1. 中学受験の王者「SAPIX(サピックス)」とはどんな塾?

SAPIX小学部は、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の難関中学受験において、他塾の追随を許さない圧倒的な合格実績を持つ進学塾です。
「難関校を目指すなら、まずはSAPIX」と言われる理由は、単なる知名度ではなく、実際の合格者シェア率にあります。
特にトップ層の学校では、「合格者の大半がSAPIX出身」という現象が毎年のように起きています。
①【実績】主要最難関校におけるSAPIXのシェア
以下の表は、首都圏のトップ校においてSAPIX生がどれほどの割合を占めているかの目安です。
| 筑波大駒場 | 合格者の約70%以上がSAPIX生 |
| 開成 桜蔭 |
合格者の約60〜70%がSAPIX生 |
| 麻布 駒東 |
合格者の約50〜60%がSAPIX生 |
| 聖光 栄光 |
神奈川のトップ校でも過半数を占める |
※数値は近年の傾向値です。
②なぜこれほど強いのか?
SAPIXが「王者」と呼ばれる背景には、以下の循環(エコシステム)が成立しているからです。
優秀層の集中:「実績があるから、できる子が集まる」
切磋琢磨:「できる子同士が競い合い、さらに伸びる」
データ精度:「トップ層の母集団が大きいため、合否判定の精度が極めて高い」
SAPIXに入ること自体が目的ではありませんが、「最難関校を目指すライバルたちが、どのレベルで学習しているか」を知るための基準(スタンダード)となっているのが、現在のSAPIXです。
2. SAPIX(サピックス)のメリット・デメリット|「ひどい」と言われる理由は?

「SAPIXはひどい」「冷たい」という評判の正体は、決して塾の質が悪いからではありません。
理由はシンプルで、「自分でどんどん勉強を進められる子」を基準に授業が作られているからです。
そのため、「手取り足取り教えてほしい」という期待を持って入塾すると、「何もしてくれない」や「宿題が多すぎる」といったミスマッチが起きてしまいます。
この「ドライな厳しさ」は、裏を返せば「合格への最短ルート」でもあります。
以下のメリット・デメリットの表を、ご家庭の教育方針と照らし合わせながらご覧ください。
| メリット | |
| ① 圧倒的な実績 | 開成・桜蔭・筑駒など、最難関校合格者の約6〜7割を占める安心感 |
| ② らせん状のカリキュラム | 忘れた頃に何度も復習する「スパイラル方式」で、知識を長期記憶に変える |
| ③ 常に最新の教材 | 毎回配布のプリントは、最新の入試傾向を即座に反映している |
| デメリット | |
| ① 進度が速すぎる | 基礎が固まる前に次へ進むため、一度躓くと消化不良を起こしやすい |
| ② 保護者様の負担が重い | 「プリント整理」と「家庭学習の管理」は保護者様の仕事として求められる |
①メリット:圧倒的な難関校合格実績と思考力の養成
SAPIXが選ばれ続ける理由は、単に賢い子が集まるからだけではありません。
賢い子をさらに伸ばす仕組みが完成されているからです。
(1)圧倒的な難関校合格実績と「基準の高さ」
開成、桜蔭、筑駒などの最難関校を目指す場合、SAPIXは間違いなく最短ルートです。
上位クラス(αコース)には全国トップレベルの頭脳が集結しています。
「難問を解くのが当たり前」という環境に身を置くことで、生徒様の視座が自然と引き上げられます。
(2)脳の仕組みに沿った「スパイラルカリキュラム」
SAPIXでは、一度習った単元をそこで終わりにしません。
「4年生で基礎」「5年生で応用」「6年生で発展」というように、忘れた頃に同じ単元を、難易度を上げて繰り返す(らせん階段を登る)仕組みになっています。
これにより、自然と知識が定着し、無理なく最難関レベルへ到達できます。
(3)「教材がプリント」であることの強み
製本されたテキストがないことは、管理面ではデメリットですが、学習面では大きなメリットです。
毎年変化する中学入試のトレンドを反映し、教材の内容を柔軟にアップデートできるからです。
常に「今、出る問題」に取り組めるため、無駄のない学習が可能になります。
②デメリット:ご家庭に求められる「覚悟」
一方で、SAPIXの高度なシステムを維持するためには、以下の2点がハードルとなります。
(1)「ついていけない」リスクとの戦い
授業スピードは首都圏の塾で最も速く、特に5年生以降は容赦がありません。
「復習が追いつかない」→「テストの点が下がる」→「クラスが落ちる」という悪循環に入った際、塾からの手厚い救済(補習など)は期待できません。
家庭内で学習サイクルを修正できなければ、転塾を余儀なくされる厳しさがあります。
(2)保護者様は「マネージャー」になる必要がある
SAPIXは「授業内完結・復習主義」です。
「どのプリントを優先して復習するか」「スケジュールをどう組むか」といった学習管理(マネジメント)は、保護者様の役割です。
「塾にお任せ」というスタンスでは機能しづらく、親子二人三脚で受験に挑む体制が必須となります。
「進度が速すぎてひどい状況になっている」「クラスが落ちて自信を失っている」…。
もしSAPIXのデメリット部分でお悩みなら、個別フォローで解決できる可能性があります。
体験授業を申し込む
ご相談からでもOK!
