1. SAPIXマンスリーテストの概要

まずは、SAPIXのマンスリーテストに関する基本情報を以下の表にまとめました。
実施頻度 |
月に1回(校舎によって異なる場合あり) |
対象学年 |
小学3年生〜6年前半:マンスリー確認テスト |
出題範囲 | 直近1ヵ月の授業内容(デイリーサピックス・基礎力トレーニング) |
出題傾向 |
基礎問題:約6割 |
試験教科・時間 |
国語・算数・理科・社会(各50分) |
テストの目的 |
学習内容の定着確認 |
クラス昇降の仕組み |
4教科の合計点により所属クラスを決定 |
SAPIXのマンスリーテストは、毎月1回実施される塾内テストです。
直近で学習した内容の理解度を確認し、生徒様の学力に応じたクラス編成の判断材料として活用されます。
小学3年生から6年前半までは「マンスリー確認テスト」、6年生後半からは「マンスリー実力テスト」と名称が変わり、学習の進度や目的に合わせて実施されます。
①マンスリーテストの出題範囲と出題傾向
出題範囲
教材 | 内容 |
デイリーサピックス | 過去1ヵ月分(4〜5冊程度) |
基礎力トレーニング | 毎月配布される1冊 |
出題傾向
マンスリーテストは、SAPIXの他のテスト(組分けテストやサピックスオープン)に比べると得点しやすく作られています。そのため平均点が高めになる傾向があります。
前半 |
・基礎問題が6割程度を占めます。 |
後半 |
・応用問題が登場します。 |
<高得点を狙うポイント>
前半の基礎問題を正確に解くことがカギです。
テキストやデイリーチェックを活用し、確実な理解を積み重ねましょう。
②マンスリーテストによるクラス昇降の仕組みと注意点
マンスリーテストの結果によって、クラスの昇降が行われます。昇降の通知は成績表の返却時に行われます。
クラス昇降の幅
校舎の規模 | クラス数(1学年) | 昇降の幅(目安) |
小規模校舎 |
5クラス前後 |
最大1クラス |
大規模校舎 |
20クラス以上 |
最大5クラス |
校舎が大きいほどクラス数が多いため、昇降の幅も大きくなります。
所属クラスの決定方法
全教科の合計点で順位をつけ、各校舎ごとの基準に基づいて決定されます。
クラス数が多い大規模校舎では、わずかな点数差でクラスが変わるケースもあり、慣れないうちは驚いてしまう保護者様もいるかもしれません。
注意点
SAPIXでは「その時点の学力」に応じてクラスが上下する仕組みです。
所属クラスは、生徒様の総合的な能力や入試の合否を左右するものではありません。
一喜一憂せず、結果を冷静に受け止めるよう心掛けましょう。
▼SAPIXのクラス分け対策の詳細については、以下ページも併せてご覧ください。
「SAPIXのクラス分けの基準・クラスアップのための勉強方法を解説!」
2.【科目別】SAPIX(サピックス)マンスリーテストの対策法|高得点を狙う学習方法

マンスリーテストは、SAPIXのテストの中では比較的難易度が低いため、基礎をしっかりおさえ、取るべき問題で確実に正解することが重要です。
ここでは、マンスリーテストで高得点を狙うための具体的な対策を、「4科目共通の対策」と「科目別の対策」に分けて解説します。。
使用すべき教材の活用ポイントや、日々の学習で意識したい取り組み方についても紹介していますので、ぜひご家庭での学習にご活用ください。
①【4科目共通】基本的なテスト対策法 |
①【4科目共通】基本的なテスト対策法
4科目に共通する効果的な対策は、直近1ヵ月の内容を確実に復習することです。
マンスリーテストは、直近1ヵ月の「デイリーサピックス」や「基礎力トレーニング」から出題されるため、これらを中心に復習しておくことが不可欠です。
ただし、何度も繰り返し解いていると、どうしても答えを丸暗記してしまいがちです。
そこで、次のような工夫を取り入れてみましょう。
・内容をランダムに質問する |
こうした変化を加えたアプローチを繰り返すことで、単なる暗記ではなく、本質的な理解に基づいた学力の定着を目指すことができます。
また、「自分の言葉で説明する」訓練は、記述問題への対策にも直結します。さらに、生徒様自身の思考力や表現力の向上にもつながるため、マンスリーテスト対策を超えた効果も期待できるでしょう。
②【国語】マンスリーテスト対策法
国語のマンスリーテストは、毎回ほぼ同じ構成で出題されます。
基本的には以下の4題構成です。
①漢字の読み書き |
それぞれの分野に応じて、授業で使用した教材や配布されたプリント類を活用しながら、効率よく復習しておくことが大切です。
漢字の対策
まずは漢字の読み書きでの失点を防ぐことが、高得点への第一歩です。
範囲内の漢字は確実に書けるように練習し、特に「とめ・はね・はらい」にも注意して丁寧に書く習慣をつけましょう。
