問題を確実に取ることが勝負の鍵になります。
過去に受けた組分けテストやマンスリーテストを振り返り、どのタイプの問題で失点しやすいのかを分析しておきましょう。
(2)時間内に解ききるための訓練
「テストの終了時間ギリギリになってしまう」
「最後の大問までたどり着けず、空白のまま提出してしまう」
という生徒様の場合は、タイマーや時計を活用して時間配分を意識することが大切です。
例えば、
・このページは10分以内に解く
|
といった具体的な目標を決めて取り組むことで、スピード感を養えます。
キッチンタイマーや学習用タイマーを使うのも良いですが、テスト本番では使用できないため、普段から腕時計などで時間を管理する習慣をつけるとより効果的です。
④アルファベット上位からαクラスの生徒様向けの勉強法
アルファベット上位からαクラスに在籍する生徒様は、SAPIX内で上位3割以内を目指すことになります。
そのため、基本的な演習は素早く終わらせたうえで、思考力が問われる高難度の問題に日頃から取り組むことが重要です。
(1)思考力を鍛える訓練が必須
SAPIXのテストでは、全体の1~2割が思考力問題だと言われています。ただ解法を丸暗記しているだけでは対応できないため、時間をかけてじっくり考える訓練が必要です。
このレベルの問題は市販のテキストにはほとんど掲載されていないため、過去のテストで難しかった問題に再チャレンジするのがおすすめです。
(2)時間の使い方を意識する
基礎から標準レベルの問題の訓練はスピード重視でおこないますが、思考力を鍛える訓練では一問一問にじっくりと時間をかけましょう。
例えば、
・算数の難問 → 25分ほど考え抜く ・国語の長い記述問題 → 15分ほどかけて書く + 15分かけて解答解説と照らし合わせて分析
|
このように、考え抜く時間を確保することで、思考力の向上につながります。
(3)プレッシャーに負けないための対策
上位の生徒様の中には、
「次こそクラスアップを絶対にしたい!」
「これ以上クラスを落としたくない…」
とプレッシャーを感じているケースもあります。
そのような場合は、どんな状況でも実力を発揮できる訓練として、他塾の公開模試に挑戦し、場数を踏んでおくのも良いでしょう。
3. SAPIXクラス分け対策:保護者様ができるサポート
SAPIXのクラス分けでクラスアップを目指すために、保護者様ができるサポートの中心は「生活管理」です。
学習内容についてアドバイスをしたくなる場面もあるかもしれませんが、生徒様から相談されたとき以外は、基本的に見守る姿勢を大切にしましょう。
サポートは、音読や答え合わせなど 家庭学習のルーティーンに関わる部分に留めるのがポイントです。
①教材やプリントの管理
SAPIXでは、毎回の授業で 大量のプリントが配布されるため、小学生が自力で整理するのは非常に難しいものです。
そのため、テスト前に 「復習をしたいのにプリントが見つからない!」「あの教材、どこに置いたっけ?」と慌てる生徒様も少なくありません。日々のプリント類を教科ごとに管理したり、必要に応じてコピーしておくことで、生徒様は落ち着いて学習に集中できます。
また、「出したプリントを元に戻さない」と困っている保護者様も多いですが、私の指導経験上、小学生にプリント管理を完全に任せるのは難しいと感じています。
生徒様自身による管理には過度な期待をせず、保護者様が適度にサポートすることが大切です。
②学習スケジュールの管理
SAPIXの生徒様は 授業・復習・宿題に追われる日々を送っており、時間管理やスケジュール管理には大人のサポートが欠かせません。
特に、習い事やスポーツと両立している場合は、効率的なスケジュール管理がより重要になります。
小学生は時間の感覚が大人ほど発達していないため、スケジュールを細かく分け、具体的な計画を立ててあげることが大切です。
例えば、以下のように 学習内容を細分化 すると、スムーズに取り組みやすくなります。
・いつやるか(時間帯や曜日を決める) ・何の教材のどこをやるか(具体的なページや単元を指定する)
|
また、生徒様が自分でスケジュールを把握できるようにすることも大切 です。
カレンダーを目立つ場所に掛けるなど、視覚的に確認できる環境を整えると、予定を意識しやすくなります。
4. SAPIXのクラスが下がってしまったときの対処法
SAPIXのクラス分けでクラスが下がってしまった際に、生徒様にどのような対応をすればいいのか悩んでしまう保護者様は少なくありません。