▼SAPIXについていけない際の対策の詳細は以下ページをご覧ください
3. SAPIX(サピックス)に向いている子・向いていない子の特徴

「入塾テストに受かったから安泰」ではありません。SAPIXは「高い自律性」と「保護者様のマネジメント」を前提とした塾です。
この前提が崩れると、「塾に通っているのに成績が下がる」という事態になりかねません。
まずは、以下のチェックリストで「ご家庭の適性」を確認してみてください。
| 向いている | 向いていない | |
| 生徒様の性格 | 「あの子に勝ちたい」「クラス落ちが悔しい」をバネにできる | 他人と比べられるのが苦手 |
| 学習スタイル | 授業を聞いてその場で大枠を理解できる | 一つひとつ時間をかけて理解したい |
| 保護者様の役割 | プリント整理、スケジュールの管理、取捨選択を保護者様が担える | 勉強は塾で完結させてほしい |
①向いているご家庭・生徒様
SAPIXのカリキュラムを最大限に活かせるのは、以下のような特徴を持つご家庭です。
(1)向いている保護者様
生徒様の学習に対して、時間と労力を割いて「伴走」できる方が対象です。
【スケジュールの共有】
平日・休日問わず、生徒様の学習進度を把握し、一緒に勉強時間を管理できることが前提となります。
【学習サポート(教える・管理する)】
授業で扱った内容は高度なため、ご家庭での疑問解決が必要です。
保護者様自身が勉強を教えられる、もしくは「どの問題を優先すべきか」の取捨選択ができると、生徒様の負担は大幅に減ります。
(2)向いている生徒様
高い集中力と、競争心を持った生徒様です。
【高い集中力】
授業も家庭学習も分量が膨大です。長時間椅子に座り、腰を据えて課題に取り組める姿勢が必須です。
【競争を楽しめるメンタル】
SAPIXはクラス昇降が激しい環境です。
「あの子に負けたくない」「上のクラスに行きたい」という競争心をモチベーションに変えられる生徒様は、成績がぐんぐん伸びていきます。
②向いていないご家庭・生徒様
以下のようなスタイルを望まれる場合は、ミスマッチが起きる可能性が高いです。
(1)向いていない保護者様
【塾完結型ではない】
SAPIXは「授業でインプットし、家庭で定着させる」復習中心のシステムです。
【管理ができない場合】
お仕事が多忙などの理由で、膨大なプリント整理や家庭学習の進捗管理ができない場合、生徒様だけでは学習が回らなくなってしまいます。
(2)向いていない生徒様
「自律学習」と「競争」が苦手な生徒様には厳しい環境です。
【自学習が苦手】
授業を聞くだけでは成績は上がりません。自宅や自習室で、自分から復習に取り組めない場合、授業についていくのは困難です。
【マイペースな性格】
「他人と比べられず、自分のペースでじっくり理解したい」というタイプの生徒様にとって、激しい競争やハイスピードな授業はストレス過多となり、自信を喪失してしまうリスクがあります。
「うちはSAPIXに向いていないかも…」と不安になられた方もご安心ください。
生徒様の性格に合った学習サポートがあれば、SAPIXのカリキュラムについていくことは可能です。
体験授業を申し込む
ご相談からでもOK!