自己採点では気づきにくい部分もあるため、可能であれば保護者の方も一緒にチェックしてあげると安心です。
読解問題の対策
読解問題の対策には、「Aテキスト」の復習がおすすめです。
解き直す際は、ただ正解を確認するのではなく、以下のようなプロセスを、生徒様自身の言葉で説明させてみましょう。
「なぜその答えを選んだのか?」 |
こうしたトレーニングを通して、正しい読解のプロセスが身につき、得点力アップにつながります。
▼SAPIX国語のおすすめ勉強方法については、以下ページをご覧ください
③【算数】マンスリーテスト対策法
算数は、全体の6割が基礎的な問題で構成されています。特に、
<大問1>:計算問題 |
これらは、いずれも確実に得点したい標準的な問題です。
高得点を狙うためには、まずこの「取りこぼしてはいけない問題」をミスなく解ける状態にしておくことが重要です。
基礎問題の対策法
まずは、「デイリーチェック」の解き直しを徹底しましょう。
解き直しの際は、単にもう一度解くのではなく、
・間違えた問題に印をつけておく |
といった工夫をすると、学習の定着度が高まります。
また、問題ごとに生徒様自身に理解度をチェックさせる方法も有効です。
◎ |
自信を持って解けた |
〇 |
なんとか解けた |
△ | 解き方はわかっていたが間違えた |
× |
まったくわからなかった |
このように印をつけることで、苦手な問題を客観的に把握でき、重点的に復習すべきポイントが明確になります。
応用問題の対策法
基礎をしっかり固めたら、次は応用問題にも取り組みましょう。
マンスリーテストの応用問題は、単なる暗記では対応できないケースが多く、これまでに学習した知識や考え方を、柔軟に組み合わせる力が求められます。
偏差値55を目指す場合は★★まで、偏差値60以上を目指す場合は★★★までの問題を目安に、解ける問題の幅を広げておきましょう。
解説にもじっくり目を通し、ただ答えを覚えるのではなく、解法の意味や考え方を理解することを意識して学習を進めてください。
▼SAPIX算数のおすすめ勉強方法については、以下ページをご覧ください
④【理科】マンスリーテスト対策法
基礎と発展のバランスを取りながら学習を進めていくことで、テストでの得点力だけでなく、総合的な理科力の底上げにもつながります。
基礎問題の対策法
SAPIXの理科のマンスリーテストでは、「デイリーステップ」と「確認問題」をしっかりマスターすることが基本対策となります。
①赤シートを使って語句を隠しながらの暗記 |
という流れで、「覚える→試す→修正する」のサイクルを何度も繰り返すと、記憶の定着がしやすくなります。
ポイントは、「とりあえず暗記する」のではなく、「あいまいな部分」を明確にすることです。
応用・発展問題の対策法
ある程度基礎が固まったら、発展問題にも挑戦してみましょう。
宿題として出されていない場合でも、上位クラスを目指すのであれば発展問題まで手を広げておくことが重要です。
実際、上位クラスの生徒たちは日常的に発展問題に取り組んでおり、それと同等の学習量が求められます。
「発展問題=難しすぎる」と構える必要はありません。
あくまで、基礎内容を応用的に使う練習と考えましょう。
理解できない部分が出てきたときは、テキストに立ち返って基本から確認し直すクセをつけると、学習効率がぐんと上がります。
▼SAPIX理科のおすすめ勉強方法については、以下ページをご覧ください
⑤【社会】マンスリーテスト対策法
SAPIXの社会では、インプット(読む)とアウトプット(問題演習)をバランスよく繰り返すことが得点アップのカギになります。
インプット|テキストを丁寧に読み込もう
まずは、資料や史料の欄まで含めてじっくり読み込むことから始めましょう。
出題されそうな箇所にはマーカーで印をつけ、繰り返し目を通しておきましょう。
繰り返し読む中で、「どうしてこの出来事が起こったのか」「この人物は何をしたのか」など、背景やつながりにも注目できると、理解がより深まります。
アウトプット|覚えた知識をしっかり使えるようにしよう
テキストの理解が進んだら、問題演習を通して知識の定着を図りましょう。
おすすめの取り組み方は以下の通りです。
・一問一答形式で確認する |
このように、生徒様が「自分の言葉で説明できる」レベルまで引き上げることが大切です。
時にマニアックな問題も出題されますが、日頃から丁寧に学習していれば、十分に高得点が狙える教科です。
▼SAPIX社会のおすすめ勉強方法については、以下ページをご覧ください
3. テスト結果の見直し方|家庭でできる復習と弱点克服のポイント

マンスリーテストは、SAPIXでの直近の学習理解度を確認するための大切なテストです。