「頑張っていたのに・・・」「もっと努力できたのでは?」といった思いが湧き、不安や焦りを感じることもあるでしょう。
ここでは、クラスが下がったときに意識すべき心構えと、今後の挽回策について解説します。
①クラス分けで一喜一憂しすぎない
SAPIXのクラス分けでクラスが下がったとき、最もショックを受けているのは生徒様本人です。
どんなに努力しても成果が出ないと、大人でも自信を失うことがあります。生徒様も同じように、大きなショックを受けていることを理解しましょう。
しかし、受験は長期戦です。クラス分けの結果が最終的な合否を決めるわけではありません。
実際、SAPIXではずっと高いクラスに居続ける生徒様の方が少ないです。クラスが下がった後に勉強方法を見直し、気持ちを切り替えたことで第一志望校に合格した生徒様も多くいます。
クラスが下がると、「もっと勉強しなさい!」と言いたくなるかもしれません。
しかし、こうした言葉が生徒様を追い詰める原因になることもあります。むしろ、勉強から少し離れて気分転換をすることも大切 です。
例えば、友達と遊んだり、体を動かしたり、家族で外出したりすることで気持ちがリフレッシュされ、再び勉強に向かう意欲が湧くことがあります。
②生徒様にしてはいけない声かけや対応は?
クラスが下がったとき、 「なんでできないの?」「このままじゃ受からないよ」 といった 追い詰めるような言葉は避けましょう。
また、「頑張って」「次は大丈夫」という励ましの言葉も、生徒様の性格によっては逆効果になる場合があります。
特に 生真面目な性格の生徒様 は、「自分の努力が足りなかったんだ」「両親が応援してくれているのに、結果を出せなかった…」と 自責の念を強めてしまうことがあります。
表面上は平気そうに見えても、 内心では大きな衝撃を受けていることも少なくありません。
保護者様自身も落ち込む気持ちは理解できますが、 ぐっとこらえて、少しでも冷静に対応することが大切 です。
③次のクラス分けでの挽回策を立てよう
もしも
・本人なりに既に最低限の努力はしている
|
といった状況であれば、 個別指導塾や家庭教師を併用するのも一つの方法 です。
個別指導や家庭教師では、 生徒様一人ひとりの理解度やつまずきやすいポイントを確認しながら、ピンポイントで指導してもらえます。
相性の良い先生に出会えれば、理解が深まり、モチベーションの向上も期待できるでしょう。
集団授業では、わからないことがあっても
「周りの子たちに質問しているところを見られたくない」
|
といった理由で 質問しづらいという生徒様の声をよく耳にします。
個別指導や家庭教師であれば、 そういった遠慮をせずに気兼ねなく質問 できます。
おとなしい性格の生徒様でも積極的に質問しやすくなる ため、一度検討してみてはいかがでしょうか。
▼SAPIXについていけない場合の対策については、以下のページもあわせてご覧ください。
「「SAPIXについていけない」悩みを解決!原因と対処法を徹底解説!」
「SAPIX準拠のプリバートってどんな塾?評判・口コミ、費用等を解説!」
まとめ|自分の状況に合わせた学習法でクラスアップを目指そう
SAPIXのクラス分けでクラスアップを狙うには、現在の学力レベルに合った学習法を選ぶことが大切です。
そのために共通して重要なことは、次の2つのポイントです。
「計算や漢字などの基本をしっかりマスターし、当日の失点を減らすこと」
|
これらは、一朝一夕で身に付くものではなく、日々の積み重ねが必要です。学習スケジュールをあらかじめ立て、計画的に取り組むことがクラスアップへの鍵となります。
SAPIXでは、どのクラスでも同じ教材が配られますが、現在の学力や志望校の難易度に合わせて優先順位をつけて取り組むことが重要 です。勉強の進め方に迷った場合は、自己判断せず校舎の先生に相談してみる のも一つの方法です。
クラスアップはSAPIXに通う生徒様にとって大きな目標ですが、最終的なゴールは志望校合格 です。
焦らず、本人に合ったペースで学習を進めることが、結果的に合格への近道となります。
▼当会では、SAPIX生への指導に特化した家庭教師をご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
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