4. SAPIX(サピックス)の強さを支える3つの特徴
SAPIXが他塾と大きく異なる点は、「予習禁止・復習中心」の学習サイクルと、「分冊教材」のシステムにあります。
①徹底した「復習主義」
授業で初めて新しい単元に出会い、知的好奇心を刺激するスタイルです。
学習サイクルは「授業で理解(インプット)→ 家庭で定着(アウトプット)」となるため、家庭学習の質が成績に直結します。
②毎回配布される「分冊プリント教材」
分厚い教科書はなく、授業ごとにB4冊子(デイリーサピックス)が配られます。
そのため、常に最新の入試傾向が反映されるメリットがあります。
膨大な量になるため、保護者様によるファイリング(整理整頓)が必要です。
③テキストは全クラス共通
最上位のαクラスも基礎クラスも同じ教材を使いますが、クラスによって「解くべき問題」が指示されます。
下位〜中堅クラスの生徒様が、上位クラス向けの問題まで無理に解こうとするとパンクします。
「指示された問題」に集中させることが、挫折を防ぐコツです。
5. 【学年別】SAPIX(サピックス)のカリキュラムと通塾頻度
SAPIXの通塾頻度は、学年が上がるごとに段階的に増えていきます。
特に5年生からは週3回に加え、授業時間も延びるため、生活リズムの大きな転換が必要です。
通塾頻度の目安は以下の通りです。
| 学年 | 通塾頻度 | 授業 |
| 小1 小2 小3 |
週1回 | パズルや読み物で、勉強を「遊びの延長」として楽しむ 空間認識と語彙力の強化 理科・社会が始まり「4教科」へ |
| 小4 | 週2回 | 理科・社会が本格化 学習習慣(サイクルの確立)を完成させる時期 |
| 小5 | 週3回 | 入試頻出の重要単元が目白押し ここで脱落しないことが勝負 |
| 小6 | 週3〜4回 | 土日の特訓(SS特訓)が追加され、実戦形式の演習をする |
以下、それぞれの学年のカリキュラムについてご説明します。
①小学1年生:学習を「遊び」の延長として楽しむ
まずは「勉強って楽しい!」と思わせることが最大の目標です。机に向かう習慣を、無理なく身につけさせます。
| 算数 |
単なる計算ドリルではなく、ゲームやパズル要素を取り入れた教材を使用(『きらめき算数脳』に近い内容)。 数字や図形に対する「感覚」を養い、算数嫌いを防ぐ。 |
| 国語 |
1年生の段階から、比較的長めの物語文に触れる。 「書くこと」も重視。教師による記述の添削指導を通じて、自分の言葉で表現する楽しさを知る。 |
②小学2年生:空間認識と語彙力の強化
1年生の内容をベースにしつつ、高学年でつまずきやすい「図形」や「言葉の知識」を先行して強化します。
| 算数 |
九九や単位の換算に加え、「立体図形の展開図」など、高度な空間認識能力を要する単元が登場します。 「答えは一つでも、解き方はいくつもある」ことを教え、柔軟な発想力を育てます。 |
| 国語 |
登場人物の気持ち(心情)を深く読み解く練習が始まります。 ことわざ、慣用句、詩など、扱う言葉のバリエーション(語彙)を一気に増やします。 |
③小学3年生:理科・社会が始まり「4教科」へ
この学年から理科・社会が加わります。
また、算数も単なる計算から「思考系」へとシフトする重要な時期です。
| 算数 |
「場合の数」や「規則性」など、将来の入試問題に直結する単元が登場。 すぐに答えを教えるのではなく、「試行錯誤して、自分で法則をひらめく」プロセスを重視。 |
| 国語 |
やや抽象的な文章や、心情の変化を読み取る高度な読解へ移行。 正しい日本語を使うための「文法」学習もスタート。 |
| 理科 |
暗記ではなく、「なぜ?」という興味を引き出す授業。 例:「星」の単元では星座の伝説を話し、理科を好きになる導入を行う。 |
| 社会 |
毎回2つ程度の都道府県をピックアップして学習。 写真や地図をふんだんに使い、旅行気分で日本の地理・特産品に触れる。 |
④小学4年生:4教科の「スパイラル」始動
いよいよ本格的な受験勉強が始まります。
ここで「授業→復習」のサイクルを確立できるかが、5年生以降の明暗を分けます。
| 算数 |
計算力の完成(分数・小数の計算をスラスラできるようにする)。 約数・倍数・面積・角度など、入試必須事項の土台作り。 |
| 国語 |
物語文に加え、論理的な「説明文」が本格的にスタート。 「コトノハ」「知の冒険」といった教材を使用し、語彙力を強化。 |
| 理科 |
物理・化学・生物・地学を満遍なく学習。 特に生物(植物・動物)は、4年生の内容が最も詳しく、受験レベルまで扱う。 |
| 社会 |
日本の地形・気候を詳細に学習。 農業や水産業などの第一次産業について詳しく学ぶ(5年生より4年生の方が詳しい)。 |