テストを受けただけで終わらせるのではなく、結果から弱点を分析し、次回に向けた学習改善に活かすことが何より重要です。
ここでは、ご家庭で実践できる「テスト結果の活用法」について、具体的にご紹介します。
①マンスリーテストの結果を分析し、弱点を明確にする
マンスリーテストの結果を効果的に活用するには、詳細な分析による弱点の特定が不可欠です。
得点や偏差値のみに注目するのではなく、問題の種類や難易度ごとの正答率を確認しましょう。
たとえば、
・正答率が20%の応用問題を落としても気にする必要はありませんが、
・正答率80%の基本問題を落としていたら、その原因をきちんと探る必要があります。
弱点分析の際には、「どの単元が苦手だったのか」だけでなく、その背景にある課題にも注目しましょう。
・内容を理解できていない |
こうした具体的な傾向をつかむことで、次に取るべき対策が明確になります。
②改善計画を立て、次回のマンスリーテストの準備をする
弱点を把握したら、次回のテストに向けた改善計画を立てましょう。ポイントは、「具体的」で「継続できる内容」にすることです。
<改善計画の例> |
また、勉強法そのものの見直しも有効です。以下のような工夫を取り入れてみてください。
・音読して耳からインプットする |
科目や単元に合わせて、生徒様に合った学習法を柔軟に取り入れていきましょう。
4. SAPIX(サピックス)マンスリーテスト対策で保護者様にできるサポート

マンスリーテストは学習の成果を確認し、今後の課題を見つける大切な機会です。
その結果や学習過程に対して、保護者様がどのように生徒様と関わるかによって、やる気や学習の方向性が大きく左右されることもあります。
ここでは、マンスリーテスト対策における保護者様の関わり方と、効果的なサポートのポイントをご紹介します。
①テスト結果に一喜一憂しすぎない
SAPIXのマンスリーテストは定期的に実施され、その結果によって所属クラスも変動します。そのため、テストのたびに一喜一憂してしまう保護者様や生徒様も少なくありません。
しかし、1回の結果に過剰に反応してしまうことは、あまりおすすめできません。
保護者様が点数やクラスの上下に敏感になりすぎると、生徒様は「テストで良い点を取ること」が目的となってしまいがちです。そうなると、「選択肢に迷ったらウを選ぶ」「国語の本文は傍線部だけ読む」など、小手先のテクニックに頼る学び方に走ってしまい、本質的な学習から遠ざかる恐れもあります。
大切なのは、結果に対して冷静かつ建設的に向き合う姿勢です。
点数の上下に一喜一憂するのではなく、「今後どう活かすか」「どんな学びにつなげられるか」という視点でテスト結果を捉えるようにしましょう。
②努力の過程に注目し、前向きな声かけを意識する
テストの点数や偏差値ももちろん大切ですが、それ以上に重視したいのは「その結果に至るまでにどのような努力をしてきたか」という過程です。日々の学習に地道に取り組んでいることや、マンスリーテストに向けてコツコツと努力している姿勢を、保護者様がしっかり見てあげましょう。
たとえば、
「毎日机に向かってえらいね」 |
といった、結果だけでなく努力のプロセスを認める声かけは、生徒様の自己肯定感を育てます。
また、よい結果が出たときには、しっかり褒めることも大切です。
たとえば国語の記述問題は、偏差値が高い生徒様でも満点を取るのは難しいものです。半分以上得点できていれば上出来と捉えて、努力が実っていることを伝えてあげましょう。
感情的にならず、冷静で前向きなフィードバックを意識することで、生徒様は自信とやる気を持って次の学習に取り組めるようになります。
▼SAPIXについていけない際の対策の詳細は以下ページをご覧ください
まとめ|こまめに復習してマンスリーテストで高得点を目指そう
SAPIXのマンスリーテストは、日々の学習成果を確認し、今後の学習に活かすための大切な機会です。
出題範囲が明確だからこそ、日頃からこまめに復習し、計画的に取り組むことで高得点も狙いやすいテストといえます。
音読や問題の反復演習、応用問題へのチャレンジなど、生徒様に合った方法でしっかり対策していきましょう。
また、テスト後は点数や偏差値だけにとらわれず、間違えた理由や弱点を丁寧に振り返ることが、次のステップにつながります。
マンスリーテストは、志望校合格という大きな目標に向けた通過点です。
毎月のテストを成長のチャンスと捉え、前向きに取り組んでいけるとよいですね。
▼当会では、SAPIX生への指導に特化した家庭教師をご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
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