⑤小学5年生:【最重要】ここが合否の分かれ目
SAPIXで最も脱落者が多いのが5年生です。
学習内容のレベルと量が劇的に跳ね上がり、中堅校ならこの段階の知識だけで合格できるレベルに達します。
| 算数 |
受験算数の最強ツールである「比(割合)」を徹底的に習得。 「速さ」や「図形」など、あらゆる単元を「比」を使って解く、SAPIX流の思考法を完成させる。 |
| 国語 |
文章レベルが格段に上がり、長文全体を通して要約する力が必要になる。 読解力・表現力・思考力が総合的に試される。 |
| 理科 |
物理・化学分野での計算が増え、進度も速くなる。 毎週の学習範囲が広いため、積み残し厳禁。 |
| 社会 |
前期で地理を完結させ、後期から歴史がスタート。 半年間で全時代を駆け抜けるため、流れの理解と暗記を同時並行で行う。 |
⑥小学6年生:志望校対策(SS特訓)
前半で全範囲の学習を終え、夏以降は「入試で点を取る」ための実戦演習にシフトします。
| 算数 |
応用力の強化と、入試に近い形式のプリント演習。 志望校オリジナルの予想問題への取り組み。 |
| 国語 |
背景知識や常識を整理し、記号問題・記述問題それぞれの「解き方」を固める。 難度の高い論説文や随筆文への対処。 |
| 理科 |
全範囲の復習と、電気回路や光など、難関校で差がつく単元の深掘り。 実験・考察問題の対策。 |
| 社会 |
夏までに歴史の復習と公民を終了。 夏以降は総復習と「時事問題」、および複数の単元にまたがる横断的問題への対応。 |
6年生の後半(9月以降)からは、SAPIXの代名詞である「SS特訓(サンデーサピックス)」が始まり、志望校別の対策が本格化します。
やるべきことが膨大になるため、「志望校対策が間に合わない」「過去問の点数が伸びない」といった悩みが出た場合は、早急にプロの手を借りることをおすすめします。
体験授業を申し込む
ご相談からでもOK!
▼科目ごとのおすすめ対策方法については、以下ページをご覧ください
「SAPIX国語のおすすめ勉強法!家庭内でのサポート方法も解説!」
「SAPIX算数のおすすめ勉強法!家庭内でのサポート方法も解説!」
6. SAPIX(サピックス)入室テストの難易度と合格対策
SAPIXに入るためには、「入室テスト」に合格する必要があります。
しかし、その難易度は決して低くありません。「学校の勉強だけできれば大丈夫」と油断して挑むと、問題の形式や文章量に圧倒されてしまうリスクがあります。
① 入室までの流れ(ステップ)
入室テストは毎月実施されているわけではありません。以下の手順で進みます。
STEP1. 入室テストの申し込み
WEBサイトから申し込みます。実施日は決まっているため、公式サイトでスケジュールを確認しましょう。
STEP2.入室テスト受験
基本的に「算数・国語」の2科目です(※新4年生以上は4科目の場合もあります)。
STEP3.合否通知・クラス発表
基準点を超えれば合格です。同時に、スタート時のクラス(α〜A)が決定します。
STEP4.入室手続き
手続きを完了し、テキスト等が配送されれば入室完了です。
②入室テストの難易度
「小学校の内容ができれば合格できる」という噂を信じてはいけません。
SAPIXが求めているのは、単純な知識の量(暗記)よりも、「思考力」と「読み解く力」です。
| 科目 | テストの特徴・難易度 |
| 算数 |
「計算問題」は少ないです。 初見の問題をその場で考える「地頭」が問われます。 |
| 国語 | 文章量が圧倒的に多いです。 低学年であっても、小学校の教科書数ページ分に相当する長文が出題されます。 読むスピードが遅いと、問題を解く前に時間が尽きてしまいます。 |
③ 【学年別】合格への対策ポイント
現在の学年に合わせて、以下の準備をしておきましょう。
(1)新1年生〜新3年生(低学年)の場合
学校のテスト勉強は役に立ちません。市販のドリルで「考える問題」に慣れておく必要があります。
【対策】
書店で売られている『きらめき算数脳(SAPIX出版)』や『最レベ』などの思考力系ドリルに取り組み、独特の問題形式に慣れておきましょう。
長い文章を読むことに抵抗をなくしておくことが重要です。
(2)新4年生以降(高学年)の場合
最もハードルが高いのが、4年生以降の途中入室です。
SAPIXのカリキュラムは進度が速いため、入室テストの時点で「学校では未習だが、SAPIXでは既習」の単元が出題されます。
【対策】
学校の勉強だけでは太刀打ちできません。
入室テストの出題範囲を事前に確認し、未習単元があれば市販の参考書や個別指導などで「予習」をしておく必要があります。
入室テストは「合格さえすればいい」と思われがちですが、「どのクラスで入るか」も非常に重要です。
あまりに下のクラスでスタートすると、難関校対策の授業が受けられないまま進んでしまう可能性があります。
万全の準備をして、少しでも上のクラスでのスタートを目指しましょう。
▼SAPIX入室テスト対策の詳細は以下ページをご覧ください
7. SAPIX(サピックス)のクラス分け・コース昇降の仕組み
SAPIX最大の特徴であり、競争原理の核心となるのが、頻繁に行われる「クラス昇降」です。
大規模校舎では20クラス以上(小規模でも数クラス)に細分化され、自分の学力に完全にマッチした授業を受けられるシステムで、同時に「落ちたくない」というプレッシャーが常にかかる環境でもあります。
保護者様が理解しておくべき「クラスの仕組み」と「テストの種類」を整理しました。
①上位の「α(アルファ)」と下位の「アルファベット」
SAPIXのクラスは、成績順に以下の2つのコースに大別されます。
下からA、B、C…と上がり、成績上位層が「αコース」に入ります。
-
【αコース(α1が最上位)】
御三家や最難関中学を目指すコース
校舎規模により、α1(最上位)、α2…と続く【アルファベットコース(Aが一番下)】
中堅〜難関中学を目指すコース
Aクラス(一番下)から始まり、B、C、D…と続く -
使用するテキストは全クラス共通ですが、「授業で扱う問題」が全く異なります。
-
上位クラスは応用中心、下位クラスは基礎中心となるため、クラスが落ちると「難問の解説を受けられない」、クラスが上がると「基礎の説明がなくなりついていけない」というギャップが発生します。
②「マンスリーテスト」と「組分けテスト」の違い
クラス昇降を決めるテストには、大きく分けて2つの種類があります。
「今回はどのくらいクラスが動くのか」を知っておくことが重要です。
| マンスリー確認テスト | 組分けテスト | |
| 出題範囲 | 範囲あり 直近(約1ヶ月分)の授業内容から出題 |
範囲なし(実力) これまで習った全範囲から出題 |
| 目的 | 日々の「復習の定着度」を測る | 純粋な「今の実力」を測る |
| クラス変動 | 制限あり | 制限なし(無制限) |
※学年や時期によって、昇降制限のルールが異なる場合があります。
③クラス変動への向き合い方
毎月のようにクラスが変わるため、一喜一憂しすぎないことが大切です。
特に学年が上がると、クラスを「維持」するだけでも相当な努力が必要になります。
【叱るのは逆効果】
「クラスが落ちた=サボった」とは限りません。周りも必死に勉強しているからです。
「なぜ落ちたのか(計算ミスか、理解不足か)」を冷静に分析してください。
【戦略的なクラスダウン】
基礎がボロボロの状態で無理に上位クラスにしがみつくと、授業についていけず「お客さん」になってしまいます。
あえてクラスを落とし、基礎を固め直すことがプラスになる場合もあります。
クラスの昇降は、生徒様のモチベーションに直結します。
もし、「頑張っているのにクラスが上がらない」「苦手科目のせいでクラス落ちが止まらない」という場合は、勉強のやり方自体(復習の精度)に問題があるケースが大半です。
集団塾ではケアしきれない「個別の弱点分析」が必要なタイミングかもしれません。
体験授業を申し込む
ご相談からでもOK!
▼SAPIXのクラス分けの詳細については以下ページをご覧ください
「SAPIXのクラス分けの基準は?クラスアップのための方法も解説!」
「SAPIX組分けテストの対策法とは?効果的な学習方法を科目ごとに解説!」
8. SAPIX(サピックス)で使用しているテキスト・教材の特徴
SAPIXの教材システムは、他塾とは大きく異なります。 最大の特徴は、カバンが重くなるような分厚い教科書を入塾時に渡さないこと。
その代わり、授業のたびに配布される「B4サイズの冊子(プリント)」が学習の主役となります。
①【メイン教材】授業ごとの配布プリント
SAPIXでは、「予習」を防止し、知的好奇心を授業で最大限に引き出すため、その日に扱う単元のテキストを、授業当日に配布します。
| 教材 | 対象 | 特徴と役割 |
| デイリーサピックス | 全学年 全教科 |
家庭学習のメインで授業の復習用教材 帰宅後はまずこれに取り組み、知識を定着させます。 |
| デイリーサポート | 4〜6年 算数・理科 |
授業中に教師と一緒に解くための演習教材 裏面が「表面の数値替え問題」になっており、授業の復習に役立ちます。 |
②【副教材】知識と計算の定着ツール
プリント教材とは別に、基礎学力を維持するための「冊子型教材」も使用します。
これらは毎日コツコツ進めることが求められる「SAPIX生の基礎体力作り」の教材です。
| 教材 | 科目 | 特徴と役割 |
| 基礎力トレーニング | 算数 | 計算ドリル ページごとに「○月○日」と日付が入っており、「1日1ページ、365日欠かさずやる」教材 |
| 言葉ナビ | 国語 | 語彙力強化 ことわざ・慣用句などを体系的に学び、毎週実施される「授業前小テスト」の出題範囲 |
| コアプラス | 理科 社会 |
理科・社会の知識強化 入試頻出の知識が一問一答形式で網羅されており、受験直前まで繰り返す教材 |
9. SAPIX(サピックス)の費用は高い?月謝・講習費・年間総額の目安
SAPIXの授業料は、低学年のうちは習い事感覚で通える金額ですが、4年生(受験コース本格化)と6年生(直前期)のタイミングで大きく増額されます。
①【学年別】月謝と年間費用の目安
以下の金額は、授業料・テキスト代・テスト費用などを含んだ目安です(税込)。
| 学年 | 月謝(税込) | 年間の授業料(8月は夏期講習なので除く) |
| 小1 | 22,000円 | 242,000円 |
| 小2 | 23,100円 | 254,100円 |
| 小3 | 25,300円 | 278,300円 |
| 小4 | 45,650円 | 502,150円 |
| 小5 | 57,750円 | 635,250円 |
| 小6 | 66,000円 | 726,000円 |
※2025年度の目安
②注意!月謝に含まれない「追加費用」
「月謝だけ払えばいい」と思っていると、請求額を見て驚くことになります。
以下の費用は、月謝とは別に請求される金額の目安です。
【入室金】
全学年共通で入室金が33,000円かかります。
【季節講習費】
春期講習、夏期講習、冬期講習では別途費用がかかります。特に6年生の夏期講習は期間も長く、20万円以上かかるケースがあります。
【難関校SS特訓(サンデーサピックス)】
難関校SS特訓(サンデーサピックス)は小学6年生対象で5か月間の集中特訓です。
首都圏では295,900円(※2025年度の目安)かかります。
③他塾との比較
他塾と比較すると、年間で約10〜20万円ほど SAPIXの方が高い傾向にあります。
10. SAPIX(サピックス)と他の大手中学受験塾(早稲アカ・日能研など)との違い

大手塾にはそれぞれ明確な「カラー」があります。
「難関校に行きたいからSAPIX」と決める前に、生徒様の性格がどのカラーに合うかを確認してみてください。
まずは以下の比較表で、全体像を把握しましょう。
| 塾名 | SAPIXとの違い(特徴) | 向いているタイプ |
| 早稲田アカデミー | SAPIXと真逆の「熱血・体育会系」指導 宿題の量が多く、徹底的に管理してくれる |
競争心と根性がある生徒様 家でダラダラしてしまう生徒様 |
| グノーブル | カリキュラムや進度はSAPIXと似ている 教師との距離が非常に近い |
もっと手厚いフォローが欲しい生徒様 最難関校(御三家)を目指す生徒様 |
| 日能研 | 進度が穏やかで、中堅〜上位校に強い クラス変動が激しくなく、じっくり学べる |
競争プレッシャーが苦手な生徒様 習い事と両立したい生徒様 |
| 四谷大塚 | 完成されたテキストを使用 『予習シリーズ』の解説が丁寧 |
プリント管理が苦手なご家庭 |
| 栄光ゼミナール | 1クラス10名程度の「少人数制」指導 競争させるよりも、個人のペースを重視 |
大人数が苦手な大人しい生徒様 自分のペースで質問したい生徒様 |
| ena | 私立難関ではなく「都立中高一貫校」に特化 記述・作文など「適性検査」対策に強い |
作文や記述力を磨きたい生徒様 「都立中」が本命の生徒様 |
| TOMAS | 集団授業ではなく、完全1対1の個別指導 SAPIXの「補習塾」として併用するケースが多い |
集団塾で質問できない生徒様 特定の弱点だけ補強したい生徒様 |
①早稲田アカデミーとの違い
SAPIXが「クールでドライ」なら、早稲アカは真逆の「ホットで熱血」な塾です。
【SAPIXとの違い】
-
指導スタイル: 早稲アカは「ハチマキを巻いて気合で合格!」という体育会系のノリ
-
宿題の量: SAPIX以上に多いです。「反復練習」で体に覚え込ませるスタイル
-
面倒見: 宿題チェックや電話連絡など、SAPIXより手厚いフォローがある
【向いているタイプ】
◎競争心があり、教師にグイグイ引っ張ってもらいたい生徒様
◎家ではダラダラしてしまうので、強制的に管理してほしいご家庭
▼早稲田アカデミーについての詳細は以下ページをご覧ください
②グノーブルとの違い
元SAPIXの講師陣が設立した塾で、カリキュラムやシステムがSAPIXに似ています。
【SAPIXとの違い】
-
規模感: SAPIXより人数が少ない分、教師が生徒様の顔と名前を覚えており、距離が近い
-
難易度: 算数などはSAPIXと同等か、それ以上に進度が速くハイレベル
-
弱点: 母集団が小さいため、立ち位置(偏差値)の信頼性はSAPIX模試に軍配が上がる
【向いているタイプ】
◎SAPIXのカリキュラムは魅力的だが、もっと手厚い個別の視点が欲しいご家庭
◎最難関校(御三家など)を本気で目指す生徒様
▼グノーブルについての詳細は以下ページをご覧ください
③日能研との違い
電車広告や「Nバッグ」でおなじみ。データ重視の老舗塾です。
-
-
-
- 進度: SAPIXより穏やかです。「4年生で詰め込みすぎない」カリキュラムのため、習い事との両立もしやすい
- ターゲット: SAPIXが「最難関特化」なら、日能研は「中堅校〜上位校」の合格者層が厚い
- クラス昇降: SAPIXほど頻繁でドラスティックな変動はなく、じっくり腰を据えて学べる
-
-
◎殺伐とした競争環境が苦手な生徒様◎基礎からコツコツ積み上げ、中堅〜難関校を目指したい生徒様
④四谷大塚との違い
中学受験のバイブル的テキスト『予習シリーズ』を発行している塾です。
【SAPIXとの違い】
-
-
-
教材: SAPIXの「バラバラのプリント」と違い、非常に完成された「教科書(テキスト)」
保護者様が教えやすい:教材の解説が丁寧なため、保護者様が家で教えやすいのが最大のメリット -
テスト: 「週テスト」で毎週の定着を確認するシステムが確立されている
-
-
【向いているタイプ】
◎プリント整理が苦手なご家庭
◎保護者様が勉強を見てあげたい、または家庭教師をつけやすい環境の方
▼四谷大塚についての詳細は以下ページをご覧ください
⑤栄光ゼミナールとの違い
栄光ゼミナールは10名前後の少人数グループ指導を行う塾です。
【SAPIXとの違い】
雰囲気: SAPIXのような「その他大勢」になる心配がなく、一人ひとりに目が届くアットホームな環境
レベル: 学校の補習〜中堅校受験がメインで御三家狙いの講座もある
【向いているタイプ】
◎大人数の中だと埋もれてしまう大人しい性格の生徒様
◎自分のペースで教師に質問したい生徒様
▼栄光ゼミナールについての詳細は以下ページをご覧ください
⑥enaとの違い
都立中(公立中高一貫校)の合格実績でNo.1を誇る塾です。
【SAPIXとの違い】
-
-
-
-
目的: 「小石川」や「武蔵」などの都立中が第一志望なら「SAPIX」より「ena」
-
指導内容: 私立難関向けの知識詰め込みではなく、都立特有の「適性検査(作文・記述)」対策に特化
-
-
-
【向いているタイプ】
◎私立ではなく、都立中高一貫校を本命に考えている生徒様
▼enaについての詳細は以下ページをご覧ください
⑦TOMASとの違い
完全1対1の個別指導塾です。進学塾としての機能も持ちますが、SAPIX生の「補習塾」として使われることも多いです。
【SAPIXとの違い】
役割: SAPIXの授業で分からなかった単元を「TOMASの個室で解消する」という「SAPIX × TOMAS」の併用パターンが王道
柔軟性: 集団塾のカリキュラムに縛られず、個人の弱点だけをピンポイントで補強できる
【向いているタイプ】
◎SAPIXの授業についていけず、消化不良を起こしている生徒様
◎集団塾では質問ができない生徒様
▼TOMASについての詳細は以下ページをご覧ください
11. SAPIX(サピックス)は「保護者様の負担」が大きい?家庭学習サポートの実態

SAPIXに通うと、保護者様には、主に「①プリントの整理整頓」と「②忘れないためのスケジュール管理」という2つの大切なお仕事が待っています。
①プリントの整理整頓
SAPIXには、分厚い教科書がありません。その代わり、授業のたびに薄い冊子(プリント)が配られます。
これを生徒様任せにすると、カバンの中がぐちゃぐちゃになり、「あのプリントどこ?」と勉強ができなくなってしまいます。
【保護者様がやること】
ファイリング: 授業から帰ってきたら、科目ごと・ナンバー(No.)順にバインダーやボックスに整理する
解き直し管理: テキストを見て、「どの問題を間違えたか」をチェックし、復習すべき問題に付箋を貼るなどの選別をする
過去分の抽出:「No.◯◯のテキストを復習したい」となった際には、サッと取り出せるようにしておく
②忘れないためのスケジュール管理
SAPIXは「スパイラル方式」というカリキュラムです。これは、一度習った単元が、数ヶ月〜半年後に少し難しくなってまた登場する仕組みです。
しかし、「何もしない期間(3ヶ月〜半年)」があると、子供はきれいに忘れてしまいます。次の授業で「はじめまして」の状態にならないよう、保護者様のフォローが必要です。
【保護者様がやること】
忘れてないか声かけ: 「そろそろ3ヶ月前の『旅人算』を忘れている頃だから、週末に1問だけ解いてみようか」などと提案
時間の確保: 「土曜日の午前中に30分だけ、昔の復習時間をとろう」など、保護者様が計画を立てる
SAPIXで成功するご家庭は、役割分担がはっきりしています。
ただ「勉強しなさい!」と怒るのではなく、「今日はこのプリントの、付箋を貼った問題を解こう」と具体的に指示を出してください。
生徒様が迷わずに走れるレールを敷いてあげることが、保護者様の最大の役割です。
12. SAPIX(サピックス)に通う保護者様のリアルな口コミ・評判
最後に、SAPIXに通われているご家庭様の実際の口コミ・評判をご紹介します。
以下を参考にしながら、生徒様をSAPIXに通塾させるかどうか、ご検討ください。
①良い口コミ:ハイレベルな環境での切磋琢磨
・自分で考える癖付けが出来る塾。テキストの問題は難しいが、時間をかけて取り組んでいます。
・他塾の子と比べて、難しい問題に取り組んでいて、受験で優位に立てそうです。
・クラス数が多く、テストも多いので、クラスの上下変動が多く、それが刺激になっています。
・SAPIXでやった内容が実際の受験で出題された、と聞きました。
・難関校の大多数がSAPIXなので、迷わず入れました。
②良くない口コミ:面倒見の良さやフォロー体制について
・進みが速く、ついていけない。ただ塾に行っているだけになっています。
・夏期講習の日数が長く、旅行にも行けないです。普通の授業も遅くまであります。
・難しい問題が多くて全然解けません。もっと易しい問題を多くして欲しいです。
・やることが多過ぎて、睡眠時間が確保できなくなってきています。このままだと子供がかわいそうなので、 他塾も検討中です。
・テキストが昔とあまり変わらないようです。プリントの内容は変わっているようですが。
まとめ:SAPIXで合格をつかみ取るために
SAPIXは、御三家をはじめとする最難関中学への合格実績において他を圧倒する「王者」です。
しかし、そのカリキュラムは非常に高度であり、ただ通わせるだけで成績が上がる魔法の場所ではありません。
最後に、SAPIXで成功するためのポイントを3つにまとめました。
【最難関校への最短ルートだが、高い自主性が求められる】
「復習中心のスパイラルカリキュラム」と「優秀なライバルとの競争」は、トップ校を目指す上で最高の環境です。
ただし、授業スピードは非常に速いため、自分で学習サイクルを回す姿勢が不可欠です。
【保護者様のマネジメント力が合否を左右する】
膨大なプリントの整理や、忘却曲線を意識した復習スケジュールの管理など、保護者様は「勉強のコーチ兼マネージャー」として二人三脚で挑む覚悟が必要です。
【家庭だけで抱え込まず、プロの力を借りる勇気も大切】
「クラスが落ちてしまった」「保護者様のフォローが限界」という壁にぶつかることは珍しくありません。
消化不良を起こしたまま進む前に、個別指導や家庭教師などで軌道修正を図ることが、最終的な合格への近道となります。
もし、ご家庭での学習フォローに限界を感じたり、SAPIXのカリキュラムについていけないとお悩みの場合は、SAPIXを知り尽くした東大家庭教師友の会のサポートを検討してみてください。
▼当会では、SAPIX生への指導に特化した家庭教師をご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
中学受験塾対策ができる家庭教師をご紹介
SAPIX・日能研・早稲田アカデミー・四谷大塚などの通塾経験や、通塾生の指導経験がある教師が在籍しています。
上記は在籍教師の一例です。他にも様々な経歴の教師が在籍しています。ご希望の条件の教師が在籍しているかは無料でお探しできますので、まずはお気軽にお問合せください。
小学生の生徒様の声
中学受験の合格体験記
東大家庭教師友の会の特徴
当会には、東大生約9,700名、早稲田大学生約8,500名、慶應大生約8,000名をはじめ、現役難関大生が在籍しています。
生徒様の憧れとなる教師のご紹介と、安心・充実のサポート体制で、生徒様の目標達成に貢献します。
中学受験対策、大学受験対策に選ばれる理由を動画で紹介
ご利用の流れ
STEP 1
STEP 2
STEP 3
STEP 4
中学受験に強い家庭教師をお探しなら
あわせてチェック|SAPIX(サピックス)の関連記事
東大家庭教師友の会をもっと知る






